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国連人口基金(UNFPA)の「世界人口白書2023」によると、2023年の世界人口は80億4500万人で初めて80億人に到達し、これまで1位だった中国をインドが抜いた。日本は12位に順位を下げ、1億2330万人だった。1位から190位までの全ランキング結果と将来の予測を解説する。
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日本の人口は、2022年より約230万人減の1億2,330万人。2022年に日本よりランクがひとつ下だったエチオピアに抜かされ、2022年の11位から、2023年は12位に順位を落とした。ちなみにエチオピアは2022年より570万人の増加だった。
日本はこれまでも人口が減少してきたが、少子高齢化はますます深刻化している。今後、世界12位よりもさらにランクが下がる可能性が高いだろう。
総務省発表の「人口推計(2023年5月報)」(※2)によると、2023年5月1日現在、日本の世代別人口は以下になる。
齢 | 人口(万人) | 割合 |
---|---|---|
0-14歳 | 1445 | 11.5% |
15-64歳 | 7420 | 59.4% |
65歳以上 | 3621 | 29.1% |
年齢別にみると、15歳~64歳の生産人口は6割を切っている。さらに15歳未満の若年層の割合が低く、65歳以上の高齢者が人口の3割近くを占めていることがわかる。
2023年は世界人口がはじめて80億人に到達した。しかもインドが、これまで人口1位だった中国を抜かして、世界1位に躍り出た。インドでは乳幼児の死亡率が下がっていることなどを背景に、人口が増加。2023年の人口は14億2,860万人となった。
インドでは人口のおよそ半数が30歳未満であり、今後も経済が急成長するとみられている。またインドの人口は全世界の2割近くを占めている。人口の増加傾向は今後も続き、2050年までに16億6800万人に達するとみられている。
だが、中国では近年、人口増加のペースが鈍化。今後は人口が減少していくと考えられている。
日本を含めた多くの国で出生率が歴史的ともいえる低い水準になっている。これは、新型コロナウイルス感染症の影響や経済的な理由、将来への不安感などから、子どもを産み控える人が増えたことなどが考えられる。
それにも関わらず、世界人口は増加している。この状況について国連の「世界人口白書」では、「迫りくる危機の前触れと捉えるのはあまりにも単純」と表現している。
世界人口 | 前年比 | |
2023年 | 80億4,500万人 | +7,600万人 |
---|---|---|
2022年 | 79億5,400万人 | +7,900万人 |
2021年 | 78億7,500万人 | +8,000万人 |
2020年 | 77億9,500万人 | +8,000万人 |
2019年 | 77億1,500万人 | +8,000万人 |
これまで、毎年8,000万人ほどの増加となってきた世界人口。2030年には85億人、2050年に97億人に増加する見通しだ。その後、2086年には104億人でピークに達するものと予測されている。
世界人口ランキングの上位国のほとんどは、人口が増加傾向にある。この傾向が今後も続くと予測されるのは、主に以下の8か国だ。
コンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、タンザニア
新型コロナウイルス感染症のパンデミックや、ロシアのウクライナ侵攻、エネルギー危機、食料不足など、世界にはこれまでも多くの苦難が続いてきた。そのようななか、史上最多となる80億人となった世界人口。多くの人々が、より良い環境で暮らせるように考えていかなければならないはずだ。
たとえば、世界の人口80億人のうち55億人は、二酸化炭素排出量にはあまり影響を及ぼさない低所得で暮らしているという。気候変動も深刻化するなか、とくに先進国がこれらの問題の対策に率先して取り組んでいくことが大切になるだろう。
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