フランス「ファストファッション罰則法」可決 広告掲載も禁止に

ハンガーラックに並んだ服

Photo by Jeff Sheldon on Unsplash

安価で大量に販売されるファストファッション。環境への影響を考慮して、フランスではファストファッションについて罰則を設ける法案が可決された。

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2024.03.27

フランス下院で可決 ファストファッションに罰則を適用

ファストファッションとは、最新の流行を取り入れ、低価格で販売されるファッションのこと。短いサイクルで企画から生産まで行われ、メーカー側は大量に生産することで利益を得る。

だがそのようなファストファッションは、低賃金かつ劣悪な環境で人々が働いているケースが多く、社会的にも問題視されている。さらに、トレンドを取り入れた安価なファッションは、短期間で着まわされてすぐに廃棄されやすく、環境への負荷が高い。「大量生産・大量消費」型サイクルは、ファストファッションの台頭によるところが大きいのだ。

そこで、フランスで提案されたのが、ファストファッションに罰則を設ける法案。先日下院で可決されたこの法案では、1商品あたり10ユーロ(約1600円)の罰金を課し、ファストファッションの広告も禁止する。

フランスが示す「拡大生産者責任」の姿勢

フランスでは、これまでにもアパレル業界における環境対策を行ってきた。例えば、2022年1月から施行された、売れ残った衣料品の廃棄禁止。売れ残った衣料品はこれまで廃棄されるケースが多かったが、それらは寄付やリサイクルすることが義務付けられたのだ。

これは、生産者が製品の廃棄やリサイクルまで責任を負う「拡大生産者責任(EPR)」の考えにもとづいたもの。今回のファストファッション罰則法も、同じ考えにもとづいている。

フランスで衣類の売れ残り廃棄禁止法がスタート 寄付・リサイクルを義務化

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またフランス政府は、古くなったり着れなくなったりした衣料品の修理について、手当を支給する施策も実施。「いまある衣料品を大切に長く着よう」と呼びかけている。

今回のフランスの法律では、中国の「シーイン」「ティームー」などが対象となり、業界には大きな影響をもたらすと言われている。

フランスはEUに古着の輸出禁止を提案する方針も示しており、このような動きはヨーロッパを中心に、今後さらに加速していくとみられている。

※掲載している情報は、2024年3月27日時点のものです。

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