世界の湖ランキング 湖面積・水深・透明度別に紹介

湖

Photo by Nick Saxby on Unsplash

海や川、森林などさまざまな環境問題があるなか、湖の環境問題も課題となっている。この記事では、世界の湖の湖面積・水深・透明度をそれぞれランキングで解説。また世界の湖で起きている環境問題や、美しい湖を守るためにできる取り組みを紹介する。

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2024.09.30
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世界の湖の大きさランキング

lake

Photo by Aaron Burden on Unsplash

まずは、世界の湖を大きい順に10位まで紹介しよう。(※1)

1位|カスピ海(ユーラシア)(湖面積:374,000平方km)

caspian sea

Photo by Dario Daniel Silva on Unsplash

カスピ海は、ユーラシア大陸の中央アジアと東ヨーロッパの境界にある塩湖で、ロシア、
イラン、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタンの5カ国に面している。その大きさは374,000平方kmで、日本の国土面積とほぼ同じだ。(※2)

2位|スペリオル湖(北アメリカ)(湖面積:82,367平方km)

Lake Superior

Photo by Chuck G on Unsplash

スペリオル湖は、アメリカとカナダの国境に位置する淡水湖で、北アメリカの五大湖のひとつ。北海道本土より大きく、淡水湖としては世界最大の湖である。(※3)

3位|ビクトリア湖(アフリカ中央部)(湖面積:68,800平方km)

Lake Victoria

Photo by Evans Dims on Unsplash

ビクトリア湖は、ウガンダ、タンザニア、ケニアの3か国にまたがる湖。アフリカ最大の湖であり、淡水湖では世界第2位の大きさを誇る。(※4)

4位|アラル海(中央アジア)(湖面積:64,100平方km)

アラル海は、カザフスタンとウズベキスタンにまたがる塩湖。かつては琵琶湖のおよそ100倍の面積があったが、現在では、小アラル海、東アラル海、西アラル海に分断されている。(※5)理由はアラル海に流れ込む2本の大河、シルダリア川とアムダリア川の水を無計画で大量に使ったためだ。綿花や水稲の灌漑農業や大規模なカラクム運河の建設、水力発電の使用などがその用途だった。アラル海に注ぎ込む水の量は、1960年から2012年までの約50年間で5分の1に減った。(※6)

5位|ヒューロン湖(北アメリカ)(湖面積:59,570平方km)

Lake Huron

Photo by Nathan Rose on Unsplash

ヒューロン湖は、北アメリカの五大湖のひとつ。ヒューロン湖のなかにあるマニトゥーリン島は、淡水湖のなかにある島としては世界最大の面積を誇る。(※3)

6位|ミシガン湖(北アメリカ)(湖面積:58,016平方km)

Lake Michigan

Photo by Jacob Dalton on Unsplash

ミシガン湖も、北アメリカの五大湖のひとつ。五大湖のなかで唯一、カナダと国境を接していない湖だ。(※3)

7位|タンガニーカ湖(アフリカ東部)(湖面積:32,000平方km)

lake tanganyika

Photo by Guy Basabose on Unsplash

タンガニーカ湖は、ブルンジ、タンザニア、ザンビア、ザイールと接している断層湖。地殻変動によりできた大地溝帯に水が溜まって形成された湖で、最大深度が約1,500メートルととても深い。長さは約650kmあり、南北に細長いのが特徴だ。(※7)

8位|バイカル湖(シベリア)(湖面積:31,500平方km)

Lake Baikal

Photo by Yuliya Tseluyko on Unsplash

バイカル湖はシベリア南部にある断層湖だ。もっとも古い湖で、約3000万年の歴史をもつといわれる。固有種数ももっとも多く、2000種余りが生息する。三日月型をしているのが特徴。(※8)

9位|グレートベア湖(カナダ北部)(湖面積:31,153平方km)

カナダ・ノースウエスト準州にある淡水湖。カナダ最大の湖で、グレートベア川が流出し、マッケンジー川に合流する。(※9)

10位|グレートスレーブ湖(カナダ北部)(湖面積:28,568平方km)

カナダ、ノースウェスト準州にある湖。カナダでは、グレートベア湖に次いで2番目に大きい。ヘイ川、スレーブ川、イエローナイフ川など、多くの川が流入し、マッケンジー川を経て北極海に流出する。(※10)

世界の湖の深さランキング

lake

Photo by wayne_ooone Wang on Unsplash

水深の深い湖トップ10をランキング形式で紹介する。(※11)

1位|バイカル湖(シベリア)(水深:1,637m)

Lake Baikal

Photo by Joanne de Graaff on Unsplash

湖面積でも8位にランクインしたバイカル湖が、世界一深い湖だ。もっとも深いところで1,637m、平均の深さは744mである。1996年にユネスコの世界遺産に登録されたが、汚染が進み、深刻な環境問題に直面している。(※12)

2位|タンガニーカ湖(アフリカ東部)(水深:1,471m)

タンガニーカ湖は、湖面積で7位、水深で2位の湖だ。平均水深は570m、最大水深1470mとなっている。(※7)

3位|カスピ海(ロシア)(水深:1,025m)

caspian sea

Photo by Ann Di on Unsplash

世界一大きい湖であるカスピ海は水深も深い。南部の最深は1,025mにもなるが、北部では水深が浅い。(※13)

4位|サンマルティン湖(南アメリカ)(水深:836m)

サンマルティン湖は、アルゼンチンとチリにまたがる湖。複雑な形をしているのが特徴で、パスクア川を流出し、太平洋に向かって流れ出る。(※14)

5位|マラウイ湖(アフリカ)(水深:706m)

lake malawi

Photo by Craig Manners on Unsplash

マラウイ湖は、湖面の80%がマラウイ領、20%はモザンビーク領に属する。面積は約3万平方km、最大水深706mで、細長い形をしているのが特徴だ。(※15)

6位|イシク・クル湖(キルギス)(水深:668m)

イシク・クル湖は、海抜1609メートルにある、世界で2番目に大きい高山湖。湖面積は6236平方km、水深668mを誇る。冬でも水面が凍らないのが特徴だ。(※16)

7位|グレートスレーブ湖(カナダ北部)(水深:613m)

湖面積10位にランクインしたグレートスレーブ湖は、水深では7位。最大水深613mとなっている。(※10)

8位|クレーター湖(アメリカ)(水深:592m)

Lake Crater

Photo by Amy Hanley on Unsplash

クレーター湖は、アメリカオレゴン州にあるカルデラ湖。湖面積は約53平方kmで、もっとも深いところで600m弱ある。(※17)

9位|マタノ湖(インドネシア)(水深:590m)

Lake Matano

Photo by Fifthgana Alfahrezi on Unsplash

インドネシアにあるマタノ湖は、東南アジアでもっとも深い古代湖といわれている。最深部では590mある。(※18)

10位|ブエノスアイレス湖(南アメリカ)(水深:586m)

Lago Buenos Aires

Photo by Andreas Slotosch on Unsplash

ブエノスアイレス湖は、アルゼンチンとチリにまたがる湖。へネラルカレーラ湖ともいう。バケル川が流出し、太平洋に流れ出る。(※19)

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世界の湖の透明度の高さランキング

lake

Photo by Sam Dawson on Unsplash

透明度の高い世界の湖TOP5をランキング形式で紹介する。(※20)

1位|摩周湖(北海道)(透明度:41.6m)

摩周湖

霧と「摩周ブルー」とも称される水の青さが特徴の摩周湖。1931年に湖沼透明度の世界記録となる41.6mの透明度を記録したが、最近では、透明度が20m前後で推移している。(※21)

2位|バイカル湖(シベリア)(透明度:40.5m)

バイカル湖

バイカル湖の透明度は、冬の湖水で約40mに達する。透明度が高い理由には、汚れた水を浄化する作用を持つ原始的な「カイメン」が湖の底の岩に群生しているからといわれている。(※22)

3位|タホ湖(北アメリカ)(透明度:32.7m)

lake tahoe

Photo by Artur Westergren on Unsplash

タホ湖は、アメリカ・カリフォルニア州とネバダ州にまたがる湖。世界有数の透明度を誇っていたが、水温の上昇などが原因で近年は白濁してきている。(※23)

4位|田沢湖(秋田県)(透明度:30.0m)

田沢湖

日本の湖では、透明度2位を誇るのが田沢湖だ。明治34年には、透明度が39.0mで世界1位という記録が残っている。(※24)

5位|猪苗代湖(福島県)(透明度:27.5m)

猪苗代湖

猪苗代湖は、会津若松市、郡山市、猪苗代町にまたがる湖。水中の植物や藻があまり繁茂していないことから、透明度が高いといわれている。(※25)

世界の湖で起きている環境問題

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Photo by Darius on Unsplash

世界の湖で起きているさまざまな環境問題を解説しよう。

湖水の酸性化

湖水の酸性化は、酸性雨の影響により湖が酸性化することである。酸性雨は、硫黄酸化物や窒素酸化物による大気汚染が要因となっている。湖水の酸性化により湖の酸性度が高くなり、魚類や水生植物が生存できなくなる。(※26)

ノルウェーやスウェーデン、カナダでは、湖沼の酸性化が起きている。(※27)

水位の低下

湖の水位の低下も問題のひとつだ。水需要が増加すると、湖もしくは湖に流入する川から過度に水を取らなければならない。その結果、湖の水位は低下してしまう。最悪の場合、水資源量の減少や、湖そのものが消滅する可能性がある。実際に、アラル海は水位の低下により縮小している。(※26)

プラスチック汚染

マイクロプラスチックの湖への流入も、環境問題として浮上している。大量のプラスチックごみが湖に流れ込み、分解されてマイクロプラスチックとなる。それを魚類や水生生物が誤って食べてしまうことで生態系に影響を及ぼす。カンボジアのトンレサップ湖では、化学物質やごみなどにより水質が悪化している。(※28)

土砂の流入

土砂の流入は自然現象だが、問題となっているのは集水域での森林乱伐や農牧地の酷使、土地開発などの不適切な土地利用などで引き起こされる土砂の流入である。これらによる土砂の流入により、短期間で湖が浅くなり消滅する恐れがある。また災害リスクも高まる。琵琶湖やアフリカのビクトリア湖でも、この問題が起きている。(※26、※29、※30)

水質汚染

都市下水や産業排水、農薬や肥料などが適切に処理されず、湖に流れ込むことで水質汚染につながる。とくにリンや窒素が湖に流れ込むと、富栄養化を引き起こしてプランクトンの増殖や有機物の増加により水質が悪化する。(※26)

ケニアのナクル湖では、肥料や農薬の流入が深刻化して水質悪化が問題となっている。(※31)

外来種の侵入

外来種の侵入による問題も深刻である。大繁殖して土着の種を滅ぼしたり、生態系の構造に悪影響をもたらしたりする。この要因には、有用魚種を意図的に移植放流するケースが多かったが、昨今では大陸間の人の往来や物流がさかんになったことで起こる意図しない外来種の侵入が発生している。(※26)

ビクトリア湖では外来種であるナイルパーチが放流され、在来種であるシクリッドに影響を与えた。(※32)

生態系の喪失

前述したとおり、湖の酸性化や水質汚染、外来種の侵入などが要因となり、生態系の喪失が起きている。(※26)

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美しい湖を守るためにできること

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Photo by Nick Saxby on Unsplash

前述した湖における環境問題に対して、改善につながる取り組みを紹介しよう。

汚染源の削減

湖に農業や工業による廃水が流れ込まないようにするため、排水処理施設の整備、肥料や農薬の使用を制限する規制が導入されている。たとえば中国の太湖では、大規模な汚水処理施設が建設されて水質改善が進められている。(※33)

植林活動

湖周辺での植林活動を行い、水源の保護や土砂流出を防ぐ取り組みもある。これにより、降水量の安定化や流入水の質の改善が期待される。

大気汚染の原因物質の排出規制

各国では、大気汚染の原因物質の排出規制が実施されている。酸大気汚染の原因物質の排出が減れば、酸性雨対策になり湖水の酸性化も防げる。(※34)

外来種の駆除

生態系を守るために、外来種の駆除が行われている。アメリカのバークレー湖では、ハクレン等の外来種の魚を電気ショックボートを使って感電させて駆除している。また滋賀県では、有害外来魚ゼロ作戦事業を立ち上げ、外来魚駆除促進対策や外来魚回収処理などをおこなっている。(※35、※36)

美しい湖を保つために気候変動対策に取り組もう

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Photo by Paul Pastourmatzis on Unsplash

湖に関する環境問題の原因は、私たち人間の活動によるものがほとんどだ。美しい湖を保つためには、水を大切に使うことはもちろん、節電や省エネ、温室効果ガスを減らすなどの取り組みが湖の保全につながる。大切な水資源でもある湖を消滅させないためにも、できることからはじめよう。

※掲載している情報は、2024年9月30日時点のものです。

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