人口増加率とは?世界・日本のランキング紹介 人口増減の背景や影響を解説

駅に集まる人々

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人口増加率とは、総人口に対して、ある一定の期間に増加した人口の割合を示す。人口増加率が高い国のリストと、日本で人口増加率の高い・低い都道府県をランキングで紹介。今後予想される世界や日本の人口増加率について解説する。

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人口増加率とは?言葉の意味を解説

建物の近くに密集する人々

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人口増加率とは、ある期間において、その地域の総人口に対して増加した人口の割合。たとえば、人口が100人で1年後に105人になった場合、総人口100人に対して5人増加したので、人口増加率は5%となる。 

WPP2022によると、世界の人口増加率は1963年に2.27%でピークをつけて以降、一貫して低下基調を辿っており、2020年には1%を割った(※1)。

かつて人口爆発とも呼ばれた急激な人口増加にはすでに歯止めがかかっており、世界人口は2086年に104億人でピークに達するものと予測されている。

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昼間の都市の建物の空撮

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The World Bank「World Development Indicators - Population growth」(※2)によると、2021年の人口増加率上位の国は以下のとおりだ。

順位国名人口増加率
 (年率)
1位ニジェール3.7
2位コンゴ共和国3.2
3位ウガンダ3.2
4位アンゴラ3.2
5位チャド3.2
6位マリ3.2
7位ソマリア3.1
8位タンザニア3.0
9位アフガニスタン2.9
10位モザンビーク2.8
11位ザンビア2.8
12位ベナン2.8
13位スーダン2.7
14位ブルンジ2.7
15位ブルキナファソ2.7
16位セネガル2.6
17位カメルーン2.6
18位シリア2.6
19位マラウィ2.6
20位エチオピア2.6
21位モーリタニア2.6
22位ガンビア2.5
23位ヨルダン側西岸・ガザ2.5
24位コートジボワール2.5
25位ギニア2.4
26位マダガスカル2.4
27位ナイジェリア2.4
28位ソロモン諸島2.4
29位赤道ギニア2.4
30位ルワンダ2.4

人口増加率が高い国・地域の特徴や理由

人口増加率は複数の要因によって決まる。国によって違いがあり、単純に高い国と低い国を比較することは難しい。

人口増加率が高い国の一般的な要因としては、経済成長医療技術の進歩教育水準の向上食料供給の改善などが挙げられる。いっぽうで、戦争や紛争、疾病、自然災害などが人口減少の原因となることもある。

人口増加率1位のニジェールは、合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの数の平均)が6.9人と世界最多(※3)。2位のコンゴ民主共和国の人口は2022年時点で9,520万人で世界16位だが、2100年には4億人を超えると予測されており、アメリカ合衆国を上回る大国になるとみられている。

出生率が高い国の特徴として、若年層が多く、労働力人口も多いことで経済成長につながるとも考えられる。 いっぽう、死亡率が低い理由としては、医療技術の進歩や健康状態の改善などが挙げられる。

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人口増加率が低い国・地域の特徴や理由

人口増加率が低い国には、日本をはじめ、ギリシャ、イタリア、ブルガリアなどが並ぶ。

平均寿命が長くなり、出生率が低下することで、少子高齢化が進んでいる日本のような国では、人口増加率が低い。ちなみに、 経済成長が進むと、教育や医療の発展によって出生率が低下する傾向にある。

そのほか、都市化女性の社会進出、環境問題により食糧不足や水不足などが起こり、それが出生率低下につながるとも考えられる。 移民の減少も、人口増加率が低い要因のひとつだ。

【日本】都道府県別人口増加率ランキング

街の建物の写真

Photo by Ryo Yoshitake On Unsplash

総務省が発表した人口推計では、外国人を含めた日本の総人口は1億2494万7000人で、12年連続で減少。 日本人人口は1億2203万1000人で、前年に比べ75万人(-0.61%)の減少となり、11年連続で減少幅が拡大している。 生まれた子どもの数が亡くなった人の数を下回る「自然減」は16年連続で、過去最大となった(※4)。  

総務省統計局の人口推計 「2022年(令和4年)10月1日現在」(※4)による、都道府県別人口増減率ランキングは以下のとおり。

都道府県人口増減率
2022年
人口増減率
2021年
全国-0.44-0.51
1位東京都0.20-0.27
2位沖縄県-0.010.07
3位神奈川県-0.04-0.01
4位埼玉県-0.05-0.06
5位滋賀県-0.11-0.22
6位千葉県-0.15-0.15
6位福岡県-0.15-0.22
8位大阪府-0.27-0.36
9位愛知県-0.29-0.34
10位茨城県-0.43-0.53
10位山梨県-0.43-0.57
12位宮城県-0.44-0.51
13位京都府-0.45-0.65
14位兵庫県-0.55-0.60
15位熊本県-0.57-0.58
16位佐賀県-0.64-0.67
17位栃木県-0.65-0.61
17位長野県-0.65-0.72
19位石川県-0.67-0.65
20位大分県-0.68-0.84
21位群馬県-0.69-0.65
22位静岡県-0.70-0.70
23位奈良県-0.72-0.69
23位広島県-0.72-0.72
25位岡山県-0.74-0.64
26位岐阜県-0.77-0.90
26位三重県-0.77-0.82
28位北海道-0.82-0.80
29位宮崎県-0.84-0.78
30位富山県-0.87-0.91
30位香川県-0.87-0.84
30位鹿児島県-0.87-0.75
33位鳥取県-0.91-0.86
34位福井県-1.00-0.84
35位島根県-1.05-0.93
36位山口県-1.06-1.08
36位長崎県-1.06-1.18
38位愛媛県-1.09-1.04
39位新潟県-1.12-1.10
40位和歌山県-1.13-0.97
41位徳島県-1.14-1.05
42位福島県-1.20-1.16
43位高知県-1.22-1.08
44位山形県-1.31-1.23
45位岩手県-1.32-1.16
46位青森県-1.39-1.35
47位秋田県-1.59-1.52

人口増加率が高い都道府県の特徴や理由

2022年の人口増減率を都道府県別にみると、増加は東京都(0.20%)のみで、前年の減少から増加に転じている。いっぽうで、減少は47都道府県中、46道府県。沖縄県は前年の増加から減少に転じている。なお、沖縄県は1972年に日本に復帰して以降、初めての人口減少となった。 

人口増加率が高い都道府県は、大都市圏に位置していることが多く、若者や外国人の流入が多いことが理由とされている。また、東京都はオリンピック開催に伴うインフラ整備や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、人口増加率が高くなったとも言われている。 

人口増加率が低い都道府県の特徴や理由

人口減少率が前年に比べ拡大したのは23道県で、うち岩手県、福井県および和歌山県(対前年差0.16ポイント)がもっとも拡大。人口減少率が縮小したのは京都府(対前年差0.20ポイント)など19府県となっている。  

自然増減(出生数と死亡数の差)を都道府県別にみると、沖縄県が前年の増加から減少に転じ、ほかの46都道府県では前年に引き続き自然減少となった。比較可能な1950年以降初めてすべての都道府県で減少となっている。 

15歳未満人口の割合が75歳以上人口の割合を上回るのは沖縄県のみ。日本が抱える少子高齢化社会は、医療・福祉のあり方、社会保障制度と財政、経済成長率の低迷、高齢者のQOLの低下など多くの問題を引き起こす。

さらに、超高齢化社会では、年金や医療、福祉などを合わせた社会保障給付費が一気に増大し、社会福祉制度の維持が困難になると予想されている。

人口増加率が低い都道府県は、高齢化、人口流出、出生率の低下などの要因が挙げられる。政府として、出産や子育ての環境整備など少子化対策に全力をあげる必要がある。

今後予想される人口増加率の動向

おじいさんと赤ちゃんのふれあい写真

Photo by Johnny Cohen On Unsplash

2022年11月時点で世界の人口が80億人に達した。国連は、今後2050年までに人口が大幅に増加する国として、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ共和国、エチオピア、エジプト、フィリピン、タンザニアの8か国を挙げている。 

人口増加の背景となっている平均寿命の伸び、世界の衛生状況の改善や乳幼児死亡率の低下などを歓迎するいっぽうで、急速な人口の増加や高い出生率により、教育や雇用が追いつかず、格差の拡大が大きな問題となっている。貧困や飢餓が深刻さを増している国もある。 

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人口の増減に基づき、格差や不平等の解消が重要

各国間の人口面における差異は、経済水準に影響する。高い出生率が続き、人口が急速に増えている最貧国について、国連の経済社会局は、子どもたちへの教育が追いつかず、社会の発展を妨げるおそれがあるとしている。

日本のように人口の増加が見込めない国は、少子高齢化などに備える必要があるが、人口が急速に増加している国では、若者の教育や就労機会の確保が必要だ。

保健、教育、ジェンダー平等の推進など、SDGs(持続可能な開発目標)の達成は、人口増加率をより安定したレベルに移行させることが可能になるとして、あらためて格差や不平等の解消が重要な課題となっている。

※掲載している情報は、2023年5月24日時点のものです。

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