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世界には、日本のような先進国とは対照的に、貧しい国もある。1人あたりのGDPをもとにした、世界の最貧国ランキングはどのようになっているだろう。1位から30位までワーストの国を一覧で紹介する。また世界の貧困の現状と、それに対する取り組みについても紹介しよう。
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世界には、日本のように豊かでめぐまれた国もあれば、そうではない貧しい国もある。国連開発計画(UNDP)によると、貧困とは「教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなどもっとも基本的なもの・サービスを手に入れられない状態のこと」と定義している。
また、世界銀行は、貧困を定義するための国際的な基準である「国際貧困ライン」を定めている。これは「1日2.15米ドル未満で生活すること」を指す。
では、具体的に世界の貧しい国にはどこがあるのか。ここでは、World Economic Outlookの「1人あたりのGDP」をもとに、世界でもっとも貧しい国のワースト30を紹介する。なお、同ランキングで日本の1人あたりのGDPは5,1809.120ドルである。ワースト30の国がどのくらい日本と差があるのか、わかりやすいだろう。
国名 | 1人あたりのGDP | |
1位 | 南スーダン | 515.749ドル |
2位 | ブルンジ | 891.426ドル |
3位 | 中央アフリカ共和国 | 1,1126.756ドル |
4位 | ソマリア | 1,373.976ドル |
5位 | コンゴ民主共和国 | 1,474.252ドル |
6位 | モザンビーク | 1,556.267ドル |
7位 | ニジェール | 1,600.466ドル |
8位 | マラウイ | 1,682.152ドル |
9位 | チャド | 1,787.000ドル |
10位 | リベリア | 1,788.015ドル |
11位 | マダガスカル | 1,916.369ドル |
12位 | イエメン | 2,042.223ドル |
13位 | シエラレオネ | 2,082.295ドル |
14位 | エリトリア | 2,187.578ドル |
15位 | キリバス | 2,381.390ドル |
16位 | ソロモン諸島 | 2,414.128ドル |
17位 | ジンバブエ | 2,627.106ドル |
18位 | マリ | 2,655.719ドル |
19位 | ブルキナファソ | 2,726.217ドル |
20位 | トーゴ | 2,754.401ドル |
21位 | ガンビア | 2,803.723ドル |
22位 | バヌアツ | 3,001.319ドル |
23位 | ギニアビサウ | 3,071.890ドル |
24位 | ルワンダ | 3,090.459ドル |
25位 | ギニア | 3,217.843ドル |
26位 | ウガンダ | 3,224.402ドル |
27位 | ハイチ | 3,248.438ドル |
28位 | レソト | 3,250.985ドル |
29位 | コモロ | 3,462.851ドル |
30位 | タンザニア | 3,599.939ドル |
世界の最貧国ランキングを見ると、これらの国に共通することとして、いくつかのことが挙げられる。
最貧国ランキングの多くは、アフリカの国々で占められているのがわかる。以前より、アフリカには貧しい国が多いが、この傾向は変わらず、それ以外では南アジアにも多い。
貧しい国に多く共通するのは、紛争や戦争が多いこと。紛争や戦争が起きると、多くの人は自宅を離れて難民として生活せざるを得ない。自宅も仕事も失い、働いて自分の生活を自分で守ることが難しくなる。難民キャンプでは貧困に直面する人々がとても多い。
紛争、武装グループなどによる暴動などで、政治情勢が不安定な国は、そこで人々が安定的に社会的な生活を送ることが難しい。また、飲み水や電気などのインフラが整わず、衛生面でも不安があるなどして、基本的な生活を送ることが難しい場合もある。
近年は気候変動による自然災害が頻発するようになってきている。農業を営み、食料を得るなど働いていても、干ばつや洪水などの自然災害に見舞われて、仕事や財産を失い、貧しい生活に陥るケースも少なくない。
日本は、「貧しい国ランキング」の上位に入ることはないが、しかし貧困に悩む人が増えていることが指摘されている。
2018年の日本の相対的貧困率は15.4%、相対的貧困の基準は世帯年収が127万円だ。つまり、世帯年収が127万円未満で暮らしている人が、約15%いるということだ。
とくに、ひとり親家庭、高齢化世帯などで多く、このような貧困層が拡大していることが問題となっている。
貧しい国というと、日本とは遠い国のことと思われるかもしれない。しかし、貧しい国々の原因は、紛争や政治情勢、気候変動や自然災害などが考えられ、めぐまれた国にいる私たちが手をさしのべる必要もあるだろう。また、気づかれにくいが、日本にも貧困に直面している人がいることも忘れてはいけない。
SDGsの目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標16「平和と公正をすべての人に」のように、だれもが幸せに暮らせる世界を目指さなければならないだろう。
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