2020年8月11日、中国政府がフードロス削減運動「光盤行動」に力を入れると発表した。フードロスにつながるような煽りや誤解を招く行為、大量の食べ残し、大食いがテーマの番組の制作などが、法律で禁止される見込みだ。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
2020年10月、環境省は飲食店での食べ残しを持ち帰る取り組みを「mottECO(もってこ)」と命名し、全国に普及させていくと発表した。すでに想像できているかもしれないが、理由はフードロスの削減だ。
同じような取り組みが中国でもおこなわれていて、最近、「光盤行動」と呼ばれる運動の一環として、導入を検討している施策が発表された。
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発表された内容を紹介する前に、まずは「光盤行動」から紹介したい。
これは“皿の上にある食べ物を残さずにきれいに食べ尽くす”という意味を持っているフードロス削減運動だ。
始まりは2013年なのだが当時はあまり浸透せず、2020年8月11日に改めて中国政府が力を入れると発表。その後、すでにいくつかの取り組みが実施されている。
中国には、ホストが客をもてなすために多くの料理をオーダーする文化があり、たくさんのフードロスが発生しているという。その量は3000万人〜5000万人の1年分の食料に相当するそうだ。
「腹八分目ほどでオーダーをやめる」「人数のマイナス1人分をオーダーする」「小皿料理をオーダーする」など、多くの飲食店が協力をしているとのこと。
しかし、なかには「お弁当を男性サイズと女性サイズを用意する」といった性差別につながる施策(あえて“男性”と“女性”と表記する必要はない)や、「体重によってオーダーできる量を決める」というボディシェイミングにつながる施策(誰かに体重などの体に関することを明かす必要はない)もあり、いくつかは批判をあびている。
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こうした動きをみて中国政府は、「飲食店がフードロスにつながるような煽りや誤解を招く行為をおこなった場合は高額の罰金を科す」「客が食べ残しをした場合はレストランが別料金を請求できる」など、新しい法案を発表。法律を定めることでフードロス削減を狙っているのだ。
ほかにも、大食いがテーマとなっている番組を制作したり公開したりすることが禁止になるという。
正直、やりすぎな部分も見受けられるが本気でフードロスをなくしたいなら、ここまで力をかけなければいけないのかもしれない。全部を真似する必要はないが、見習える部分はしっかりと参考にして、エシカル・サステナブルライフを送りたいものだ。
参照サイト/The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2020/dec/23/china-to-bring-in-law-against-food-waste-with-fines-for-promoting-overeating
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