オランダを拠点とするスマートフォンメーカー「Fairphone」が最新作「Fairphone 3+」を発表した。プロセッサはSnapdragon 632。RAMは4GBで、内蔵ストレージは64GB。前面に1600万画素カメラ、背面に4800万画素カメラが搭載されている。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
「急速なテクノロジーの進化は消費者に次の革命的な変化はもうすぐそこだと思わせています。ですが、現実は決してそうではありません。最新のスマートフォンは似ているものばかりで、既存のモデルから次へとアップグレードしているだけです」
オランダを拠点とするスマートフォンメーカー Fairphone(フェアフォン)が、最新作「Fairphone 3+」の発表にあたり、そうコメントをした。
特徴を紹介する前に、まずは彼らがどのように業界を変えようとしているのかについて触れたい。
Fairphoneシリーズを簡単に形容するならば、“もっとも環境に配慮したスマホ”となるだろう。なぜそうなのか? ということを説明するには、同社が公開しているデータを引用すれば、より伝わりやすいかもしれない。
「毎年、約14億台以上のスマートフォンが販売されていますが、まだ十分に機能する状態で買い換えられています。平均して約2.7年の間使われていて、本体の5%以下しかリユースにまわせないのです」
だからFairphoneシリーズは、交換と修理のハードルを下げるために、可能な限りパーツを分解できるようになっている。バッテリーの取り外しも簡単で、自分でもできると謳っている点も特徴のひとつだろう。
「Fairphone 3+」では、本体素材の40%に再生プラスチックを利用。これはFairphoneシリーズのなかでは最高値となっている。
また彼らが生産ラインを見直し、労働環境の改善に力を入れている点も忘れてはいけない。中国にある工場では、すべての従業員に最低限の生活を維持できる収入を保証するために、手当を支給しているという。
原料となる金は可能な限りフェアトレード認証を受けたものを使用しているというこだわりようだ。
他のスマホとは違う。すでにわかってもらえたのではないだろうか?
とはいえ、スペック面で他社製品よりも圧倒的に劣っていれば購入はされない。発売当初は無視できない性能だったとは認めざるをえないが、現在は改良を重ねた結果、十分すぎるぐらいのスペックに進化している。
プロセッサはSnapdragon 632。RAMは4GBで、内蔵ストレージは64GB。前面に1600万画素カメラ、背面に4800万画素カメラが搭載されている。
価格も469ユーロ(約5万9000円)で、高すぎるわけでもない。いまのところ日本での発売は発表されていないが、もしも「Fairphone 3+」を選べるなら、ぜひ候補に入れたいスマホのひとつだろう。
参照サイト/Fairphone
https://shop.fairphone.com/en/fairphone-3-plus
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