フランス、代替肉に「ステーキ」「フィレ」等の表記を禁止

ソテーした代替肉

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フランスでは、植物由来などの代替肉について、「ステーキ」「フィレ」「ハム」などの表示を禁止した。

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2024.03.11
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食肉を連想させる21の言葉の使用を禁止

フランスのブリエル・アタル首相と保健省、財務省は、代替肉のパッケージに「ステーキ」「フィレ」「ハム」など、食肉を連想させる21の言葉の使用を禁止した。

メーカーや生産者には、1年間の猶予期間が与えられるが、違反すると個人の場合は最大1500ユーロ(約24万円)、企業なら最大7500ユーロ(約120万円)の罰金が科せられる。

EUで、乳製品の代替食品については、「ミルク」「バター」「ヨーグルト」などの言葉を使うことは認められていない。だが、代替肉についてはまだ規制がない。そのため、今回のフランスの規制は、EUによる代替肉に関する規制より早く決められたルールとなる。

代替肉の市場成長とともに規制も

とくに欧州では、気候変動への危機感や環境への負荷軽減、健康への意識から、植物由来などの代替肉の選択肢が増加。代替肉の市場は世界で40億ドルにもなるといわれている。

だが市場の成長とともに、食肉業界では代替肉を肉として販売することについて、表示規制を求める声が上がっていた。2020年にはEUで、植物由来の製品に「バーガー」や「ソーセージ」など肉に関連づける表現を禁止する提案があった。だが、その提案に対して、「消費者が植物由来の製品を試すことを思いとどまらせ、気候変動の目標達成に影響を与える」として、拒否されていた。

現在、アメリカのミズーリ州やオクラホマ州、カンザス州などの一部の州では、代替肉について「肉」という言葉の使用を禁止するなど、代替肉や代替乳製品の表現について、制限を行っている。

まだ代替肉や代替乳製品ができたばかりの段階では、消費者に「試してみよう」と購入を促すことも考慮されたが、代替食品の選択肢が増えてきた現在では、従来の肉や乳製品とは表示を明確に区別する規制が必要かもしれない。このように、市場の動向と消費者のリテラシーにあわせたルールが今後求められていくと考えられる。

※掲載している情報は、2024年3月11日時点のものです。

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