旅行で排出されるCO2を実質ゼロに ホテル予約サイト「Goodwings」の試み

デンマーク発のサステナブルなホテル予約サイト「Goodwings」は、宿泊により排出される二酸化炭素をカーボンオフセットできる仕組みを生み出した。サービスローンチ後、602.5tの二酸化炭素の相殺に成功。予約価格も他サービスと大きく変わらないという。

小嶋正太郎

農家 / 編集者

元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。

2020.07.31
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ホテル宿泊によるCO2をカーボンオフセット

ホテルの外観

Photo by duan xiaoyu on Unsplash

全く予想がつかない出来事が起きる世の中になって、これまで浸透に時間がかかっていたホテル業界のサステナブルな取り組みが一気に増えてきた感がある。

ただのマーケティング主導のプロジェクトではなく、従来のやり方を反省し、次々と改善をし続けていて、リアルな変革を起こそうとする力が業界内部から生まれているのだ。

その象徴とも言えるのが、デンマーク発のサステナブルなホテル予約サイト「Goodwings」。これを使えば、誰でも自分の宿泊により排出される二酸化炭素をカーボンオフセットすることができる。

Goodwingsアプリのスクリーンショット

Goodwingsでは、日本を含む世界各国の36万件以上のホテルが検索可能。

宿泊を通して排出される二酸化炭素を独自に割り出し、同量の二酸化炭素を削減する活動をおこなうNPOなどに寄付をして、カーボンオフセットを狙う。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により思うままに旅行を楽しめないのだが、誰でも気軽にサステナビリティを実現できるのは、これまでにないサービスだ。

ローンチ後、約600tの二酸化炭素を相殺

「Goodwings」のウェブサイト

Goodwingsのウェブサイトによれば、サービスをローンチしてから602.5tの二酸化炭素をプラスマイナスゼロにしているとのこと。環境に貢献している度合いで判断すると、かなり高いと言えそうだ。

気になるのは予約時の値段なのだが、他の予約サイトと比べても、そこまで大きな差はなく、数百円程度であることが多い。本来ならば自分で行動を起こして、環境に配慮できるのが一番なのだが、こうしたサービスがサステナビリティの実現をサポートしてくれるのは革新的。使いたいと感じる人もたくさんいるのではないだろうか。

またGoodwingsは広告費を抑えるビジネスモデルの設計をしていて、通常から考えた差額分をNPOなどの寄付にまわしている。ユーザーからはわかりにくいかもしれないが、それでもなお環境にこだわるのは彼らの本気度がうかがえる。

「Goodwings」のウェブサイトトップページ

ホテル予約サイトを選ぶ基準といえば、どれだけ便利で安く利用できるのか?ということだった。しかしGoodwingsの登場により、それら以外の理由でサービスを選択する人も増えそうだ。

サービスの内容以外でもGoodwingsは革新的と言えるのではないだろうか。今のところ英語のみにしか対応していないのだが、今後は日本語でも使えるようになってほしいところだ。

参照元/Goodwings
https://www.goodwings.com/

文・小嶋正太郎/編集・ELEMINIST編集部

※掲載している情報は、2020年7月31日時点のものです。

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