電子ごみから重要鉱物を回収 インドが目を向ける新たな資源

インド国旗

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世界中で増え続ける電子ごみ。インドでは、この電子ごみに含まれるリチウムやコバルトなどの「重要鉱物」に注目が集まっている。国内の鉱山開発に時間がかかるなか、電子ごみを資源として活用する。

Ouchi_Seiko

ライター

フランス在住。美容職を経て2019年よりライターに。居住地フランスのサステナブルな暮らしを手本に、地球と人にやさしい読みものを発信。

2026.10.05

増え続ける電子ごみを重要鉱物の資源に

青いマットの上の電子回路基板

Photo by Fotografia Lui Vlad

廃棄されたバッテリーやハードディスクには、重要鉱物が含まれている。インドでは、こうした電子ごみからリチウムやコバルトなどを回収し、活用する動きが広がっている。

重要鉱物(クリティカルミネラル)とは?

重要鉱物とは「クリティカルミネラル」とも呼ばれ、特定の国や地域の産業に必要であるが、供給リスクの高い鉱物を指す。その代表格が、スマホやノートパソコン、EVのバッテリーに使用されるリチウムだ。このほか、レアアース、コバルト、ニッケルなども重要鉱物である。

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インドで行われている電子ごみ活用の動き

インドの動きの背景にあるのは、中国が重要鉱物の生産で大きな存在感を持つことへの懸念と、インド国内の鉱山開発にかかる時間だ。重要鉱物の需要は今後、急増すると予想されているが、国内の鉱山から十分な供給を得られるようになるまでには、少なくとも10年かかるとみられている。

そこで注目されているのが、電子ごみだ。使用済みバッテリーからはリチウム、コバルト、ニッケルが得られるほか、電子回路基板にはプラチナやパラジウム、そしてハードディスクにはレアアース(希土類)が含まれているという。

インド政府の公式データによれば、同国では2025年、約150万トンの電子ごみが発生した。これは約20万台のごみ収集車を満杯にできる量だ。ただし専門家は、実際の量はその2倍相当に達する可能性が高いと考えている。

電子ごみのリサイクルを正式に促進

エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)は、インドはリチウムやコバルト、ニッケルといった主要な重要鉱物について、100%輸入に依存していると指摘する。

こうした状況を改善するため、ナレンドラ・モディ首相率いるインド政府は2025年、重要鉱物の正式なリサイクルを促進するため、1億7,000万ドルのプログラムを承認した。

同プログラムは、拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)のルールを基盤としている。これは、メーカーに対して、電子ごみを回収し、政府に登録されたリサイクル業者へ引き渡すことを義務付ける制度だ。

一方で、インドの電子ごみの多くは、いまも非公式な現場で処理されている。非公式なリサイクルでは、屋外での焼却や酸を使った処理、防護具を付けない解体作業などが行われており、作業員が有毒なガスにさらされたり、水や土壌を汚染する危険性もある。

国連開発計画(UNDP)が2025年10月に発表した文書によると、インドの電子ごみの80%以上は、現在も非公式な形で処理されているという。

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非公式な現場と正式なリサイクルをつなぐ

多くの建物がある街

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たとえば、デリーのシールアンプリには、インド最大級の非公式な電子ごみ集積地の一つがある。正式なリサイクル業者へ届く電子ごみでさえ、その多くが、まず非公式な業者の手を経由しているという。

電子ごみのリサイクルに関する組織「Sustainable Electronics Recycling International(SERI)」のシニアアドバイザー、サンディープ・チャタジー氏は、こうした非公式な業者を追跡可能なサプライチェーンに組み込むことで、分別や解体の段階で失われる重要鉱物を減らせると述べている。

また、インド唯一の認可を受けた非営利電子ごみリサイクル業者である「Ecowork」は、研修や安全な作業環境を提供することで、この問題に取り組んでいる。

しかし同様の課題は、インドだけではない。研究では、2006~2021年にEUで発生した電子ごみの56%が回収されていなかったと発表されている。

日本にいる私たちにとっても、これは他人事ではない。使用済のスマホやPCなどは、適切な回収施設に持ち込むことが、私たちが行うべきことだろう。

※参考
Junk to high-tech: India bets on e-waste for critical minerals|The Japan Times
Europe's e‑waste is a valuable resource—let's not throw it away|PHYS.ORG

※掲載している情報は、2026年10月5日時点のものです。

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