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オランダの歴史ある動物園が、動物園として世界で初めて「星空保護区」に認定された。光害が深刻化するなか、市中心部にありながら夜の暗闇を守る取り組みが評価され、動物や人々の健康保護に貢献。夜間開園で暗闇を楽しむイベントなども実施している。

岡島真琴|Makoto Okajima
編集者・キュレーター
ドイツ在住。フリーランスの編集者・キュレーター。変わりゆく都市ライプツィヒとそこに生きる人々の物語を記録するニュースレター「KOKO」(https://koko-de.beehiiv.c…
Photo by ARTIS, Mona van den Berg
オランダの首都アムステルダムにある王立動物園、アルティス動物園(ARTIS)が、「ダークスカイプレイス・プログラム(星空保護区認定制度)」に認定された。アルティス動物園は、欧州の首都の中心部でこの認定を受けた初めての場所であり、世界初の認定動物園となった。
ダークスカイプレイス・プログラム(星空保護区認定制度)は、国際ダークスカイ協会が、責任ある屋外照明や暗い空という遺産を保全、保護する活動の一環で、暗い自然の夜空を守るための取り組みを認定する制度だ。
アルティス動物園のサステナビリティ・コーディネーターであるサヴィトリ・グローグ氏は、「暗闇は植物、動物、人間にとって重要な役割を果たします。照明を消すことで、私たちは自然の生体リズムを取り戻します。この認定は、大都市の中心部でも夜間の暗闇が保護できることを証明しています」と語る。
オランダは世界でもっとも光害の多い国の一つであり、都市部の人工照明は毎年10%増加している。そんななか、アルティス動物園は街の中心部に位置するが、光があふれる周囲の街中で、ぽっかりと「暗闇のオアシス」をつくっているのだ。
国際ダークスカイ協会代表のダン・オークリー氏は、「光に満ちたアムステルダムの街中ある動物園で、夜空が保護され、その重要性が一般の人々に説明されているという事実は、非常に価値があります。これは住民や訪問者だけでなく、動物たちにもメリットをもたらします」と述べ、他都市の動物園もアルティスの例にならうことへの期待を示した。
Photo by ARTIS
さらにアルティス動物園では、この「暗闇」を活かしたさまざまな体験イベントも実施している。例えば夜間開園時間を設けており、少数のゲストが園内を散策し、五感で暗闇を体験できる。
現在、「ダークスカイプレイス・プログラム(星空保護区認定制度)」の認定を受けた場所や地域は、世界中に230以上存在するが、アルティス動物園は欧州初、首都でも初、そして世界初の認定動物園として、都市における暗闇保護の先駆者としての役割を担うこととなった。
大都市の中心部でも夜の暗闇を守ることができるという証明は、今後の都市計画や環境保護に新たな視点をもたらすだろう。
※参考
A Scoop for Amsterdam: ARTIS Zoo officially recognized for protection of nocturnal darkness|ARTIS
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