イギリス・レイベンズボーン大学の学生 ホーリー・グラウンドさんが、スープになるインスタントラーメン包装の開発に成功。この包装に使われているのは、片栗粉やグリセリンなど日常的に手に入れられるものばかり。沸騰したお湯に触れれば、1分以内に溶けるという。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
わたしたちの買い物が未来をつくる|NOMAが「ソラルナオイル」を選ぶワケ
まだインスタントラーメンに改善の余地があったとは……正直、驚いた。しかも、サステナビリティを追求したうえで、だ。
イギリス・レイベンズボーン大学の学生ホーリー・グラウンドさんが、スープになるインスタントラーメン包装の開発に成功したのだ。
開発の始まりは、ホーリーさんがインスタントラーメンを食べたときに排出されてしまうごみの多さに改めて気づいたから。
日本に暮らす人たちにとっては食べる機会が頻繁にあるがゆえに意識しにくいけど、たしかに言われてみれば納得できるだろう。スープやかやくなど、それぞれがプラスチック包装されている。
「インスタントラーメンは10分以内に料理もできて食べられるけど、パッケージが分解されるまでは80年以上かかってしまいます」
ホーリーさんは自身のウェブサイトでこうコメントしている。そうして、ごみを減らすために包装を開発することに。
この包装に使われているのは、片栗粉やグリセリンなど日常的に手に入れられるものばかり。沸騰したお湯に触れれば、1分以内に溶けるという。
また、製造過程でスパイスなどで味付けができる点も優れている。プラスチックごみの排出が抑制できるからだ。
ホーリーさんはインスタントラーメンのパッケージにも目をつけている。上記の画像からわかるように、積み重ねることで大幅にごみを減らせるのだ。もちろん、パッケージは100%生分解できる素材を採用。実際に製品化されれば、の話だが。
ちなみに、彼女は麺を乾燥させる際にリング状にすることで、均等にお湯に浸るようにもデザインしている。こうした部分もアップデートしているのだ。
この包装はインスタントラーメン以外への展開も考えている。1食分の米やパスタに分ける際に使用することも想定。これもまた、ごみを減らすためには優れた取り組みになるだろう。
正直、インスタントラーメンは便利でおいしいため、改善できる部分があるとは考えたこともなかった。しかし、ホーリーさんはいくつもの点でアップデート。当たり前のように消費しているモノやコトでも、視点を変えれば、よりサステナブルに使える可能性もあるのかもしれない。
参照元/holly grounds
https://hollygrounds.cargo.site/DISSOLVABLE-NOODLE-PACKAGING
ELEMINIST Recommends