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ally(アライ)とは、LGBTQなどの性的マイノリティを理解する人のこと。LGBTQへの理解が世界的に叫ばれているなか、allyにはどんな役割が求められているだろうか?この記事ではallyの具体的な活動や、allyになるにどのようなことが必要なのか紹介する。
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エレミニスト編集部
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ally(アライ)とは、「仲間」や「同盟者」を意味する英単語だ。この意味から転じて、自らはLGBTQではなくストレートだが、LGBTQ当事者たちに共感し寄り添いたいと考える人々を指す言葉だ。
しかし現在ではさらにその意味が広がっており、LGBTQであってもallyになろうという動きもある。なぜかというと、LGBTQの当事者であってもすべてのセクシュアリティについて完全に理解している人は多くない。つまりLGBTQ当事者同士で会話する際にも、嗜好が異なれば無知ゆえに傷つけてしまうことがある。
このようなすれ違いを避けるために、お互いがallyであると表明することが広がってきている。さらに最近ではLGBTQに限らず、障がい者や外国人といったあらゆるマイノリティに対しても、支援を表明する際にallyという言葉が使われることもある。
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allyの存在は、LGBTQ当事者たちにとってあらゆる助けになっている。ここでは、allyが必要とされている理由や役割について解説していく。
allyの存在は、LGBTQをはじめとしたマイノリティに属する人々の孤立感を減少させる。LGBTQ当事者達の経験や感情に共感し、allyとしての支援を表明することで、彼らが自分を受け入れられる環境をつくりだすことができる。allyの存在が、LGBTQ当事者達の孤立感や排他感を和らげ、自分を認められると感じる助けになっている。
allyが存在することで、LGBTQや他のマイノリティの社会的認知度の向上に役立っている。allyは一般の人々に対して、マイノリティの権利や問題について啓発し理解を促進する役割も持っている。彼らの積極的な参加や声の大きさは、社会全体にLGBTQの存在や重要性を知らせ、偏見や差別に対する意識を高める。
allyが存在することで、多様性の重要性が強調される。自分自身の性的嗜好や考え方、生まれやライフスタイルから異なるバックグラウンドや生き方をもつ人々を尊重し、受け入れることの大切さを示している。allyが多様性を支持することによって、社会全体がより平等で公正な世界になることを促している。
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LGBTQ当事者ではない人がallyになるには、LGBTQを始めとしたマイノリティを知ろうとすることが第一歩である。またallyになるためには、特別な資格を取ったり組織に所属したりする必要は全くない。ここでは、allyになるための方法について解説していく。
allyになるためには、LGBTQに関する正しい知識を身につけることが重要だ。偏見や誤解を避けるために、性的指向や性自認に関する基本的な情報を理解する。書籍やオンラインリソースから、それらの情報は得られる。また現在LGBTQがどのような状況に置かれているのかをリアルタイムで知るためには、ニュースなども有効だ。
allyになるためには、LGBTQの当事者の声や経験に耳を傾けることが重要である。LGBTQの体験や感情に共感し、理解することで、allyとしてより適切なサポートを行える。また意見を聞き、相手を知る姿勢を示すこと自体も、LGBTQに対する支援につながる。
LGBTQに関する正確な用語や言葉の使い方を理解し、適切に使用することもallyに求められる素養である。性的指向や性自認に関連する用語は、時代や文化によって変化する。最新の用語を使って、尊重と理解を示すことが大切だ。
allyは世界の至る所で起こる、差別や偏見に立ち向かう。LGBTQや他のマイノリティに対する差別や偏見がある場面で、声を上げて反対し多様性を尊重する。公正な扱いや平等な機会を求め、差別を許さない姿勢を常に保つことが重要だ。
第三者の立場であるallyから、LGBTQ当事者が安心して自分らしく生きることの一つにカミングアウトのサポートがある。LGBTQがカミングアウトする際に、理解と尊重を示し、安心して自己表現できる環境を整えることが大切だ。
allyは、可能な限りLGBTQのコミュニティや関連するイベントに積極的に参加することも大切だ。LGBTQが声を上げる機会をサポートし、第三者であるallyが彼らとともに行動することで、認知の向上や社会的理解につながる。
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ここからは、allyの活動内容を紹介していく。
一般社団法人日本LGBT協会では、LGBTに関するさまざまなイベントを行っている。LGBTやallyが交流するイベント、社会への認知活動、LGBT向けにジェンダーのギャップを解決するような啓蒙活動などを通じて、あらゆる方向からLGBTの支援を行っている。
自治体によるLGBTの支援活動も行われている。宮崎市ではLGBTに理解を示す人々を増やすために、LGBT当事者団体とallyや理解を示そうとする人たちとの交流会を毎月開催している。
LGBTQへの理解は個人の価値観に委ねられることがあり、職場や地域によって格差もある。そこで認定NPO法人虹色ダイバーシティNijiiro Diversityでは、企業向けにLGBTQに関する研修を開催している。組織の中のLGBTへの対応方法や、理解することの重要性を学べる。
サントリーはダイバーシティを経営の軸にすえ、社内規定を柔軟に定めることで、多様な人材を獲得し公正に評価している。この活動から、LGBTQなどの性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」において最高評価を獲得している。
文部科学省では性的マイノリティに関する理解を深め、多くの人々が自分らしくあれる社会の実現に取り組んでいる。文科省の生徒指導提要改訂版に「性的マイノリティに関する課題と対応」が盛り込まれ、性的マイノリティに関する教育現場での理解の推進や、関連制度の充実、共生社会の推進などの施策が新たに定められた。(※1)
トヨタ自動車は、LGBTQフレンドリーな環境を整えている。LGBTQに対応した福利厚生を行っており、LGBTQの社員やその家族に対する手当の支給や、LGBTQカップルの婚姻に対する祝い金も支給される。さらに社内理解促進のために、社員向けにLGBTに関する啓発活動を実施している。
同性カップルに対して日本では法的な婚姻が認められていないが、渋谷区ではパートナーシップを証明するための「パートナーシップ証明書」を発行している。この証明書は、LGBTQに理解のある民間企業などでも受け入れが進んでいる。
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allyは当初、LGBTQに寄り添う人々を指す言葉だった。しかし現在では、さまざまなマイノリティへ理解を示す人々を指すようになった。そのためLGBTQ当事者にもallyを表明する人も出てきており、自らとは違う価値観を持つ人々を受け入れる考え方が広がりつつある。allyは多様性を受け入れ、啓蒙する人々といえるだろう。
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