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アメリカのスタンフォード大学が、気候変動に焦点をあてた新学校を設立する。2022年9月1日に開校予定の「Stanford Doerr School of Sustainability」は、地球・気候・社会と3つの領域に重点を置いたカリキュラムを設ける。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
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アメリカ・カリフォルニア州にあるスタンフォード大学が、気候変動についてフォーカスした新学校「Stanford Doerr School of Sustainability(スタンフォード・ドーア・スクール・オブ・サステナビリティ)」の立ち上げを発表した。開校は2022年9月1日。
同大学で70年ぶりとなる新学校設立のため、シリコンバレーの有名なベンチャーキャピタリストのジョン・ドーア夫妻が、11億ドル(約1,400億円)を寄付。これは、学術機関への寄付金として史上2番目に高い金額であり、学校名にドーア夫妻の名前がつけられているのは、このため。それ以外の寄付を含むと、総資金は16億ドル(約2,000億円)に達する。
新学校では、地球と惑星のサイエンス、エネルギー技術、食料と水の安全保障、人間の健康といった、気候変動とその解決策に関連するさまざまなトピックに焦点を当てたカリキュラムが設計されている。地球とそのシステムにまつわる基本的な知識を身につけ、喫緊の気候変動問題の解決策を見出せる人材の教育を目指す。
「スタンフォード・アース」と呼ばれる同大学の地球エネルギー環境科学部は、現在在籍中の教員とともに新学校へ移行する。また今後10年で約60人の教員を採用する予定で、特に早期段階での採用はエネルギー、気候科学、環境正義に主眼を置く。
新学校の学長には、持続可能なエネルギー解決と政策領域での世界的権威、アルン・マジュムダール氏を起用。彼はオバマ政権下の2009年、エネルギー革新の研究を担当する政府機関の創設責任者や、米国エネルギー長官のジェニファー・グランホルムの諮問委員会の委員長を務めたキャリアを持つ人物だ。彼はニュースリリースで、以下のように述べている。
「新学校では、キャンパスの全学生、教職員、スタッフの知的能力を活用するだけでなく、世界中の外部組織との提携で革新的な解決策をともに開発し、研究と教育を通して新たな洞察を見出します。地球は、私たちが先祖から受け継いだものではなく、未来の子どもたちから借りているもの。だから、人間と自然がともに繁栄する未来を創造しなければなりません」
頻発する山火事、歴史的な干ばつ、猛暑や極寒など、気候変動に関連した災害が世界中で頻発するなか、気候変動を少しでも食い止める対策が早急に求められている。スタンフォード大学があるカリフォルニア州は近年、厳しい干ばつや山火事などに見舞われており、そのような経験が今回の新学校創設のひとつの要因になったという。
これまでに、アメリカ・コロンビア大学が気候変動について学ぶ新学校を設立するなど、同様の動きがあった。だが世界的にもトップクラスの大学として知られるスタンフォード大学が、気候変動危機を救う人材の育成に乗り出したことは、教育・研究機関としてもひとつの大きなきっかけになると考えられる。
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