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総務省が発表する日本人口年齢別データ(人口推計概算値)は、将来的な日本人口と経済の成長を予測する重要なデータである。人口の動きである人口動態は経済成長と直結しているだけではなく、政治的施策にも大きな影響を与える。最新の人口推計概算値をもとに、日本の人口動態について見てみよう。
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年齢別の人口分布からは深刻な少子高齢化がうかがえる。将来的には経済面でも大きな問題が起こり得るだろう。若年層の減少には、経済成長への不安がつきまとう。かつ、将来の高齢者が必要とする社会保障の充実や継続をあやうくしかねない。
国土交通省によると、日本の総人口は2030年に1億1,662万人、2060年には8,640万人になるとの試算がおこなわれている。大幅な人口減少予想には驚くばかりだ。
さらに同省では、生産年齢人口が2030年には6,773万人、2060年には4,418万人まで減少すると試算している。生産年齢人口とはいわゆる社会人、経済活動をおこなう人口層だ。試算が現実になれば深刻な経済停滞が起きることは想像にかたくない。
人口推移による少子高齢化は日本だけではなく、世界でも問題視されている。先進国も例外ではない。日本よりも早く危機に直面し、対策を打ち出した北欧諸国やフランスでは人口の増加が見られた。
また、アメリカ・イギリスなどでは高い出生率が維持され続けている。フレキシブルな雇用や民間の保育サービスの充実、男性の積極的な育児参加がその理由だと考えられる。(※4)
日本には日本の美点があり、少子高齢化問題や人口減少に対応する施策も打ち出されつつある。しかし問題解決にいたるにはいまだ社会的なシステムの構築が完全ではないと言える。人口減少による諸問題の発露は決して遠い未来の話ではない。より熱心な国側の対策と啓発が求められるだろう。
年齢別人口の調査結果からはさまざまな問題点が浮かび上がる。人口の増減は将来的な経済活動にかかわり、社会に大きな影響をもたらしかねない。
日本では第二次ベビーブーム以降の出生率減少にともなう人口減少が目立ちはじめている。問題を先送りにせず、次代に過度な重荷を背負わせないよう、国家としての対策が急務だと言えるだろう。
※1 人口推計 2021 年(令和3年)10月1日現在(25〜26ページ)|総務省
※2 第1部 少子化対策の現状と課題|内閣府
※3 人口推計 2021 年(令和3年)10月1日現在(17ページ目)|総務省
※4 第3章 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題|内閣府
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