エディンバラを拠点にするショッピングアプリ「Mallzee」の運営チームが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、新サービス「Lost Stock」をローンチ。有名ブランドの廃棄衣服のアップサイクルで、バングラディッシュの労働者たちを救おうとしている。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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いまはまだ有名ではないけど、活動内容を聞いた途端に先行きが楽しみになるサービスがある。間違いなく、「Lost Stock(ロストストック)」はそのひとつだ。
エディンバラを拠点にするショッピングアプリ「Mallzee(モールジー)」の運営チームが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けローンチしたサービスで、バングラディッシュの労働者たちを救おうとしている。
Photo by Adrien Taylor on Unsplash
13万5516t──。
これは「Lost Stock」が算出した数値だ。すでに製造されたにもかかわらず、有名ブランドが注文をキャンセルした衣服の量を表している。想像できているかもしれないが、主な原因となっているのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。
つまり、短い間にたくさんの衣服がごみとなってしまったということ。その後は埋立処分をされるか、焼却処理をされることに。
サステナビリティの意識が高まるなか、「Mallzee」はもっとも時代に逆行している行為を見捨てることができず、「Lost Stock」をローンチした。
ごみとなってしまった衣服を引き取り、アパレルブランドで販売される価格の約半分ほどで提供している。ユーザーは、有名ブランドの商品となるはずだった衣服をそのままのクオリティで格安で手に入れられるのだ。
注文方法はいたって簡単。サイズや好みのスタイルに関する質問に答えれば、「Lost Stock」のチームがそれに合う3つの衣服を選んでくれる。値段は39ポンド(約5,000円)。現在はイギリス、アイルランド、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアのみで発送対応を行なっている。
一着売れるたびに収益の40%がバングラディッシュの工場や労働者に還元されるという。これは彼らが1週間を暮らせるほどの資金になるそうだ。
捨てられるはずだった衣服に付加価値をつけ、新たな方法で販売する──。「Lost Stock」、ひいては「Mallzee」が実践するアップサイクルは、日本をはじめとした多くの国や地域でも参考にできるだろう。
彼らの今後には引き続き注目したい。
参照元/Lost Stock
https://loststock.com/
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