“サステナブルな未来”を体感するSUSKATSU PARKアフターレポート前編〜体験コンテンツ〜

SUSKATSU PARK

3月22日・23日、三井不動産レジデンシャル主催の体験型サステナブルイベント「SUSKATSU PARK」が開催された。本記事では、前編として両日にわたって行われたトークセッションやイベントの様子をレポート。楽しそうな子どもたちの歓声が聞こえる爽やかな春の雰囲気とともにお届けしよう。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2025.04.21
Promotion: 三井不動産レジデンシャル

海のごみが楽器に!? モノの価値を見つめ直すきっかけを、音楽で届けるコンサート

両日にわたって観客の好奇心を集めていたのが、海洋ゴミ楽器集団「ゴミンゾク」によるコンサート。会場に登場したのは、ペットボトルやアルミ缶、塩ビ管など、海や街で回収された廃材をもとにつくられた楽器の数々。その音色に耳を傾けながら、観客は海洋ごみの新しい価値を体感する時間となった。

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「もともと捨てられていたものに、もう一度命を吹き込むようにして、こうして音を奏でられることが、僕はすごく嬉しいんです。素材の命をつなぐ、という感覚でしょうか。僕たちはモノにも命があると思っているので、それを音というかたちで再び表現できることが、この活動の大きな意味のひとつだと思っています」。

そう語りながら紹介されたのは、約3ヶ月かけて製作したというバイオリン。その表と裏にはなんと300個以上のプラスチック片が使われ、「感極まって、1日10時間作業する日もあった」と話す姿からは、素材に向き合う真摯な姿勢が感じられた。

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続いて披露された鉄琴の鍵盤には、250個ものアルミ缶を使用。660度の熱でアルミを溶かし、砂に開けた型に流し込んで冷やし、研磨して仕上げたという。 「ふだん何気なく手にしている空き缶にも、こんな新しい命の吹き込み方があるんです」と、来場者に向けて語りかけた。

コンサートの後半では、環境についてのトークも行われた。

「僕たちは、ごみという物質があるのではなく、概念だと思っています。目の前にあるものがごみかどうかは、見る人の意識しだい。たとえば、ある人にとっては不要な空きペットボトルでも、別の人にとっては水を運ぶための大切な容器かもしれない。状況や立場によって、ものの価値は変わるんです」。

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実際にゴミンゾクでは、拾ってきたアルミ缶を高熱で溶かし、砂型に流し込んで鉄琴の鍵盤にするなど、素材の命をつなぐ試みに挑戦している。だが、それは決して簡単な作業ではない。

「リサイクルって、すごくポジティブな言葉に聞こえるかもしれないけど、実はものすごくエネルギーを使うんです。プラスチックを再び素材として使うには、かなりの電気が必要になり、地球への負荷も」。

だからこそ、最初からプラスチックを使いすぎないこと、そもそも“ゴミを出さない選択”をすることも、同じくらい大事だと話す。

「ごみの問題って、ひとつの正解で解決できるものじゃないんです。拾うことも、出さないことも、リサイクルすることも大事。いろんな方向から同時に取り組んでいくことが必要なんです」。

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さらに、海に漂うペットボトルや廃材を使って製作したサンバの楽器を用いた演奏では、観客とのリズムゲームやクイズも行われ、子どもたちからも楽しげな声が上がった。

「楽器の音が“きれい”だからすごいんじゃない。そこにどんな素材が使われていて、どんな背景があるのかを知ることで、“楽しさ”と“考えるきっかけ”が同時に生まれると思います」。

最後には、観客の質問にもひとつひとつ丁寧に答えながら、海から集めた素材がどのように楽器になっていくのか、その制作の裏側も紹介された。

「ごみの見方を変えるだけでも、暮らしの中でできることはきっとあります。今日のコンサートが、何か身近なことから考えるきっかけになれば嬉しいです」。

音楽に合わせて親子でリフレッシュ! マオビクスレッスン

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初日のMIFA FOOTBALL PARK 豊洲エリアでは、タレントの優木まおみさんを迎えた「マオビクスレッスン」が行われた。マオビクスとは、ピラティスの基礎の動きを取り入れたエアロビクス。音楽に合わせながら、楽しみつつもしっかり身体を動かせる、優木さんオリジナルのエクササイズだ。

会場には親子連れの参加者も多く、子どもから大人まで一緒に、リラックスしながら体を動かす時間が流れていた。難しい動きも、音楽のリズムに乗って自然と笑顔に。優木さんのやさしい声かけに導かれながら、参加者それぞれが自分のペースでレッスンを楽しんでいたのが印象的だった。

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また、このレッスンでは、地球環境にやさしい素材として注目されているTPE(熱可塑性エラストマー)製のヨガマットを使用。日々の運動習慣を“気持ちよく続ける”だけでなく、地球への配慮もさりげなく取り入れたプログラムとなっていた。

動くことの楽しさと、心地よい疲労感。身体を通じて、自分と向き合うきっかけにもなるような、穏やかであたたかなひとときだった。

一人ひとりの意識が、未来をつくる。高橋由伸さんが語るサステナブルな暮らしと野球への想い

MIFA Football Park 豊洲エリアで行われたスペシャルプログラム第2弾では、元巨人軍監督の高橋由伸さんが登場。

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快晴の青空の下、多くの親子連れやファンが集まる中で始まったトークショー。今回のテーマは「サステナブルな暮らし」。野球の話題にとどまらず、高橋さんが日々実践する環境への意識や、未来を担う子どもたちへのメッセージまで、幅広いトークが繰り広げられた。

「“環境のためにやっていること”って聞かれると難しいですが、最近はエアコンの使い方を意識しています。以前は、出かける時には必ず電源を切っていました。でも、短時間の外出なら、止めずに温度を保っていた方が再起動時の消費電力を抑えられると知って。いまは30分〜1時間くらいなら、そのままにしています」。

と、高橋さんは日常に根ざしたちょっとした環境への意識を紹介。参加者からは「なるほど!」と納得の声が上がっていた。

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プロ野球の現場にも、実は資源を大切にする文化があるという。
「ユニフォームってたくさんあるように見えますが、実は限られた枚数を毎日洗って繰り返し使っています。だから意外と消耗も激しい。現場では洗濯もきちんと管理されていて、一着を丁寧に使い続けています」。

そんな裏話から、プロ野球の現場でも当たり前のように見えるものを、大切に使う姿勢が伝わってきた。

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トークショーの後半には、来場した子どもたちからの質問コーナーも。 「どうしたら野球がうまくなりますか?」という問いに、高橋さんはこう答えた。

「小さいうちは特に、野球だけじゃなく、いろいろなスポーツをやってほしいですね。同じ動きばかりだと、体に偏りが出てしまうので。基礎体力をつける意味でも、さまざまな動きに触れることはすごく大事です」。

また、環境との向き合い方についても、自身の経験を交えて語った。
「今の子どもたちは、昔よりもずっと環境に恵まれています。でも、僕たちの時代はグラウンドの整備も不十分で、限られた中で『どうやってやるか』を考えるのが当たり前でした。もちろん、今の環境が整っているのはいいこと。でも、『今あるものをどう活かすか』という視点も、忘れないでほしいですね」。

そんな言葉に、子どもたちだけでなく、保護者たちもうなずきながら耳を傾けていた。

「選手も、ファンも、未来をつくる一人。野球を通じて、環境や社会のことを考えるきっかけになったら嬉しいです」という高橋さんの姿に、会場からは大きな拍手が送られた。

トークショーの最後には、来場者に向けて高橋さんの直筆サインが当たる抽選会も。自分の番号が呼ばれるのをドキドキしながら待つ子どもたちや、大人たちの表情も印象的で、当選が発表されるたびに大きな拍手と歓声が広がるなど、会場は温かい一体感に包まれた。

サインを受け取った参加者のなかには、「一生の宝物です!」と嬉しそうに話す姿も。温かいメッセージとともに贈られたこの特別な時間が、多くの人の心に深く残るひとときとなった。

「変わり続けることは怖い。でも、それが進化につながる」サッカーと暮らしをつなぐ、“サス活”の第一歩

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二日目のMIFA Football Parkでは、FC東京の石川直宏コミュニティジェネレーターと、仲川輝人選手による「くらしのサス活」トークショーが行われた。

テーマは、楽しみながら続けられるサステナブルなアクション=「くらしのサス活」。現役選手とクラブのレジェンドが、身近な暮らしの中での気づきや実践、そしてそれを未来へどうつないでいくかを語り合った。

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まず、仲川選手が話したのは「特別なことをしなくても、意識を向けるだけで環境へのアクションになる」という考え方。

「私が日頃やっているのは、ごみの分別やペットボトルのラベルをはがすといった本当に小さなこと。でも、まずはそこからだと思います。自分にできる範囲で、『これって本当にごみなのかな?』と一度立ち止まってみることが大切だと感じています」。

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石川さんは、自身が農業と関わる中で感じた地域や人とのつながりを紹介しながら、「サッカーとサステナブルは地続きのもの」だと語った。

「夏の暑さの中での試合や練習は、まさに気候変動を体感する場。FC東京でも、熱中症対策のために練習時間を早めるなど、電力使用を減らす取り組みをしています。自分の行動が、環境にも、チームにも返ってくる。だからこそ、意識して行動することが必要だと思っています」。

変化に対応する力は、サッカーにも、サステナブルな暮らしにも必要な力。だからこそ、「みんなで変わる」ことの大切さを強く訴えた。

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トーク後半には、観客からの質問にも答えながら、生活やプレーの中でどう環境と向き合っているかを具体的に紹介。なかには、「日々の練習の中で、環境を意識していることはありますか?」という質問も。仲川選手は「できるだけマイボトルを使うようにしています」と答えた上で、こう続けた。
「サッカーは屋外スポーツなので、天候や季節の変化をすごく感じます。最近は暑さが厳しかったり、気候の変化が極端だったりして、“体で感じる違和感”が増えています。だからこそ、そうした環境の変化に自分も目を向けなきゃと思いますね」。
仲川選手の言葉に、観客もうなずきながら耳を傾けていたのが印象的だった。

「サポーターも選手も、クラブに関わるみんなが同じ方向を向いて変わっていけたら、チームの空気も、スタジアムの雰囲気も、もっとよくなると思います。変わり続けることは怖いけど、それが未来への進化につながるはずです(石川さん)」

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最後には、参加者との記念撮影とサイン会が行われた。世代や立場を越えて、ひとつのチームとして「サス活」を共有する時間となった。

『“サステナブル”をもっと楽しく、もっと身近に!』というコンセプトのもと、「SUSKATSU PARK」では、ファッション、音楽、スポーツと、さまざまなジャンルからサステナビリティに関わるアクションを体験することができたのではないだろうか。

遊ぶこと、つくること、食べること、そして学ぶこと。暮らしのなかでできる小さな選択を見つめ直すきっかけとなる、充実した2日間となったはずだ。

つづく後編では、くらしのサス活をマーケットやワークショップの様子をレポートする。

SUSKATSU PARKアフターレポート後編はこちら

撮影/ELEMINIST編集部 取材・執筆/藤井由香里 編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2025年4月21日時点のものです。

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