デンマーク・コペンハーゲンに拠点を置く、プラントベース食品のデリバリーサービスを手がける企業「Simple Feast」が、ジャンクフード広告を見つけたら野菜に関するGIF画像へと変えてくれるアドブロックをローンチした。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
広告が食料廃棄につながっているとして、2020年にアイルランド政府は「Buy one, get one for free(ひとつ買ったら、ひとつタダ)」や「Two for one(ふたつ買ってもひとつの値段)」などのキャッチコピーの使用禁止を検討しはじめた。当たり前の話ではあるが、私たちは無意識のうちに広告に影響されているのだ。
知らないうちに食料廃棄を増やしてしまっている可能性もあれば、そもそもジャンクフードの消費量が増えている可能性もある。
そこで立ち上がったのがデンマークの「Simple Feast」という企業だ。
「Simple Feast」はデンマーク・コペンハーゲンに拠点を置く、プラントベース食品のデリバリーサービスを手がける企業だ。そんな彼らが新たなサービスとしてローンチしたのが「Junk Food Blocker」。
ジャンクフード広告を見つけたら野菜に関するGIF画像へと変えてくれるサービス。すでに多くのアドブロックが提供されているが、数少ないクリエイティビティを感じられるサービスのひとつだろう。
表示されるのは野菜に関するGIF画像だが、男性がブロッコリーの上を歩いていたり女性がアボカドの上でくつろいでいたり、どれもユーモアのある仕上がりとなっている。使っているところを想像してみても、たしかにジャンクフードを食べたいと考える機会が減りそうだ。しかも、社会問題解決の一助になる可能性もある。
イギリスでは近年、子どものためにジャンクフード広告を規制しようとする動きが出ている。大量の広告が露出されたままだと、ゆくゆくは生活習慣病などにつながる恐れもあるからだ。
ジャンクフード広告が野菜に関するGIF画像になることで「Junk Food Blocker」の売り上げはアップするかもしれないが、無意識のうちに食生活を変えて、健康に悪い食事をする機会が減ることがあるならば、たくさんの人が高く評価するだろう。
「Google Chrome」に対応していて、無料で使用可能。たまにだとしても無性にジャンクフードが食べたくなる機会がある人は、「Junk Food Blocker」をインストールして、しばらく様子をみてもいいかもしれない。
参照サイト/simple feast
https://simplefeast.com/se/junkfoodblocker
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