世界の高い山ランキングTOP20 山の特徴や抱えている環境問題も

エベレスト

Photo by Go Wild on Unsplash

世界の高い山ランキングでは、エベレストをはじめとする標高の高い山々を紹介する。これらの山々の多くはヒマラヤやカラコルム山脈に位置し、8000m級の山が集まっている。ランキングでは、それぞれの山の標高や地理的特徴、登山の難易度なども解説し、自然の雄大さと厳しさに触れていく。

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2024.09.30
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世界の高い山ランキングTOP20

山脈

Photo by Julius Zetzsche on Unsplash

日本一高い山といえば富士山だが、世界にはさらに大きな山々が存在する。この記事では、世界の山を標高順に紹介し、山で起こっている環境問題について考えていく。

1位 エベレスト (8,848m)

エベレスト

Photo by Rohit Tandon on Unsplash

世界最高峰の山であり、ヒマラヤ山脈に位置する。ネパールとチベット自治区にまたがっている。地殻変動の影響で高さについては諸説ある。(※1)

2位 K2 (8,611m)

K2

Photo by Daniel Born on Unsplash

世界で2番目に高い山で、カラコルム山脈に位置する。パキスタンと中国の国境にある。世界一登るのが難しい山と言われており、エベレストよりも難易度は高いとされる。山の名称である「K2」は「Karakoram No.2(カラコルム山脈測量番号2号)」を意味する。(※2)

3位 カンチェンジュンガ (8,586m)

Kangchenjunga

Photo by Avishkar Darjee on Unsplash

世界第3位の高さを持ち、ヒマラヤ山脈に位置する。ネパールとインドの国境にまたがる山である。(※3)

4位 ローツェ (8,516m)

Lhotse

Photo by Rajiv Sadh on Unsplash

エベレストの南に位置し、ヒマラヤ山脈に属する。1956年に初登頂が行われた。エベレストと近いため、登頂ルートが一部重なる。(※4)

5位 マカルー (8,463m)

Makalu

Photo by photo by Paylessimages

ヒマラヤ山脈に位置する、世界で5番目に高い山。ネパールと中国の国境にある。斜面が急で登頂が困難なことで知られている。(※5)

6位 チョ・オユー (8,201m)

Cho Oyu

Photo by Nikhil Bhat on Unsplash

ヒマラヤ山脈の一部で、ネパールと中国の国境に位置する。8,000m急の山の中では、登山ルートが比較的穏やか。(※6)

7位 ダウラギリ (8,167m)

Dhaulagiri

Photo by Oscar Cadiach on Unsplash

ネパールにある単独峰で、ヒマラヤ山脈に位置する。1960年に初めて登頂された。ダウラギは、サンスクリット語で「白い山」を指す。(※7)

8位 マナスル (8,163m)

Manaslu

Photo by Erik on Unsplash

ネパールに位置する山で、ヒマラヤ山脈に属している。1956年に日本隊が初登頂を成功させた。(※8)

9位 ナンガパルバット (8,126m)

Nanga Parbat

Photo by Shujaat Muzaffar on Unsplash

パキスタンに位置する山で、カラコルム山脈の一部である。1953年に初登頂が行われたが、難易度が高く登山事故が多い。(※9)

10位 アンナプルナ I (8,091m)

Annapurna

Photo by mo jiaming on Unsplash

ネパールに位置し、世界で10番目に高い山である。1950年に初登頂が成功したが、その後の登山成功率が低く登頂困難な山である。(※10)

11位 ガッシャーブルム I (8,068m)

Gasherbrum I

Photo by Daniel Born on Unsplash

カラコルム山脈に位置する山で、パキスタンと中国の国境にある。1958年に初登頂が行われた。ガッシャーブルムは、チベットの語で「輝く壁」という意味を持つ。(※11)

12位 ブロードピーク (8,051m)

Broad Peak

Photo by Daniel Born on Unsplash

カラコルム山脈にある、パキスタンに位置する山。K2と近く比較すると難易度も低いため、前哨戦に登られることも多い。(※12)

13位 ガッシャーブルム II (8,034m)

カラコルム山脈に位置し、パキスタンと中国にまたがっている。1956年にオーストリア隊が初登頂に成功した。(※13)

14位 シシャパンマ (8,027m)

ヒマラヤ山脈に位置し、チベットにある。世界で最後に登頂された、8,000級の山。(※14)

15位 ギャチュンカン (7,952m)

ギャチュンカンは、ネパールとチベットにまたがるヒマラヤ山脈に位置する。エベレストとチョ・オユーの間にあり、8000m未満の山としてはもっとも高い。(※15)

16位 ガッシャーブルム III (7,952m)

カラコルム山脈に位置し、中国のウイグル自治区とパキスタンにまたがる。(※16)

17位 アンナプルナ II (7,937m)

ネパールに位置し、アンナプルナ山塊に属する。1960年にイギリス隊が初登頂に成功した。(※17)

18位 ガッシャーブルム IV (7,925m)

カラコルム山脈に位置し、パキスタンと中国にまたがっている。1958年に初登頂が達成された。(※18)

19位 ヒマルチュリ (7,893m)

ヒマルチュリは、ネパールのヒマラヤ山脈に位置し、マナスル山群に属する。絶壁のような斜面が多く登頂が困難。(※19)

20位 ディスタギール・サール (7,884m)

パキスタンのカラコルム山脈にある山で、ヒスパー山塊の最高峰である。初登頂は1960年にオーストリア隊によって行われた。(※20)

エベレストの環境問題とは? ごみ問題や保護に向けた取り組みを解説

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各大陸でもっとも高い山は?

世界地図

Photo by Andrew Stutesman on Unsplash

各大陸には、その地域を象徴するような最高峰が存在する。これらの山々は、その雄大な自然環境やロケーションから、多くの登山家や旅行者にとって憧れの地である。ここでは、アジア、南米、アフリカそれぞれの大陸でもっとも高い山を紹介する。

アジアの最高峰|エベレスト

エベレストはヒマラヤ山脈に位置するアジアの最高峰で、標高8,848.86mを誇る。ネパールと中国の国境上にあり、中国では「チョモランマ」、ネパールでは「サガルマータ」とそれぞれ呼ばれている。世界中の登山者にとっていつかは登頂してみたい挑戦の場所だが、危険度も高く2024年に追跡チップの携帯が義務化された。(※21)

南米の最高峰|アコンカグア

アコンカグアは南米アンデス山脈にある最高峰で、標高6,960.8mを誇る。南半球でもっとも高い山でもあり、チリとアルゼンチンの国境付近に位置している。1897年にスイス人ガイドによって初めて登頂された歴史があり、アコンカグアとはウアルペ方言で“石の高台”という意味をもつ。(※22)

アフリカの最高峰|キリマンジャロ

キリマンジャロはアフリカ大陸の最高峰であり、タンザニア北東部に位置する。標高は5,895mで、山脈に属さない独立峰としては世界でもっとも高い山の一つである。私たちにとっても馴染みの深い、アラビカ系キリマンジャロ・コーヒーの産地でもある。(※23)

高い山が多い地域とその特徴

ネパールから見たヒマラヤ

Photo by Sergey Pesterev on Unsplash

これまで紹介してきた通り、世界には多くの山が存在する。これらの山は地殻変動や地形の影響で生まれ、周囲の自然環境や国々に大きな影響を与えている。ここでは、代表的な高山地域とその特徴についてみていこう。

ネパールからチベットにまたがるヒマラヤ山脈

ヒマラヤ山脈はネパールとチベットにまたがり、地球上でもっとも標高の高い山脈である。この山脈にはエベレストをはじめ、世界で有数の高峰が数多く存在している。ヒマラヤはインド亜大陸とユーラシアプレートの衝突によって形成され、いまもその地殻変動が続いており、年々標高も変化している。(※24)またヒマラヤ周辺にはガンジス川やインダス川などの巨大な河川が集中しており、何百万もの人々の生活を支えている。

氷河と高峰の地カラコルム山脈

カラコルム山脈は、パキスタン、インド、中国の国境付近に広がる険しい山脈で、世界第2位の標高を誇るK2などの高峰が存在する。カラコルム山脈は氷河が多く、シアチェン氷河は極地を除けば世界で2番目に長い氷河であるものの、治安の問題から立入禁止区域とされている。(※25)そのほかにも多くの山が連なっており、人々が定住するには適していないが、自然の美しさと険しさが共存している地域だ。

中央アジアと南アジアの境界ヒンドゥークシュ山脈

ヒンドゥークシュ山脈は、アフガニスタンを中心に広がり、中央アジアと南アジアを分ける自然の境界となっている。ティリチミールをはじめとした標高7,000mを超える山々が連なり、その地形は非常に険しい。古来から交易路としても重要な役割を果たしていたが、山越えのたびに多くの人々が亡くなっていたため、「ヒンドゥークシュ(インド人殺し)」と呼ばれるようになった。(※26)

世界の屋根チベット高原

チベット高原はユーラシア大陸の中央に広がる広大な高原で「世界の屋根」とも呼ばれている。標高は平均4,000mを超え、周囲にはヒマラヤ山脈やカラコルム山脈が連なっている。(※27)長江や黄河など多くの巨大河川の水源地であり、アジア全体における気候や生態系、人々の暮らしに大きな影響を与えている。

世界と日本の山で起きている環境問題

富士山

Photo by Susann Schuster on Unsplash

山の環境は、地殻変動など自然の影響から日々変化を続けている。これ自体は仕方がないことだが、人間の活動による悪影響も懸念されている。ここでは、現在世界と日本の山々で起こっている環境問題について詳しく説明する。

ごみの放置

山岳地帯でのごみの放置は深刻な問題である。登山者が山頂を目指す際に不要になった装備や、生活ごみが山に捨てられている。エベレストなどではテント、ロープ、食器、ペットボトルなどが投棄され、環境への悪影響を及ぼしている。また山間部の気温が低いため、排泄物などの有機物も分解されず、ごみが長期間残ることも問題を悪化させている。そのため、2024年から排泄物の持ち帰りが義務化されている。(※28)

氷河の融解

地球温暖化によって、山岳地帯の氷河が急速に融解している。多くの高山地帯では氷河が溶け続けており、水資源の枯渇や土砂崩れのリスク増加が懸念されている。チベット高原を有するアジア地域では氷河が水の供給源となっており、数億人に影響を与える可能性がある。(※29)

生物多様性の減少

人間による環境破壊や気候変動の影響で、生物多様性が減少している。その事例は多岐にわたるが、例えばヒマラヤのユキヒョウは、生息地の減少や食糧不足により個体数が減少している。(※30)また他の希少種も同様のリスクに直面しており、山岳地帯全体での保護が求められている。

在来種の減少

日本の山でも、外来種の侵入や人間活動により在来種の減少が問題となっている。山野草の盗掘や生息環境の破壊が原因で、絶滅の危機に瀕している植物も多い。日本固有のササユリなどもその一例で、自治体によってはレッドリストに登録されている。(※31)

外来種の侵入

ブラックバスなど外来魚の影響で、日本固有の魚が減少していることは有名だが、植物においても外来種の影響は大きい。登山者や動物によって山岳地帯に外来種が侵入することもあり、生態系のバランスが崩れている。(※32)

地球温暖化

地球温暖化は環境に影響を与えるが、山も例外ではない。先にも触れた氷河の融解を引き起こすばかりか、生態系にも大きな影響を与える。また私たちの暮らす日本でも、富士山の永久凍土が融解してこれまでの景観と変わってきている。(※33)

緑の回廊とは? 生物を守る重要な役割と課題、国内外の事例を紹介

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山の環境を守るためにできること

新倉山浅間公園からの富士山

Photo by Shade on Unsplash

山の環境を守るためには、登山者や地域社会など山に関わる人々の存在が欠かせない。山を愛する人や近くに山がある人、直接関わりはないが山の自然を守りたいと思う人ができる具体的な取り組みを紹介する。

登山時のごみの持ち帰り

登山者が山で出したごみを持ち帰ることは、基本的なマナーである。ごみの放置が環境に与える悪影響を防ぐために、自分が出したものはすべて持ち帰り、自然をそのままの状態に保つことが大切だ。

長く使える登山道具を選ぶ

使い捨ての登山道具を避け、長期間使用できる質の高い装備を選ぶことでごみの発生を抑えられる。カジュアルなキャンプでも紙コップや紙皿ではなく、繰り返し使える素材のものを選ぶようにする。環境に配慮した製品を選択することが、山の環境保護につながるだろう。

ごみ拾い活動に参加

多くの地域で、山岳地帯のごみ拾い活動が行われている。こうした活動に参加することで、直接的に環境保護に貢献できる。エベレストのような人気の観光地では定期的な清掃活動が行われているが、日本でも自治体や観光協会が主催するごみ拾いに参加することが可能だ。

環境保護団体へ寄付

登山をしない人も生活圏が山から離れている人も、環境保護団体に寄付をすることで山の環境保護に貢献できる。多くの環境団体が山岳地帯の保護活動や自然環境の維持に取り組んでおり、寄付を行うことで団体の活動を支援できる。

生物多様性の減少は何が問題? 原因や日本国内の取り組みも紹介

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世界の高い山と私たちの生活

夕日が差し込む山

Photo by Artem Sapegin on Unsplash

厳しくも美しい自然をもつ世界の山々のなかには、人気の観光スポットになっているところもある。人が立ち入ることで多少なりとも生態系に影響を与えるため、なるべく配慮した行動が求められる。まずは近くの山や自然に目を向け、自分たちができる山の自然を守る活動に挑戦してみよう。

※掲載している情報は、2024年9月30日時点のものです。

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