アメリカ・カリフォルニア州で、食品ロスを削減するための法律が施行された。食べられる食品は寄付し、他は分別が義務付けらる。カリフォルニア州では、2025年までに75%の生ごみの削減を目標としている。
小原 ゆゆ (Yuyu Obara)
ライター / インターン
上智大学総合グローバル学部在学中。 エストニアへの渡航をきっかけに、ヨーロッパの持続可能なライフスタイルに関心を持つ。 趣味は旅行、おかし作り、映画鑑賞。
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アメリカ・カリフォルニア州で2022年1月より、事業者に食品ロス削減の取り組みを義務付ける法律が施行された。スーパー、レストラン、食品流通業者などの事業者は、まだ食べられるものについては、食品ロス削減に取り組む団体に寄付し、それ以外については堆肥化できる生ごみと他のごみを分別することが求められる。
この法律の目的は、埋め立てて処理される生ごみを減らし、それによって発生する温室効果ガスを削減すること。同州では2025年までに州全体の生ごみを75%削減することを目標としている。2024年からは、生ごみを分別せず廃棄した場合、罰金が科せられる。
アメリカや日本などの先進国を中心に、食品ロスが大きな問題となっている。食品廃棄物は、世界で排出されるごみのうち約1割を占めており、毎年1兆ドル(約115兆円)近くの食品が廃棄されていると言われる。また事業者から排出される食品廃棄物も多い。アメリカでは約4割の廃棄物が、レストランやホテルなどの事業者から廃棄されているという。
そのため今回のような大規模な新しい取り組みがスタートすることとなったのだ。
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今回の法律では、事業者のほか、一般家庭での食品ロスについても対象となる。つまり、事業者も一般家庭でも、生ごみはコンポストに入れ、堆肥化する必要がある。
生ごみは水分を多く含むことから、焼却時に多くのエネルギーを要する。それに加え、堆肥化できるものが廃棄物として排出されてしまうことが、食品ロスの問題のひとつとして指摘されている。さらに、世界には食糧不足に陥っている人がいる一方で、まだ食べられるものを廃棄しているということも問題だろう。
カリフォルニア州内の各自治体や事業者が、今回の法律にしたがって、分別の対応をスムーズに行えるようになるのは、2022年夏頃と予想されている。だが、今後はこのような取り組みが、各国で広がっていくことが重要ではないだろうか。
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