プールが開放感のあるオフィスに変身 上海のデザイン会社が手掛けたリノベーションプロジェクト

上海を拠点とするインテリアデザイン事務所「Linehouse」が手がけたリノベーションプロジェクトを紹介しよう。利用客を増やすことができなかったプールを、従業員が気持ちよく働けるオフィススペースへと変身させたのだ。

小嶋正太郎

農家 / 編集者

元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。

2020.12.30
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プールをリノベーション 明るい雰囲気で働けるオフィスに変身

スクラップアンドビルドとリノベーション──。エシカル・サステナブルライフを送っている人が興味を示すのは、間違いなく既存の建築を活かす後者だろう。壊してから新たな建物をつくるよりも、地球への環境負荷がずっと軽いのだから。

すでに世界各地でリノベーション建築の数が増えているが、今回は上海でおこなわれたプロジェクトの紹介。

プールが開放感のあるオフィスへと変身したのだ。

プールを改造した上海・静安区のオフィスビル

ここはもともと上海・静安区にある複合施設「Jing'An Kerry Centre」のなかにつくられたプールだった。しかし、2013年に建てられてからも思った以上に利用客が増えず、上海をベースとするインテリアデザイン事務所「Linehouse」が手を加えることに。もう少し実用的なスペースへとアップデートすることを提案したようだ。

たっぷりと太陽光を取り入れるプールの設計を活かして、仕事のできるスペースへと生まれ変わらせる。建築としてそのふたつの相性がいいのは、画像を見てみれば簡単にわかるはず。とはいえ、プールからオフィスへと変えることを考えついたのは、さすがの発想力だ(「Linehouse」は過去にも廃ビルをカフェへと変えたことで注目を浴びている)。

会議室や集中部屋 さまざまなニーズに対応

「Linehouse」のホール

「Linehouse」の優れた点は、太陽光を取り入れるためにある天窓を残していることだろう。さらにプール内に施されていた階段を活かしながら、多くの人が座れるようにデザインしているのもすばらしい。

「Linehouse」のミーティングスペース

開放感のあるスペースだけでなく、しっかりとプライベート空間を確保できるブースもあることも特徴。クライアントとのミーティングやひとりで集中したい時に、それぞれのニーズにあった場所があるのは、従業員としてはうれしいだろう。

「Linehouse」の集中部屋

オフィスとしての利用以外にも、イベントや講演をおこなうことができるのもポイントだ。ここまで利用する人のことを考えているので、確実に需要が高まっていくだろう。

「Linehouse」のエントランス

ちなみに、この場所を使う人たちが一緒にランチを食べられるような場所もある。

日本でもリノベーション建築は増えているけど、ここまでの規模はまだまだ少ない印象だ。従業員の立場としても、画一化されたオフィスビルよりもユニークネスのある場所の方がクリエイティビティを発揮しやすいというのが本音だろう。近い将来、センスを大いに感じられるリノベーション建築がメインストリームになることに期待したい。

参照サイト/Linehouse desigh
http://linehousedesign.com/work/social_space

※掲載している情報は、2020年12月30日時点のものです。

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