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ドイツ・ベルリン市で、10〜12月までの3カ月間、市内の一部区間で乗り放題となる交通チケットが販売されている。2022年夏に販売され、ドイツ全土で乗り放題となった9ユーロチケットの後継であり、燃料費・生活費の高騰や気候変動政策の一環である。
岡島真琴|Makoto Okajima
編集者・ライター・キュレーター
ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。編集者・ライター・キュレーターとして活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRE…
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燃料費・生活費の高騰による市民の負担軽減を目的に、2022年6〜8月の期間、9ユーロ(当時のレートで約1200円)でドイツ全土の公共交通機関を乗り放題で利用できた「9ユーロチケット」。この後継として、ドイツ・ベルリン市は、月額29ユーロの市内乗り放題交通チケットを導入した。
期間は2022年10〜12月までの3カ月間。ひと月あたり29ユーロ(約4100円)でバス、トラム、近郊列車(Sバーン)を、主要観光スポットが集まるベルリン市内のA・B区間で利用できる。ベルリン郊外のC区間およびブランデンブルク州では使用できない。チケットは月単位で購入できず、3カ月間の定期として販売されている。
2022年6〜8月の夏休み期間に販売された「9ユーロチケット」は、大変好評の結果に終わったという。依然としてインフレやエネルギー危機にあえぐドイツでは、連邦政府が2023年1月からドイツ全土で共通で使える月額49〜69ユーロ(約7000~1万円)の交通チケットの導入を目指して議論を重ねている。
ベルリン市では、全国共通チケットが販売されるまでの一時的な解決策として、今回の29ユーロチケットの販売を開始した。
ベルリンのフランツィスカ・ギファイ市長は「ベルリン市は、市民のための具体的な救済、より積極的な気候保護、近代的なモビリティー、社会参画といった要素をどのように結びつけられるか示したい」と述べ、このチケットによって何十万人もの人々が恩恵を受けられると強調した。
ベルリン交通局(BVG)の発表によると、発売を開始した9月最終週の時点で、すでに3万枚のチケットを販売した。なお、オンラインシステムでの販売も行っている。
ドイツの成功例を参考に、気候変動対策の一環として、安価な定額料金で公共交通機関の利用を促進する動きがさらに各国で出てくるかもしれない。
※参考
29-euro monthly ticket for Berlin until the end of 2022|Berlin.de
Berlin's 29-Euro-Ticket: Approval and Criticism|The Berlin Spectator
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