ビッグマック指数とは? 2024年最新世界ランキングを紹介 日本の順位は?

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Photo by HamZa NOUASRIA

各国の経済力を測るために用いられる、「ビッグマック指数」。本記事では、ビッグマック指数とは具体的に何を指すのか、また何がわかるのかについて解説。2024年7月に発表された最新のデータをもとに、日本をはじめとする各国の順位や数値を紹介していく。

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2024.09.26
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ビッグマック指数とは

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Photo by Niklas Rhöse on Unsplash

「ビッグマック指数」とは、マクドナルドのハンバーガー「ビッグマック」の世界各国の米ドル建て価格を物価の基準として比較し、為替レートなどの水準を推計する指標のことを指す。

ビッグマック指数は、英国の経済誌「The Economist(エコノミスト)」が考案し、毎年同誌で発表している(※1)。

外国為替相場とは

ビッグマック指数が、“為替レートなどの水準を推計する指標のこと”と伝えたが、ここでいう「為替レート」とは、「外国為替相場」のことを指す。

外国為替相場とは、異なる国の通貨の交換比率(相場)のこと。この外国為替相場は、外国為替市場における需要と供給のバランスによって決まる(※2)。

ビッグマック指数でわかること

ビッグマック指数は、「ビッグマックは世界各国でほぼ同じ原材料でつくられており、各国の物価の比較にふさわしい」という考えに基づいた指標である。

米国とそのほかの国におけるマクドナルドのハンバーガーの価格を比較することで、それらの国の通貨の購買力格差を把握することができるといわれている(※3)。

【2024年最新】世界のビッグマック指数

では実際に、イギリスの経済専門誌「The Economist(エコノミスト)」から2024年7月に発表された、最新のビッグマック指数を見ていこう(※4)。

順位国名指数価格(USドル)価格(円)現地通貨名前年2023年7月比(順位)
1位スイス41.88.071,214スイス・フラン1位
2位ウルグアイ24.37.071,064ウルグアイ・ペソ3位
3位ノルウェー18.96.771,018ノルウェー・クローネ2位
4位アルゼンチン15.06.55985アルゼンチン・ペソ4位
5位ユーロ圏6.56.06912ユーロ5位
6位イギリス3.65.9887イギリス・ポンド11位
7位アメリカ0.005.69856USドル8位
8位デンマーク−0.65.66851デンマーク・クローネ7位
9位コスタリカ−1.15.62846コスタリカ・コロン10位
10位スウェーデン−1.65.6842スウェーデン・クローナ6位
11位カナダ−3.15.52830カナダ・ドル12位
12位ポーランド−7.45.27792ズウォティ18位
13位レバノン−9.75.14773レバノン・ポンド16位
14位メキシコ−10.45.1767メキシコ・ペソ13位
15位サウジアラビア−11.05.06762サウジアラビア・リヤル14位
16位オーストラリア−11.15.06761オーストラリア・ドル17位
17位ニュージーランド−12.34.99751ニュージーランド・ドル15位
18位シンガポール−12.64.97748シンガポール・ドル21位
19位ベネズエラ−12.74.97747ボリバル-
20位コロンビア−13.84.9738コロンビア・ペソ20位
21位アラブ首長国連邦−13.94.9737UAEディルハム19位
22位トルコ−17.74.68704トルコ・リラ38位
23位チェコ−18.64.63697チェコ・コルナ22位
24位クウェート−19.54.58689クウェート・ディナール26位
25位ペルー−20.14.55684ヌエボ・ソル30位
26位チリ−20.24.54683チリ・ペソ24位
27位イスラエル−20.64.52680新シェケル25位
28位バーレーン−20.84.51678バーレーン・ディナール27位
29位ニカラグア−23.74.34653コルドバ・オロ28位
30位ブラジル−25.74.23636ブラジル・レアル23位
31位ホンジュラス−27.74.11619レンピラ29位
32位グアテマラ−29.74.00602ケツァル36位
33位韓国−29.83.99601韓国ウォン31位
34位オマーン−30.23.97598オマーン・リアル35位
35位ハンガリー−31.53.9587フォリント32位
36位カタール−32.43.85579カタール・リヤル33位
37位パキスタン−32.93.82575パキスタン・ルピー42位
38位タイ−33.43.79570タイ・バーツ34位
39位アゼルバイジャン−36.43.62544アゼルバイジャン・マナト41位
40位モルドバ−37.23.57538モルドバ・レウ37位
41位ルーマニア−37.93.53531ルーマニア・レウ43位
42位中国−38.03.53531人民元40位
43位ヨルダン−38.03.53531ヨルダン・ディナール39位
44位日本−43.93.1948044位
45位ベトナム−47.13.01453ドン45位
46位香港−48.32.94443香港ドル46位
47位ウクライナ−49.52.87433フリヴニャ48位
48位マレーシア−49.72.86431リンギット47位
49位フィリピン−49.72.86430フィリピン・ペソ49位
50位南アフリカ−49.92.85429南アフリカ・ランド50位
※2024年7月時点のデータであり、ドル円の為替レートは2024年7月時点の1ドル=150.46円(The Economist)で計算

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世界の動向

ビッグマック指数のランキングをもとに、世界の動向についてみていこう。

スイス

スイスのイメージ

Photo by Dino Reichmuth on Unsplash

2015年1月から2024年7月までに発表されたビッグマック指数で、ずっと1位をキープしているのが世界でもっとも物価が高い国のひとつともいわれるスイスだ。

スイスのビッグマックの価格は日本円で1,214円。日本のビッグマックの倍以上の価格となっている。

スイスの物価が高い理由の背景のひとつが、高賃金であること。2023年の世界主要国の平均年収国際比較統計・ランキングで、スイスは1位を記録している(※5)。

トルコ

トルコカッパドキアのイメージ

Photo by World Wanderer on Unsplash

1年前のランキングと比較してほとんどの国に順位の変化がないなか、前年の38位から今年22位と大きく上昇したのがトルコだ。

トルコのビッグマックの価格は、前年501円(ドル円の為替レートは2023年7月時点の1ドル=142.08円で計算)に対して、今年は704円と200円も値上がりしている。

ビッグマック指数が上昇していることは、必ずしも国が豊かになっていることを表しているわけではない。この背景には、止まらないトルコの通貨、リラ安による物価上昇がある。価格が上がっているのはビッグマックだけでなく、地下鉄やトラムなど公共交通機関の運賃やトルコアイス、トルコの食卓に欠かせないチーズなど多岐にわたる(※6)。

このような背景もありトルコ政府は、2024年1月1日以降の1日当たり最低賃金を666.75リラ(約3,200円、1月5日付換算レートで1リラ=約4.8円)に引き上げた。2023年1月の(333.6リラ)からは100%増となった(※7)。

日本

東京のイメージ

Photo by Yu Kato on Unsplash

日本のビッグマック指数は、前年と変わらず44位。日本のビッグマックの価格はこの1年で上がったものの、円安や世界的な物価上昇の影響もありビッグマック指数のランキングに変化はない。

10年前のランキングでは23位に位置していたが、近年は下位に位置しており、円の価値が低い水準にあることがわかる。

本当の豊かさをはかるGDW(国内総充実度)とは

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ビッグマック指数とは世界経済の現状を知るヒントに

世界の経済状況を知るには、さまざまな手段がある。しかし、専門的な言葉や数字がたくさん出てくると、理解するのがむずかしく感じることもあるだろう。

そんなときは、ビッグマック指数やランキング、日本円換算した価格などを参考に、“ビッグマックを通して”世界経済の現状や動きを見ることで、理解しやすくなるかもしれない。

※掲載している情報は、2024年9月26日時点のものです。

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