9月8日、Uberが2040年までに完全ゼロエミッションのプラットフォームになることと、2030年までに北米で100%EVによる配車を実現する「Uber Green」の普及を発表した。果たしてUberは、ゼロエミッション への道筋をどのように捉えているのだろうか。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、思いがけないところで非常にポジティブな変化があった。
二酸化炭素の排出量だ。
いくつものメディアで取りざたされているので、知っている人は多いだろう。経済活動が鈍化した影響を受け、地球温暖化の進行するスピードも低下することになったのだ。一時的ではあるのだが……。
そんな小さな変化に目をつけたのがUber。9月8日、サステナビリティを実現する取り組みとして、彼らは「Uber Green」の普及を約束したのだった。
Photo by Dan Gold on Unsplash
9月8日の発表では、Uberがコロナ禍をどのように捉えているのか? を説明するところから始まる。通常ならばサービスと直接的な関係がないため割愛するのだが、彼らの気候変動に対する姿勢と、Uber Greenを普及させる意味を簡単に理解できるので紹介したい。
まずは、Uberは環境汚染レベルが下がったことや野生動物が本来の姿を取り戻していることに触れつつ、それらは一時的でしかないと言及した。
「二酸化炭素の排出量はすぐに“ノーマル”に戻るでしょう。4月は世界人口の2/3がロックダウンを経験し、その数値は昨年と比べ17%も下がりました。でも、6月はたったの5%です」
パンデミック以前のような日常生活を取り戻せることはうれしいが、前と一緒になってはいけないこともあるというメッセージを伝えたいのだろう。そしてこう続けている。
「従来のビジネスを復活させる代わりに、Uberはこの瞬間を環境負荷を減らすときだと捉える決断を下しました。世界でもっとも大きなモデビリティプラットフォームとして、気候変動にこれまで以上に積極的に取り組むのは責任でもあります」
コロナ禍を成長期と捉える旨を発表したあとに具体策としてあがったのが、Uber Greenだ。
これは通常の配車サービスとほとんど同じなのだが、追加で1ドルを支払えば、EVやハイブリットカーに乗車できるというものだ。ユーザーは環境に配慮した交通手段を選べるのが最大の特徴だろう。ガソリン車と比べると、その排出量は最大で44%も低いという。
現在利用できるのは北米の15都市。2020年内に世界の65都市でローンチ予定とのこと。
また、Uberは2030年までに北米と欧州諸国で完全なるEVによる配車を実現、2040年までに完全ゼロエミッションのプラットフォームになることを公約している。
コロナ禍に成長しようとするUberの動向には今後も注目だ。
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