Photo by Future
二酸化炭素排出量の少ない商品の購入や地下鉄の利用など、環境に配慮した「グリーン購入」に対して、5%キャッシュバックされるクレジットカードが登場した。地球環境に配慮したクレジットカードが各国から登場しているなか、最新の事例を紹介する。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
米・スタートアップ企業のフューチャー(Future)は2021年11月、新しいクレジットカード「フューチャーカード(Future Card)」を発行した。
このクレジットカードが推奨するのは、環境に配慮した「グリーン購入」だ。例えば、二酸化炭素排出量の少ない食品や古着の購入、地下鉄の利用、電気自動車の充電など、環境に配慮した消費の支払いを行うと、5%のキャッシュバックが提供される。経済的メリットを受けながら、我々の消費と環境とのつながりについて考えられるカードだ。
同社によると、二酸化炭素排出量の66%は、我々の食事方法や交通手段など、ライフスタイルに関連するという。つまり生活のあらゆるシーンで我々が行う選択が、気候危機につながっている可能性があるということだ。
そこでこのクレジットカードでは、二酸化炭素排出量の少ない支出に対して5%のキャッシュバックを提供。それ以外の支出に対しては、1%のキャッシュバックを行う。
また気候危機はすべての人に影響を与えることから、このクレジットカードでは年収やクレジットスコア(個人の信用度をはかるための指標)などは、審査条件にない。
さらに、気候危機対策にどのくらい貢献したか確認できるよう、フューチャースコア(FutureScore)と同期。カード利用者がより実感を持ってグリーン購入を行える仕組みが整えられている。
個人の消費行動と環境負荷を結びつける金融商品は、フューチャーカードが初めてではない。例えば、スウェーデンのドコノミー(Doconomy)は2021年8月、使用プラスチックや二酸化炭素排出量がわかるDOカードを発表。
2021年3月にはロサンゼルスを拠点とするアスピレーション(Aspiration)が、カードを使用するたびに1本植樹することでカーボンオフセットするクレジットカードを発表した。
どちらも意識の向上につながるが、フューチャーカードは「環境に配慮したい」と考える人の思いと、キャッシュバックというメリットを結び付けている点が新しいだろう。
このようなシステムの登場が、グリーン購入を促進するひとつのきっかけとなっていくことが期待される。
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