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G7とは、日本、アメリカなど主要7か国の首脳が参加する国際会議。2023年は広島で5月19日から開催され、日本は議長国となる。ここで議論されるテーマのなかで、注目したいウクライナ問題、気候変動とエネルギー問題、食料問題、ジェンダー平等などについて、わかりやすく解説する。
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エレミニスト編集部
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G7とは、「Group of Seven」の略で、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7か国とEU(欧州連合)が参加する枠組み。G7サミットは、これらの国の首脳が集まって毎年開催する国際会議のこと。
2023年の会議は、5月19日から21日まで広島県で開催される。日本は議長国となり、日本での開催は今回が7回目となる。
日本が議長国となった2023年のG7で、岸田首相が開催地として選んだのが広島だった。ロシアがウクライナへの侵攻をつづけるなか、被爆地である広島で開催することには、平和を強く訴える思いが込められている。
G7で意見交換が行われるテーマは、世界経済、地域情勢、地球環境、人権など、さまざま。そのなかで、2023年の広島サミットで注目されるテーマを紹介しよう。
ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、核兵器使用の懸念が高まっている。そのようななか、「核兵器のない世界」という理想にむけて、メッセージを発信することが期待される。またG7が広島の地で行われることで、平和への強いメッセージを世界へ発信することになる。
ウクライナ侵攻により世界で起きているエネルギ―危機。また気候変動も進むなか、再生可能エネルギーを中心とした政策を世界に向けてこれまで以上に推進していく必要がある。とくに日本は、G7の他の国に比べて、再生可能エネルギー政策への取り組みが遅れをとっている。議長国である日本が、このサミットを機に、大きく舵を切ることが求められる。
なお、グリーンピースでは、日本政府に向けて、化石燃料由来のエネルギーに頼っている現状から再生可能エネルギーに移行するエネルギー政策を求めて署名活動を行っている。
日本にいる私たちにはあまり実感がないかもしれないが、世界では食料危機が起き、新型コロナをきっかけに食料へのアクセスが難しい人が増えている。そのような食料問題に対応することが急務だ。
SDGsの目標5に掲げられているジェンダー平等も、今回のG7で取り上げられるテーマとみられている。日本以外のG7の国々は、ジェンダーギャップ指数ランキングで上位70位以内に入っているが、日本は116位(2022年)とG7で最下位だ。議長国である日本が、ジェンダー平等の面でも大きく転換する方針を示す機会かもしれない。
このほか、グローバルサウスと呼ばれる途上国と新興国との連携、食料問題、AI(人工知能)など、テーマは目白押し。世界の政治や経済をリードするG7が一致団結して、世界へ新たな決意を示していくことが求められている。このG7の動向に注目してはどうだろう。
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