アメリカ・ニューヨークのパーソナルケアブランド「by Humankind」が、月額8ドル(約820円)で同国の平均プラスチック消費量をオフセットできるサービス「Plastic Neutral(プラスチック ナチュラル)」をローンチした。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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2021年、カーボンオフセットは誰もができる行為になるだろう。
念のため、この定義を説明しておくと温室効果ガスの排出量を埋め合わせることだ。これまでは企業やブランドなどがカーボンオフセットに取り組んでいたけど、これからは個人レベルでも意識できるようになる。
それを象徴するのが、アメリカ・ニューヨークのパーソナルケアブランド「by Humankind」がローンチした「Plastic Neutral」という新しいサービスだ。
「by Humankind」は、日常生活で排出される使い捨てプラスチックごみを減らせるプロダクトを製造するというブランドミッションを掲げている。
ガラス瓶に入ったタブレットタイプの歯磨き粉や100%生分解できるデンタルフロス、詰め替えができるデオドラント、アルミニウム容器に入ったハンドサニタイザーなど、さまざまな日用品をサステナブルな仕様にしているのだ。
ちなみに、2019年11月29日に彼らはブランドとしてカーボンニュートラルを達成している。エシカル・サステナブルライフスタイルを送りたいなら、チェックしておいて損はないブランドといえるだろう。
そんな「by Humankind」が新たなサービスとしてローンチしたのは「Plastic Neutral」。アメリカの平均的なプラスチック消費量をオフセットできるプランとなっている。
Photo by Nick Fewings on Unsplash
「Plastic Neutral」は月額制となっていて、1月当たりに支払うのは8ドル(約820円)。
これはアメリカの平均的なプラスチック消費量が22ポンド(約9.9キロ)であることを参考にした価格設定。なんでも1ドルあたり4.4ポンド(約1.9キロ)相当のプラスチックをオフセットできるようだ。
計算が早い人なら、もう気づいているかもしれない。平均消費量をオフセットするのに必要なのは5ドル。残りの3ドルについては「管理費と取引コストに使用する」と言及。
こうしてトランスペアレンシー(透明性)を追求しているのも「by Humankind」がブランドとして優れている点だろう。
消費者から集めた資金は、ハイチやインドネシア、フィリピンをはじめとした国々でビーチクリーンを手がける「Plastic Bank」の活動資金になるという。
カーボンオフセットは根本的な解決にはならないという声もあるが、やらないよりはやった方がいい。こうした個人レベルで環境保護ができるようになるサービスは、ますます増えていくだろう。
参照サイト/Plastic Neutral
https://byhumankind.com/pages/plastic-offsets
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