読者59人のリアルな声をもとに、座談会を実施 私たちが本当にほしいサステナブルなアイテムとは?

サステナブルという言葉や考え方がどんどん身近になってきたいま、どんなアイテムが求められているのか?そんな疑問から、ELEMINIST読者にアンケートを実施。日常に取り入れているアイテムや実践していること、サステナビリティに対する想いについて聞いてみた。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2022.09.14
Promotion: 豊島株式会社

「私のサステナブルな生活」 ELEMINIST読者のリアルな声

あなたにとって、「サステナブルな生活」とは何だろう?

グローバルな原料手配から最終製品の企画・生産管理・納品まで、ファッション産業のサプライチェーンを総合的に展開するライフスタイル提案商社「豊島株式会社」とELEMINISTが、サステナブルな生活にまつわる調査を行った。"ELEMINIST Followers"50人以上を対象にオンラインアンケートを実施。さらに、アンケートに答えてくれたFollowersのなかから4人を座談会に招待し、サステナブルな生活を実践する際の意識や行動を深掘りした。
ELEMINIST Followers とは・・・ サステナビリティ・エシカルな暮らしやトレンドに関して感度が高く、日々エシカルなアクションを実践している、ELEMINISTをフォローしてくださる読者からなるコミュニティ。

すでに自分にとっての「サステナブル」な生活の指針を確立している人にも、サステナブルな生活になかなか踏み込めずにいる人にも、ELEMINIST Followersのリアルな声は参考になるのではないだろうか。

読者59人にアンケートを実施 「サステナブル」な生活にまつわる意識調査

ここではELEMINIST Followers59人から得られたアンケート結果を紹介。

サステナビリティ感度の高い人たちは、ふだん、どんなことを思い、行動しているのだろう?年代も居住地も異なる幅広い層から寄せられた回答には、きっと共感できるものもあるはずだ。

Q.「サステナビリティ」と聞いて思い浮かぶものは何ですか?

サステナビリティと聞いて思い浮かぶもの グラフ

全体の93%が「環境汚染」と回答。「気候変動による温暖化や異常気象」が86%、「食品ロス問題」が71%、「生物多様性の喪失」が56%という結果に。

そのほか、多い順に「動物福祉」、「大規模自然災害」、「貧困問題」、「ジェンダー不平等・男女格差問題」「国や人種間の格差・差別」が続いた。

Q.現在、愛用しているサステナブルなアイテムはありますか?

蜜蝋ラップ

「エコラップ、蜜蝋ラップ」をはじめ、「タンブラー」や「スタッシャー」、「エコバッグ」などの家庭用品、日用品を愛用している人が多く見られた。

ほかにも、「フェアトレードの洋服」、「漁港の網でできたスポンジ」、「ヨットのセイルをアップサイクルしたエコバッグ」、「リサイクル素材のスニーカー」、「発泡スチロールや伐採竹をリサイクルした植木鉢」などの具体的な回答も寄せられた。

Q.サステナブルな素材でつくりたいライフスタイルアイテムはありますか?

ファッション用品

幅広い回答のなかでも、もっとも多かったのは「ファッション用品」だった。次いで、「洗剤」や「掃除用品(スポンジ、雑巾、掃除スプレー)」などの日用消耗品。

具体的には、以下のような回答が挙げられた。

“アップサイクルに興味があり、タイに長期滞在しているのでバナナの皮からレザーにして小物ケースなどをつくれないか考え中です”(30代 自営業)

“vegan対応で容器もサーキュラーな洗剤”(40代 自営業)

“羽毛などを使わず、合繊でもないダウンの代わりになる中綿アウター”(20代 会社員)

Q.ご自身のサステナブルな取り組みについて教えてください。

サステナブルな取り組み グラフ

半数以上の人が「マイボトル」を利用しているという結果に。次いで「エコバッグの利用」や「プラスチックフリー」、「必要なものを必要な分だけ買う」という回答が多かった。

なかには、以下のような詳細な回答も。

“フードロスを意識して見切り品から夜ご飯をつくるようにしたり、食べにくい部位はミキサーでジュースにしてワンちゃんのエサに使用したり、できるだけごみを出さない暮らしを心がけています”(30代 自営業)

“何かを購入する時は商品のストーリーを見て買うようにしています”(30代 その他)

ほかにも、「自宅の電力切り替え」、「量り売りの利用」、「定期的なビーチクリーンへの参加」など、個人でできるアクションとしてさまざまな具体的回答が得られた。

Q.ご自身の周囲で環境に対する配慮の意識は高まっていると思いますか?

周囲の環境意識 グラフ

「ややそう思う」が54%でもっとも多かった。次いで「どちらとも言えない」が20%、「とてもそう思う」が17%という結果に。「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した人もいた。

Q.サステナブルなこと・ものに関心のない層に、興味を持ってもらうために実践していることは何ですか?

実践していること グラフ

「SNSやブログで発信する・シェアする」や「自分の活動や体験を伝える」などの情報発信に関わる回答が多かったが、発信の仕方に工夫をしているようだ。「プレゼントする」という回答も多く、「サステナブルな行動をし続ける」、「楽しい!という気持ちを発信する」など、他者と比べるのではなく「自分自身のポジティブな気持ちや行動」をシェアする、といった回答も複数あった。

具体的な回答は以下。

“あえてサステナビリティを出さずに、おいしいやおもしろいをきっかけにしてもらう”(40代 自営業)

“ときどきサステナブルな考え方やアイテムなどをSNSなどでポップに発信しています”(30代 会社員)

“サステナブル・エコ・エシカルなアイテムをプレゼントする”(20代 会社員)

Q.企業に期待するサステナビリティとは何ですか?

企業に期待するサステナビリティ グラフ

「本質を意識した取り組み」「CSR活動・企業宣伝が目的になっていない」といった、透明性や企業姿勢への誠実性に関する回答が多かった。ほかにも、「商品自体の魅力」や「社内環境の整備」など、理念・ビジョンから具体的な取り組みまで幅広い回答が得られた。

“グリーンウォッシュでなく企業がプロダクトを愛していて、ストーリーがあり、それにサステナブルな要素が加わって丁寧かつ地球にもやさしくつくられていること。サステナブルを優先しすぎて魅力に欠ける商品は結局買わない”(30代 会社員)

“なかには「エシカル」や「サステナブル」といった言葉だけを使っていたり、SDGsだけを提示している企業もあると聞いたことがあるため、本質的に取り組んでいることがわかる企業には、とても関心を持ちます”(20代 学生)

読者4人に深掘る「いま、ほしいサステナブルなアイテム」とは?

オンライン座談会の様子

座談会には、オンラインアンケートの回答者のなかから、ファッションや素材について具体的な意見を挙げてくれたあずみさん、奈々さん、YUKARIさん、ちぇるさん(※順不同)の4人を招待。暮らし方やバックボーン、趣味嗜好が異なる4人が、現在愛用しているアイテムの共有を行い、「いま、ほしいサステナブルなアイテムとは」をテーマに意見を出し合った。

4人が「サステナブル」な生活に関心を持った理由

すでに「サステナブル」な生活を実践している4人は、何がきっかけでサステナブルなこと・ものに関心を持ったのだろう。まずはそれぞれの背景から紹介する。

あずみさん:生まれながらに持病があり、ご家族にも喘息やアレルギーなどの症状があった。その影響で食事に気を配るようしてくれたお母様の影響で、食事からはじまり、ひいては環境問題に興味を持ち、ヴィーガンに。また、20年間アパレル関連の仕事に従事。廃棄の問題を目の当たりにしていることもあり、ファッションにおいてもサステナブルな視点で向き合っている。

奈々さん:海のそばに住みはじめたのがきっかけ。海は毎日表情が違い、ある日はマイクロプラスチックが浜辺に打ちあがり、別の日は魚が死んでいたり、重油で海面が赤くなっていたり。もともとオーガニックや無添加にこだわるような家庭で育っているが、海をはじめ、いまの環境を目の当たりにしてさらに意識するようになった。

YUKARIさん:お母様が家庭菜園やお菓子づくりを行っていることから自然とエシカルに興味を持った。大学生の頃に出会った方の影響でファッション業界の課題を知り、大学ではエシカルファッションを研究。勉強していくうちに、知識が広まってイベントを開催したりSNSで発信したりするように。現在も日々サステナビリティについて学んでいる。

ちぇるさん:前職で客室乗務員として働いていたときに休職を経験。それから「自分にとっての豊かさとは何だろう」と考えるように。現職で、「ものの背景を知って購入する」ことや「購入して応援する」という考え方があることを知り、その価値観に共感。エシカルなことを、説教くさくなく伝えたいという想いからSNSを通して等身大の声を発信している。

4人に共通する思いは、それぞれの方法で「楽しんで」実践していること

Enjoy Lifestyle

座談会では、「いま、ほしいサステナブルなアイテムとは?」という問いに以下のような声が挙がった。

“かわいい・おしゃれなものであることが重要だと思う。かつ、エコな商品であってほしい”

“折りたたみタンブラーを持っていくと値引きしてくれるコーヒー屋さんもあっていい”

“昔から古着とかヴィンテージショップを巡ることが好き。新しいものを買うのではなく、誰かが着ていたものを受け継いで着ることが心地いい”

“雇用支援できる商品を買ってInstagramでアップしたらエシカルなことに精通していない友人たちからも「かわいい」「ほしい」などの連絡がきた”

愛用品に対する想いやこだわりは4人それぞれで異なる点も多く、日常への取り入れ方も各人各様だ。例えば、4人のサステナブルな生活を実践する際の意識や行動に対する考え方をひもとくと、大きく2つの考え方が見てとれた。

・「トレーサビリティを重要視したい」など、自分自身の判断基準を持って生活の中でサステナブルなもの・ことを実践をしていく考え方

・自分の「好き」が詰まったアイテムを通して、サステナブルな考えや選択肢を周囲にシェアし巻き込んでいく考え方


いずれにも共通していえるのは、なにより各々が「楽しんでいること」。その「楽しい」という空気感を押し付けることなく、自分の声として表現すること。そうした声が自然と周囲へ影響の輪を広げていっている様子がとても印象的だった。アイテムベースで突き詰めると、自分が楽しみ、周りにも興味を持ってもらえるという点での共通項は、おしゃれでかつ、機能性にも優れているということ。

上述のように違いはありつつも、座談会の終着点ともなる「いま、ほしいサステナブルなアイテム」というテーマにおいては、全員の意見が本質的な部分でつながっていた。

「いま、ほしいサステナブルなアイテム」とは「企業の具体的な意思表示」が見える商品

サステナビリティやエコ、エシカルやSDGsといった言葉や考え方がどんどん身近になり、そういった方向性での商品が増えてきたからこそ、表面的な部分だけが一人歩きするのは本末転倒だ。ELEMINIST Followersからも、下記のような声が集まった。

”最近はサステナビリティを謳うブランドが増えていて、「どれを信頼すればいいの?」と思う。詳しい人も、そうでない人も、誰でも納得して買える情報を示してもらえると買いやすいし、応援もできる”

”「どんな素材が何%使われているか」「何年までにどうしていくか」を明確にしてくれている企業に安心する。完璧は無理だと思うので、今と今後をきちんと提示してほしい"

このように「サステナビリティ」を謳う商品が増え、選択肢の多い今だからこそ、「サステナビリティと謳っているのはどの部分か」「どこが足りていないか」を理解したいという本質的な声が集まった。100%完璧な商品をつくることは難しい。それでも、一つでも多く「よりよい選択をしたい」と願う生活者に向けて、企業として「どう未来へつなげていくか」といった情報をどれだけ明確に示しているかが、本当にほしいアイテムかそうでないかの判断材料になるということ。「アイテム」という点で考えるのではなく、「企業の取り組む姿勢」「製品についての情報開示」という「面での取り組み」を製品から読み取れることを希望するという声は、日ごろからサステナブルなことやものと向き合う、ELEMINIST Followersならではの声ではないかと感じた。

“ほしいアイテムはライフスタイルによって人それぞれ。ただ、日常に取り入れるアイテムは生活者として納得できるものがいい”。これが、シンプルだが本質的な結論だ。まさに「買い物は投票」という意識をもった声が集まった。

あなたの本当にほしい「サステナブルなアイテム」は何ですか?

さまざまなサステナブルアイテム

本記事で紹介したELEMINIST Followersのリアルな声を読んだあと、あなたがほしいサステナブルなアイテムは・・・ということも是非考えてみてほしい。

ライフスタイルが違うと、取り入れ方や踏み込み方が違うのは当たり前。「これはよくてこれはダメ」という明確な基準があるわけでもない。だからこそ、「自分には何ができそうか」「自分にはどんなアイテムが合いそうか」を考えて、自分なりの軸を持つことからはじめてみてはどうだろう。

「買い物は投票」ともいわれる時代。本当にほしいサステナブルなアイテムを考えたとき、あなたにとって大切にしたいものが、見えてくるはずだ。

※掲載している情報は、2022年9月14日時点のものです。

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