健康面や環境への配慮を理由に完全菜食主義者「ヴィーガン」になる人が増えているが、新型コロナの流行がヴィーガン人口の増加に拍車をかけているという。調査でわかったその意外な理由とは? Proagrica(プロアグリカ)が実施したコロナ禍と食生活に関する調査の内容をお届けする
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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約1年前、私たちの生活が180度変わってしまう前から少しずつ広まっていたヴィーガン。どうやら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が、菜食主義者の増加に貢献しているというのだ。
ロンドンに本部を置くRELXグループ傘下の「Proagrica(プロアグリカ)」がおこなったコロナ禍における食生活調査によると、2020年3月以降、イギリス人の5人に1人(18%)が、より多くのヴィーガン食を生活に取り入れたことがわかった。
もっとも多かった理由が、「肉の衛生環境に懸念がある」という回答で全体の28%にのぼり、次いで「動物福祉への懸念(26%)」「健康面のため(23%)」「畜産による環境問題への影響(22%)」と続いた。健康や環境への配慮を理由に菜食主義を取り入れるというよりも、畜産の衛生面に不安を覚えている人が多いようだ。
また新型コロナの影響が続くかぎり「肉の消費を減らす」「完全にヴィーガン食にする」と回答した人は、全体の約3分の1(29%)を占め、「ファストフード店やレストランで大豆ミートなどのプラントベースの代替肉を試すと思う」と回答した人も39%と意外と多い。
完全に菜食主義に移行する心の準備まではできていないものの、植物性食品中心の食生活にシフトしつつ、時には肉や魚も食べるというフレキシタリアン的アプローチを選択する人が、全体の40%近くいるというのは大きな変化である。
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「Proagria」の代表取締役であるGraeme McCrackenのコメントによると、この選択の変化は、Veganuary(ヴィーガニュアリー※)の効果をはるかに超えているというのだ。パンデミックがこの動きを早めている可能性は極めて高いと考えられる。
※「Vegan」と「January(1月)」をかけ合わせた造語。毎年1月、一ヶ月間だけお試しでヴィーガンになろうと呼びかける運動。
なんにせよ、新型コロナの流行は私たちが自分の生活や健康面を見直す機会になったことは間違いないだろう。ヴィーガンが主流になるための手がかりは、意外なところにあるのかもしれない。
参照サイト/Pandemic fuels rise of plant-based diets, finds new Proagrica study
https://www.prnewswire.com/news-releases/pandemic-fuels-rise-of-plant-based-diets-finds-new-proagrica-study-301234533.html
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