ミソジニーとは? 女性蔑視のない世界を実現させるためにできること

カップル

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ミソジニーとは、女性に対して嫌悪感を抱いたり蔑視したりすることである。歴史的な家父長制や社会的なジェンダーステレオタイプが根深い社会では、ミソジニーはいまもなお残っている。この記事では、ミソジニーの特徴や具体例について解説し、女性蔑視のない世界を実現する方法などを紹介する。

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2024.06.12
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ミソジニーとは

笑顔の女性

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ミソジニー(misogyny)とは、女性や女性らしさに対する嫌悪や蔑視のことである。ラテン語で嫌悪や憎しみを意味する「mîsos」と女性を意味する「gunḗ」をかけ合わせた造語とされている。

ミソジニーは男性から女性だけでなく、女性から女性に抱くこともある。ミソジニーは、女性蔑視を引き起こす思想として問題視されている。

ミソジニーの心理とは

落ち込んでいる女性

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ミソジニーを持つ人は、世界各国に存在している。なぜミソジニーが生まれるのか、生い立ちや経験、社会的背景や文化など一概には言えないが、ひとつの例としてその心理を紹介する。

無意識の男性優位志向

ミソジニーの根底には、家父長制があるとされる。家父長制とは、一家の長である家長(男)が家族に対して、絶対的な支配権をもつ家族制度のこと。日本では、1989年に施行された「明治民法」によって定められた「家制度」により、「男性は女性よりも上」という「家父長制」の思想が浸透した。明治民法で妻は「無能力者」とされ、働くには夫の許可が必要であり、財産は夫に管理されていた(※1)。

第二次世界大戦後、民法改正により家制度は廃止されたものの、日本では男性側の氏を継承するという家制度の名残が続いており、女性は結婚すると男性の家に入るという意識も残っている。

「男性が家族や社会で絶対的な権力を持ち、女性は従属的なものである」という前提が無意識にあると、ミソジニーにつながりやすくなる。その主従の関係から脱却しようとしたり声をあげたりする女性に対し、嫌悪感を持ち、差別、ときには攻撃的になるのがミソジニーの心理だ。ミソジニーでは、このような家父長制の思想が根底にあるとされている。

自己肯定感の欠如

自己肯定感の欠如もミソジニーにつながりやすい。先に述べた家父長制により「自分は男だから女より上」と無意識に思っている場合、自分よりも能力が上の女性や自分よりも利益や社会的恩恵を受けている女性に対し、憎しみを抱く。

女性がミソジニーとなるケースでは、女性であることに劣等感を抱いている場合だ。「女性は男性につき従い、一歩下がってついていくものだ」という固定概念を持っていると、それに倣わない女性に対して憎しみを抱く。

ミソジニーの見分け方と具体例

悲しんでいる女性

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ミソジニーと聞いても、どのようなものが該当するのか、イメージが湧かない人もいるだろう。ここでは具体例を交えながらミソジニーの見分け方を紹介する。

・社会に根付く女性へのステレオタイプ
女性は家庭的であるべきだという考え、女性は感情的で理性に欠けるという偏見、女性は男性の所有物、女性は男性の権威や欲望を満たすために存在する、など

・女性の能力を正しく評価しない
女性に割り当てる職務内容が限定的である、女性管理職が少ないまたは機会を与えない、同一職種でも男性より女性の方が賃金が低いなど

・女性を排除する
医学部医学科の入試で女性の点数を操作し不合格にするなど

その他、次のようなものもミソジニーの一例だ。
・女性らしいかどうかで女性を評価する
・性差別や女性の権利を主張する女性を憎む

ミソジニーは男性にもデメリットを与える

明かりを見つめる女性

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ミソジニーによって不利益を被るのは、女性だけではない。 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査によると「男性は仕事をして家事を支えるべきだ」と回答した男性は50.3%、女性は47.1%いる。また「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」と答えた男性は37.3%、女性は22.1%という結果だった。(※2)

女性に対して偏見を持つことは、男性に対してもステレオタイプを生み出すことにつながる。ミソジニーの男性は自ら生み出したステレオタイプに縛られるため、男性であることの息苦しさや不要なプレッシャーを感じることがある。また女性差別の根拠に基づいて行動する男性は、女性との対等な関係を築くことが難しくなり、結果として社会全体の発展に制約を与える。

性差別につながる「有害な男らしさ」とは ステレオタイプが生み出す無意識のプレッシャー

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女性蔑視のない世界を目指すためにできること

笑顔で会話する女性

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持続可能な社会の実現のために目指されるSDGsでも、ジェンダー平等の実現が掲げられている(※3)。世界的な問題である女性蔑視をなくすために、私たちにできることを紹介する。

無意識のバイアスに気づく

女性蔑視のない世界を実現するためには、自分のステレオタイプや差別意識を認識し、現状に合った教育や訓練を受けることが有効だ。また他者の視点や経験に耳を傾け、女性の意見に対して寄り添う姿勢を忘れないようにしたい。ジェンダー平等を促進するためには、個人としての責任を果たすことが求められる。

多様性の尊重

女性蔑視のない世界を実現するためには、すべての人々が異なるバックグラウンドや経験を持ち、それぞれの個性や能力に価値があると理解・尊重することが必要だ。自分とは異なる意見や視点を受け入れ、平等な機会を提供するようにしたい。

また女性が自己表現できる機会を設けたり、目標達成に必要なサポートを提供したりすることで、多様性と包括性を促進し、女性蔑視のない社会を築ける。

言葉遣いに配慮する

女性蔑視のない世界を実現するためには、女性に対して差別的な表現や軽蔑的な言葉を避け、敬意と尊重を示すことが必要だ。

また、ジェンダーに対するステレオタイプを強調する言葉も避けるべきだ。女性だから、男性だからという理由ではなく、誰に対してもポジティブな言葉を選び包括的に振舞うことで、人と人が互いに尊重され、平等な扱いを受けられる社会を築く一助となる。

ジェンダー教育の推進

日本では、1999年に男女共同参画社会の実現を目的とした「男女共同参画社会基本法」が施行された。女性蔑視のない世界を実現するためには、ジェンダーに関する教育を普及させ、性別による偏見や差別を根絶しなければならない。

ジェンダー平等の理解を深め、性別による役割や期待にとらわれない教育が行われることで、女性が自己実現し、個々の能力を十分に発揮できるような支援が実現する。幼い頃からジェンダー教育を徹底することは、女性やその他のジェンダーの人々が平等に尊重される社会を促進することにつながる。

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ミソジニーを撲滅し、ジェンダー平等を目指す

ウェブサイトを見る女性

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ジェンダー平等は、すべての人々が性別に関係なく平等な権利と機会を享受する社会を実現するために不可欠だ。個々の能力や才能が最大限に発揮されることで、経済的・社会的発展が促進されるだろう。

またジェンダー平等は公正で包括的な社会を築く基盤となり、社会全体の幸福と安定を向上させる。ミソジニーをなくし、女性やマイノリティに対する差別がない社会を目指そう。

※掲載している情報は、2024年6月12日時点のものです。

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