国際女性デーとは? ミモザに込められた意味と世界の取り組みを解説

ミモザ

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「国際女性デー(国際女性の日)」とは、女性の権利を守り、ジェンダー平等の実現を目指すことを目的として定められた国際記念日。この記事では国際女性デーがつくられた背景と、日本や世界各国での具体的な取り組みについて解説していく。

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2025.01.07
SOCIETY
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国際女性デーとは

モノクロ写真

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「国際女性デー(国際女性の日)」とは、女性の権利を守り、ジェンダー平等の実現を目指すことを目的として1975年に国連によって採択された国際記念日だ。また、国際女性デーの3月8日は安全と平和、コミュニティや組織における地位の向上に努める女性を称える日となっている。この日は「ミモザの日」と呼ばれ、黄色いミモザの花がシンボルとして親しまれている。(※1、※2)

国際女性デーの歴史と背景

「国際女性デー」が定められた背景には、1904年3月8日にアメリカのニューヨークで女性労働者が婦人参政権を求めてデモを起こしたことがきかっけだ。その後、国際婦人年の1975年に国際連合で3月8日を「国際女性デー」として提唱した。

やがて1977年の国連総会において、女性の権利と国際平和を祝う日として「国際女性デー」が正式決定された。現在は、交際連合が毎年定めるテーマに基づいた催しが世界各地で開催されている。(※1)

毎年の国際女性デーのテーマとその意味

女の子

Photo by himanshu singh gurjar

国際女性デーには毎年テーマが設けられている。このテーマをとおして、さらなるジェンダー平等や女性の権利の意識向上を図るのが狙いだ。

いくつか例を挙げると、2021年のテーマは「女性のリーダーシップ:コロナ禍における平等な未来の実現」であった。これは、人々の関心を高めて未来の女性リーダーを後押しするような行動(投資)を社会全体で行っていくといった意味が込められている。

2023年のテーマは「ジェンダー平等:ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」であった。これは女性もデジタルスキルを身につけて技術革新に参加することで、テクノロジーなどに対する知識(技術)格差を減らし、デジタル教育に積極的に取り組む女性を後押しするといった意味が込められている。(※3、※4)

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世界中で開催される国際女性デーのイベントと活動

デモ

Photo by dulcey lima

ここでは、世界中で開催される国際女性デーのイベントや活動について紹介する。

世界中のイベント例

バイクパレード|インド

インドでは2024年の国際女性デーにあわせ、週末の10日に首都のニューデリーにて女性ライダーが500人以上集まりバイクなどの二輪車で走行しながら、10Kmにわたりパレードを行った。このパレードは「社会で女性がもっと活躍できるよう支援すること」を訴える活動だ。(※5)

韓国女性大会|韓国

韓国では国際女性デーにあわせて「韓国女性大会」を開催。参加者は女性団体で、「韓国社会は依然として女性にとって不平等だ」などと訴える行進を行った。この大会には約2,000人が参加し「女性有権者の力で変えよう」といった性平等を求める声が挙がった。(※6)

世界で活躍する女性をバービー人形に|アメリカ

アメリカでは2019年の国際女性デーにおいて、有名おもちゃメーカー「マテル社」が世界で活躍する女性をモデルにしたバービー人形を発表して話題となった。

このイベントは「バービー」発売60周年記念もかねており、日本からは女子テニスの大坂なおみ選手や黒柳徹子さんがモデルとして選ばれ、本人に非売品で贈呈されたという。

各国の特徴的な取り組み

パソコンで作業する女性たち

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女性史月間|アメリカ

アメリカでは、毎年3月を「女性史月間」として各都市でワークショップやイベントを開催している。この時期にはアメリカにおける婦人参政権運動などに対する女性の業績について学ぶ機会が設けられ、女性の歴史や活動、貢献などに焦点を当てた活動を行っている。(※1)

ミモザの日|イタリア

イタリアでは、国際女性デーの3月8日に黄色いミモザを男性が女性(母親・妻など)に贈る習慣がある。これを「FESTA DELLA DONNA(フェスタデラドンナ)」=「女性の日」という。男性が女性に日ごろの感謝や尊敬の気持ちを込めてミモザをプレゼントすることから「ミモザの日」ともいわれている。(※1)

女性偉人の歴史を学ぶ|フランス

フランスでは、パリのパンテオンで国に大きく貢献した女性偉人の歴史を学ぶツアーが開催された。またフランス革命で名を残したマリー・アントワネットなどの有名な死刑囚を収容していたコンシェルジュリー監獄において、女性偉人の歴史について学ぶ勉強会も開催された。(※8)

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日本における国際女性デーの取り組み

花束を持った女の子

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ここでは、日本における国際女性デーの取り組みについて解説する。

日本国内での国際女性デーイベント

日本の国際女性デーイベントでは、女性のエンパワーメントとジェンダー平等社会の実現に向けて「HAPPY WOMAN FESTA 2024」が開催された。このイベントは2024年で8回目の開催となっており、「HAPPY WOMAN賞」「女性応援ブランド賞」などの表彰も行われ、多くの芸能人や有名企業が名を連ねた。(※9)

企業や団体の取り組み

日本の「マイクロソフト社」では、2019年の国際女性デーに女子社員へミモザのブーケを配布するなどして感謝の思いを伝えた。社内だけではなく、品川駅港南口において社外の方にもミモザのブーケを配布する取り組みを行った。このように、日本のマイクロソフト社では毎年の国際女性デーにさまざまな取り組みを行っている。(※10)

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国際女性デーの目指す未来と私たちができること

女子サッカー

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ここでは、国際女性デーの目指すジェンダー平等の未来と、それに向けて私たちができることについて解説する。

日常生活で意識できるジェンダー平等の行動とは

日常生活で意識できるジェンダー平等の行動として「男らしさ」「女らしさ」といったジェンダーによる決めつけや押し付けを、いま一度見直していく必要があるだろう。またそこから逸脱している人に対して、否定しない態度を心がけることが大切だ。(※11)

教育・職場での男女平等意識の促進方法は

教育では「男の子だから」「女の子だから」といって選択の制限をするのではなく、子どもたちがそれぞれの個性を伸ばしていけるよう、平等にチャレンジの機会を与えてあげることが大切だ。

また「男は黒」「女は赤」といった性別による色の決めつけをしないことや、教師が生徒に対して「ちゃん」「くん」ではなく「さん」で統一して呼ぶといった取り組みも増えてきている。

職場では、ジェンダー・ギャップ(男女格差を示す指標)を改善する取り組みを行っていく必要があるだろう。そしてジェンダー・フリーの理念にもとづいた商品やサービスを開発していくことも、男女平等意識の促進へとつながる。(※11)

家族でできる男女平等の取り組みとは

「家事や子育ては女性がすべて担う」といった固定概念を見直していく必要がある。洗濯や料理といった家事はもちろん、子どもの世話などを女性だけが担うのではなく「家族で分担する」といった意識を持ち、男性も積極的にサポートを行っていく姿勢が大切だ。(※12)

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国際女性デーをとおして女性も活躍できる社会へ

座って話している女性たち

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「国際女性デー(国際女性の日)」とは、女性の権利を守りジェンダー平等の実現を目指すことを目的として定められた国際記念日だ。日本でも、女性の権利やジェンダー平等の実現を目指すためにさまざまなイベントが開催されている。

3月8日の「国際女性デー」は女性を称える日として、これからも多くの女性に勇気と希望を与えるだろう。日本の未来を担う子どもたちのためにも、女性たちがいま直面している課題や不平等に対して、目を背けずに向き合っていくことが求められる。

※掲載している情報は、2025年1月7日時点のものです。

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