日本・英・韓・中国で「2025年は史上もっとも暑い夏」だった

東京の都市を照らす太陽

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日本の2025年夏は、平年を2.36℃も上回る「史上もっとも暑い夏」だった。世界に目を向けてみると、韓国、中国、英国、アイルランドなどでも、同様に記録上もっとも暑い夏となった。

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2025.09.04

日本は約130年の記録のなかで「異常な暑さの夏」

気象庁の発表で、2025年6月から8月の日本全体の気温は、1898年の統計開始以来、もっとも高い水準だった。2023年、2024年の記録を更新し、3年連続での「史上もっとも暑い夏」となった。

東北地方をのぞいて、5月には梅雨入りし、6月に梅雨明けするという、季節の進行がかなり早かったことが特徴のひとつ。6月以降、本州付近に太平洋高気圧の張り出しが強く、6月には日本の平均気温が平年より2.34℃高く、とくに北日本では平年に比べて3.2℃も高くなった。

さらに、7月から8月にかけて、日本の最高気温の記録を次々とぬりかえるほどの暑さの日が続き、8月5日には群馬県伊勢崎で過去最高となる41.8℃を観測。最高気温の記録のうち、上位5位までを2025年8月の観測記録で占める結果となった。

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「史上もっとも暑い夏」を記録した世界の国

日本以外でも、2025年の夏が史上もっとも暑い夏となった国がある。

韓国

日本の隣国である韓国も2025年夏はこれまででもっとも暑い夏だった。韓国気象庁の発表によると、2024年夏の平均気温は25.6℃だったが、2025年夏は25.7℃。1973年に統計を取り始めて以来の最高気温を記録した。

中国

中国も、日本や韓国と同様に記録的な暑さとなった。首都、北京で6月に40℃近くまで気温が上昇するなど、各地で猛暑となった。中国気象局は9月1日、「2025年6月から8月にかけて、中国の広い地域で猛暑が続き、全国平均気温は22.31℃に達し、記録的な猛暑となった」と発表した。

イギリス

イギリスの気象庁は、2025年6月から8月の同国の平均気温が16.1℃で、2018年に記録された15.76℃という記録を大幅に上回り、2025年は記録上でもっとも暑い夏を経験したと発表した。

6月と7月は猛暑に見舞われ、熱波が4度発生。国土の大部分で雨がほとんど降らず、政府が全国的に深刻な水不足に陥ったと発表した。

アイルランド

アイリッシュ海をはさんで、イギリスの隣に位置するアイルランド。同国の気象庁によると、2025年の気温は1900年の記録開始以来、もっとも暑かったという。2番目に暑い夏を記録した1995年と1976年と比べると、2025年の夏は25℃を超える暑い日は少なかったが、最低気温が高く、結果として平均気温を押し上げることになった。

異常気象が新たなスタンダードに?

イギリスの気象庁は7月の時点で、「気象パターンが変化し、イギリスの気候は数十年前とは著しく異なるものになっている」と報告書でまとめた。そのなかで「異常気象が新しい日常になっている」と述べている。

これは、日本も含めて世界全体でも同様のことが言えるのかもしれない。数十年前であれば異常だった気候のパターンが、頻繁に起きるようになり、それが新たなスタンダードになってきている可能性がある。

世界気象機関(WMO)によると、アジアはとくに猛暑の影響を受けやすい地域だという。国連が6月に発表した気候変動の報告書で、アジア地域の温暖化は世界平均の約2倍の速さで進んでいると指摘されている。

何もしないともっと暑くなる 数字で見る「暑さと気候変動」

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この暑さには気候変動が関係していることが指摘されている。そして気候変動の大きな原因のひとつが、化石燃料の燃焼による温室効果ガスの排出だ。

「これ以上、暑くなるのか?」と危機感を覚えている人も少なくないだろう。私たちが何のアクションも起こさなければ、もっと暑い日が当たり前になるかもしれない。しかし、そんな未来を変えることだってできる。いまこそ、自分たちにできることを考え、そして始めよう。

※掲載している情報は、2025年9月4日時点のものです。

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