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コーチ、ケイト・スペード ニューヨークなどのブランドを傘下にするタペストリー社は、太陽光発電のプロジェクトを発表。2025年年までに全世界の自社店舗、オフィス、フルフィルメントセンターで100%再生可能な電力を調達する目標を掲げる。また地元コミュニティーへも投資を行う。
鴨井里枝|Rie Kamoi
ファッションライター/エディター/ジャーナリスト
イギリスの美術大学でグラフィックデザインを学び帰国後、ファッション週刊紙「WWDJAPAN」の編集部に約10年在籍。ファッションビジネスやトレンドの分析を主に、海外ではNY、ミラノ、ロン…
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アメリカのファッション企業、タペストリー社は、全米有数の太陽光発電プロバイダーであるピボット・エネルギー社と提携し、米イリノイ州で新たに6つのコミュニティー・ソーラー・プロジェクトを開発することを発表した。
これにより同州で計33メガワット(MW)の太陽光発電を可能にする。年間の発電電力量は平均51,760メガワット時(MWh)を見込んでおり、これは同州の一般家庭6,000世帯以上で消費される年間電力量に相当する。
さらにタペストリー社は、同プロジェクトで生産されるインパクトREC(再生可能エネルギー・クレジット)を15年間購入することを表明。生産電力量は年間で50,000メガワット時以上、合計で750,000メガワット時を見積もっている。太陽光発電プロジェクトを稼働する2025年までに全世界の自社店舗とオフィス、フルフィルメントセンターで100%再生可能な電力の調達を掲げ、クリーンエネルギーの供給を始める予定だ。
さらに、イリノイ州でのプロジェクト開発にあたり、タペストリー社とピボット・エネルギー社は、再生可能エネルギー部門における公平な人材育成に尽力する地元の非営利団体に対し、生産した1メガワット2,000米ドルにあたる計66,000米ドルを投資することも発表した。
今回の提携で特筆すべきは、太陽光エネルギーの成長において多様な効果が期待できることだ。REC購入は通常、既存の風力発電所から選ばれるが、今回のタペストリー社の場合のように、インパクトREC契約の場合、新しい太陽光発電所を建設するのに適した地域にクリーンエネルギー資源を開発し、さらに地元コミュニティーに投資する仕組みになっている。
タペストリー社のコミュニティー・ソーラー・プロジェクトでは、新たなクリーンエネルギーの生産、地域社会への投資、エネルギー負担の軽減といった点が挙げられる。また、化石燃料の使用率が高い地域にソーラー資源を建設していくことで、汚染回避の効果を拡大することができる。
タペストリー社のESGおよびサステナビリティ担当のバイスプレジデント、ローガン・デュラン氏は、「私たちは、サステナビリティがビジネスにおいて必要不可欠だと認識しているし、今回の取り組みが環境や社会の分野において、意味のある変化をもたらすと確信している」と語り、ファッション業界における再生可能エネルギーと持続可能な事業へのコミットメントを示した。
ピボット・エネルギー社のオフサイト・ソリューション担当ディレクターであるジョシュ・レヴィ氏は、「タペストリー社との提携は、持続可能な目標のために再生可能エネルギーのソリューションを推進すると同時に、将来的な再生可能エネルギーの生産のさらなる機会を創出できることを示す完璧な例である」と期待。今後さらなるクリーンエネルギーへの移行を加速させ、地域社会にプラスとなる影響を示唆する。
「コーチ」や「ケイト・スペード ニューヨーク」「スチュワート ワイツマン」を擁するタペストリー社は、アメリカを代表するファッション企業の一つだ。2025年の企業責任目標を掲げ、リードブランドの「コーチ」では2023年、「コーチトピア」というサーキュラーデザインを実現するブランドを立ち上げるなど積極的にコミットしている。今後さらに、再生可能エネルギー導入といった、業界でも先進的な取り組みへの推進に注目が高まる。
※参考
Pivot Energy Partners with Tapestry, Inc. Enabling New Clean Energy and Increased Community Investment
Tapestry, Pivot Energy collaborate to drive clean solar energy in US|Just Style
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