アメリカにサステナブルなマクドナルドがお目見えした。フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの敷地内にオープンしたのは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」を実現した店舗。屋根には無数のソーラーパネル、1700平方フィードの壁面緑化などを採用している。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
7月10日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と「Black Lives Matter」運動が盛り上がるアメリカで、ひっそりとサステナブルなマクドナルドがオープンした。
ここは、省エネと創エネの両軸で消費エネルギーが実質ゼロになる「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」を実現した店舗だ。いま、世界でもっとも注目したい建築のひとつと言えるかもしれない。
この店舗がオープンしたのは、フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの敷地内。
屋根には1,066個ものソーラーパネルが取り付けられ、窓には太陽光発電ができるガラスが1,500平方フィート(約139平方メートル)にわたり採用されている。前者は年間で60,000kWh、後者は70,000kWhの電力を生み出せるそうだ。
また1,700平方フィート(約158平方メートル)の壁面緑化を採用しているのも注目すべき点だろう。壁に植物を植えることで二酸化炭素を吸収し、酸素もつくり出している。水分保持にも好影響だという。
ルーバーが開閉することで冷たい空気を取り入れ、温かい空気を排出する仕組みに。空調の役割を果たすことで、これも省エネにつながっている。
駐車場のライトにもソーラーパネルが取り付けられ、これらは年間で9,000kWhの電力を生み出せるそうだ。
ほかにも先進的な水道システムを導入することで節水にも取り組んでいるとのこと。そうして使われるはずだった水はフロリダ原生の植物を維持するために、結果的に利用されるという。
店舗の敷地内にはエアロバイクが設置されていて、これを漕ぐことで自分のスマホを充電できる。ふだん、無駄使いをしてしまっているかもしれない電力の重さを感じ取るには、ちょうどいい機会になるのではないだろうか。
少しずつと紹介しただけでも長文になってしまうほどサステナブルな取り組みがおこなわれているマクドナルドには注目だ。
ちなみに、彼らは企業として、2015年と比べて、2030年までに温室効果ガスを36%削減することを目標に、環境に対する活動に励んでいるという。
文・小嶋正太郎/編集・ELEMINIST編集部
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