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非営利団体のジェネレーション180とアメリカン大学のメディア&ソーシャルインパクトセンターの共同プロジェクト「クライメート・コメディ・コホート」。コメディアンが専門家から気候変動について学び、気候変動への具体的な行動を促す面白いコンテンツを制作する。
岡島真琴|Makoto Okajima
編集者・ライター・キュレーター
ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。編集者・ライター・キュレーターとして活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRE…
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「クライメート・コメディ・コホート」は、気候変動に取り組む米国の非営利団体ジェネレーション180と、アメリカン大学のメディア&ソーシャルインパクトセンター(CMSI)が共同で行っているプロジェクト。
公募によって集まったコメディアンたちが9カ月間のフェローシップに参加し、専門家から気候変動やその解決策について学び、そのうえで気候変動を解決するための面白いコンテンツを制作するプログラムだ。フェローシップの終了後には、これらのコメディがビデオやポッドキャストとして公開される。
コメディの内容は、気候変動に対する人々の恐怖を煽ったり、無力感を感じさせたりするようなものではない。それよりも具体的な国の政策や、自分たちが実践できる解決策などを紹介することで、人々のポジティブな行動を広めることを目的としているという。
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2021年にパリ協定に復帰したアメリカでは、2022年にバイデン大統領が気候変動対策に関する米国史上最大の歳出法案に署名。米国の温室効果ガス排出量を2030年までに10億トン削減することを目指し、太陽光発電やヒートポンプなど、クリーンエネルギーへの切り替えに対する巨額の予算が組まれている。
一方で、AP-NORCの2022年の世論調査によると、アメリカ人の大多数が気候変動は人間によって引き起こされていると認めている一方で、自分たちにできることがあると考えている人は半数にすぎない。
本プロジェクトで制作される「クライメート・コメディ」は、そうした市民の気候変動に対する理解を助け、具体的な行動を促すきっかけとなる。アメリカン大学のメディア&ソーシャルインパクトセンターのケイティ・ボルム氏は、「コメディは重いトピックである気候変動についてであっても、希望と楽観の気持ちを促進できる」と語る。
「気候変動」と「コメディ」という組み合わせは、あまり聞き慣れないものであるし、もしかすると的確ではないという声があるかもしれない。しかし、こうしたクリエイティブでユニークなアプローチが、気候変動などの人類が直面する問題についての会話を前進させる、新しい風穴になってくれる可能性もあるだろう。
※参考:
CLIMATE COMEDY COHORT
‘How do you laugh about death?’: the comedians tackling climate change|The Guardian
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