限られた土地をどう有効活用するかーー。国土面積に対する人口密度が高いオランダならではの斬新な建築物が誕生しそうだ。過日、同国の建築スタジオ「GOLDSMITH(ゴールドスミス)」が、水上養鶏場のデザイン案を公開した。建物全体に「循環」の仕組みを取り入れたという注目の施設の概要とは?
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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九州と同程度の面積に約1740万人の人々が暮らすオランダ。人口密度はEU加盟国のなかでもっとも高い。また「海抜ゼロメートルの国」としても知られており、近年では海面上昇の危機にさらされている。
限られた土地を有効活用するための都市開発や、地球温暖化による海水面上昇などの課題に対し、ロッテルダムの建築スタジオ「GOLDSMITH(ゴールドスミス)」が目をつけたのは“水上”だった。
2015年に「Floating Farm(水上農場)」プロジェクトをスタート。昨年、世界初の水上牧場「Floating Farm Dairy」がベールを脱いだ。埋立地をつくることなく都市開発を行った事例として、世界から大きな注目を浴びた。
そして現在、「GOLDSMITH」ではプロジェクトの第二弾が進行中だ。水上養鶏場と農園の機能をもつ「Floating Farm Poultry」という施設をつくり出そうとしている。
「Floating Farm Poultry」は階ごとに異なる機能を持つ予定だ。
上階では7,000羽以上のめんどりを飼育する予定で、ロッテルダムに暮らす人々との交流をはかるための工場見学も定期的に行うなど、オープンな施設になるという。
中階には卵を処理する施設が導入され、下階ではLEDを使った水耕栽培を行う。
そして、すべてのフロアで「循環」の仕組みを取り入れている。たとえば水耕栽培をおこなう下階では、階全体を一定の温度に保ち、暖かく湿った空気を常に利用する。めんどりの糞尿は肥料としても使われる予定だ。
こうすることで環境負荷を抑えられると発表している点も注目したい。
「GOLDSMITH」が建設しようとしている「Floating Farm Poultry」は、地産地消を実現できる施設としても注目を浴びるはずだ。
環境への影響に関しては諸説あるが、確実にいえるのは、フードマイレージは小さくなるということだ。これは雇用を生む可能性もある。
日本ではまだまだ知られていない水上施設だが、「Floating Farm Dairy」と「Floating Farm Poultry」は、たくさんの人に恩恵を与えることになるだろう。
参照元/GOLDSMITH
https://goldsmith.company/
文・小嶋正太郎/編集・ELEMINIST編集部
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