海、地球への感謝をアクションであらわすReWaveのビーチクリーン

ReWaveのビーチクリーン

Photo by JPSA

ELEMINISTとプロサーファーが主体となっている海洋環境保全プロジェクト「ReWave」が、5月をごみゼロ月間として、ごみ拾いを実施。ELEMINISTは街でごみを拾い、ReWaveは海岸のごみ拾いを行なった。

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2022.06.20

日々接しているからこそ感じる海の危機

−あの日の最高の波、きれいな海を、未来にずっと残していくために。ReWaveは、そんなミッションを掲げている。サーファーが中心となっている彼らは、毎日のように海を訪れ、海に入りその現状に危機感を募らせている。原因はごみだ。海中、砂浜問わず、そこかしこにごみが落ちているという。環境への負荷が大きく、とくに問題視されているのは海洋プラスチックごみだ。世界では毎年800万tの海洋プラごみが生まれ、2050年には海のプラごみの量が魚の量を上回るという予測も出ている。

【ごみゼロ月間】海ごみの8割は街で生まれている 都市で出たごみが海に行きつくまで

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こうした現状を踏まえ、ReWaveでは大会開催時や日々の練習時など頻繁にビーチクリーン活動を行っている。大会では毎回、大会関係者だけでなく選手、観客などが一丸となってごみを拾っている。ふだんから積極的にビーチクリーンを行なっているプロサーファーの2人に話を聞いた。

ビーチクリーンをするプロサーファー都築 虹帆選手

「海に行くたびにペットボトルのごみが本当に多いと感じています。台風の後などにビーチクリーンをすると、海外からもペットボトルのごみがたくさん押し寄せてくることもあり、なんとかできないか、とそのたびに思っていました。たとえば、マイボトルをたくさんの人が持つようになれば、ペットボトルをはじめ、海のごみを確実に減らすことができると思います。少しずつかもしれないけれど、できることから心がけています」プロサーファー 都築 虹帆選手

ビーチクリーンをするプロサーファー田岡なつみ選手

Photo by JPSA

「ごみを見つけたら拾うということを習慣にしようと思っています。結構、わたしが拾っているのをみて、仲間も一緒に拾ってくれたりして、この輪がどんどん広がっていけばいいな、とすごく思います。ごみ拾いを一時的なものではなく定期的なイベントとして続けていきたいです。わたしも街のごみ拾いにも参加してみたいですし、街にいる人たちもビーチに来ていただいてみんなで一緒にごみ拾いができたらいいなと思います」プロサーファー 田岡なつみ選手

日頃から海に入り、海と接している彼らは、ごみによる海の危機を感じている。こうした現状を再認識しつつ、ReWaveとしてはいかにこれらのごみを減らす取り組みができるかを考え始め、動き始めている。そのひとつがビーチクリーンだ。この記事では、5月に行われた2つのビーチクリーンをレポートする。

海で「ひとつひとつ、できることから」ビーチクリーンレポート@千葉県・千倉海岸

2022年5月19日、ReWaveはJPSA主催の『JPSA2022 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ロングボード第2戦』にて、会場となった千葉県千倉海岸のビーチクリーン活動を実施した。

ビーチクリーン千葉・千倉海岸

Photo by JPSA

サーファーも、スタッフも、応援の方も、みんなが願う美しい浜辺

半袖でいると、すぐに日焼けしてしまうほどの快晴と暑さの中、女子ファイナルが始まる前の午後2時20分からビーチクリーンが始まった。ファイナル出場予定の選手も積極的に参加をしてくれ、40名近い参加者となった。

今回のビーチクリーンに参加してくれたのは、この日のファイナルを直前に控えていた吉川広夏選手、井上楓選手、井上桜選手、大村結衣選手の4名に加え、応援に駆けつけてくれた方々、スタッフの方々。限られた時間ではありながらも、ReWaveプロジェクトの声かけから積極的に参加をしてくれた。

ビーチクリーン千葉・千倉海岸

Photo by JPSA

ReWaveプロジェクトでは、環境に配慮をしてオリジナルの麻袋を用いたビーチクリーンを実施している

海に流れ着く都市のごみの数々

今回のビーチクリーンで目についたのは、街から流れ着くごみの数々。会場となった千倉海岸は、川尻川河口に面している。街を流れる川尻川を経て、千倉海岸にはいくつものごみが流れ着いていた。

とくに、これらのごみは流木に混じってまとまって流れ着いているものが多かった。おそらく、雨や台風などの際に街に落ちているごみが川へ流れ、それが河口部までたどり着いているのだろう。

川尻川河口付近

Photo by JPSA

千倉海岸にそそぐ川尻川河口付近。流木とごみがからまって浮いているのが見える。

ビーチクリーンでのごみ

Photo by JPSA

スーパーで生鮮食品のパッケージに使われているトレイ

ビーチクリーンでのごみ

Photo by JPSA

弁当の容器や、牛乳パックも落ちていた

ビーチクリーンでの街のごみ

Photo by JPSA

この日集まったごみは、70Lの袋2つ分程。卵のパックのごみや栄養ドリンクの瓶、入浴剤の缶など、街から流れ着いたと思われるごみが多くある

最初、参加者からは「海、わりときれいだね」「思ったよりごみが少ない」というような声が聞こえていた。今回の千倉海岸のような、いわゆる“サーフスポット”と呼ばれる海岸よりも、ふだんあまり行く人がいない海岸のほうが、ごみが集まっているのではないか、という声もある。それでも蓋を開けるとこれほどの量のごみが集まっているのだ。

ごみを拾うという行為自体は小さな活動かもしれないが、海や海岸の現状をみると、その必要性をあらためて確認するビーチクリーンとなった。

ビーチクリーン千葉・千倉海岸

Photo by JPSA

千倉海岸でのビーチクリーン参加者のみなさん

「大きいごみより小さいごみ」ビーチクリーンレポート@千葉県・太東海岸

5月30日のごみ拾い会場は千葉県いすみ市太東海岸。プロサーファー、地元サーファーら十数名とJPSA、ReWaveスタッフの合計20名ほどでビーチクリーンを実施。夏日で天気がよく、気持ちのよいビーチクリーンとなった。

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

劣化し拾えなくなってしまった小さなごみ

サーフスポットは定期的にビーチクリーンがされていることが多く、太東海岸も、ちょうど前日に地元の別団体がビーチクリーンを実施していた。パッと見はごみが落ちていない美しいビーチのように見えるが、実際にビーチクリーンをしてみると大量なごみが出てくる。

砂に埋もれて気づかれないごみもあり、ごみは砂を掘れば掘るほど出てくる。大きなごみは目につきやすく、それだけビーチの景観にもなじまず、 処分しなくてはという気持ちも大きくなる。 また大きなごみを見つけ処分することで目に見える「成果」も 大きくなるし、それはそのまま達成感につながる。 しかし、実は本当に拾わなくてはいけないのは、 小さなごみのほうかもしれない。

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

劣化してボロボロになった黒いビニール袋が砂に埋まっていた

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

透明のビニール袋は砂に埋もれると同色化してしまい見つけにくい

海につながる河口近くには、街から排出されたプラスチックの残骸が大量に蓄積している。 直射日光を浴びて、つかむだけでボロボロにくずれるコンビニ袋の残骸。 ボトルのキャップ。工業製品のプラスチックのかけら。 本来の形状はかろうじて残ってはいても、砂浜に溶け込んでしまっている。ごみの周囲を少し掘り起こすと 新たなプラスチックの破片が次々と顔をだすことも多い。

それ以上に小さいごみもある。  もはや形状では「ごみ」とは見分けがつかず、貝殻片かと思えるものも工業製品特有の色を手がかりに拾ってみると、それらがプラスチックの欠片であることがようやくわかる。たとえばSim Cardよりもさらに極小で、よく気をつけてみないと 見つからない。仮に肉眼で認識はしても、明確にごみとは思わず、 結果として見落としてしまいそうだ。 

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

砂つぶをよく見てみると、赤や青のカラフルなものが混じっている。劣化して割れたプラスチックの欠片

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

捨てられた漁網やロープを放置しておくと、いろいろなごみを巻き込んでしまう

しかしながら、自然環境により深刻な影響を与えるのは、そうした小さなごみである。やがてマイクロプラスチックとなり豊かな生態系を破壊していく可能性があるからだ。
   
問題はこうした見えにくくなっているプラスチックの残骸が、すでにどれほどの量をもって海を埋め尽くしているかが、 明確には測定できず、わからないことだ。 わからないことのほうが、わかることより、はるかに恐ろしい。 小さいごみは、そのことを静かに教えているようだ。

ビーチクリーン千葉県・太東海岸

Photo by JPSA

太東海岸でのビーチクリーン参加者のみなさん

ReWaveとしてはいかにこれらのごみを減らす取り組みができるかを考え、動き始めている。
ごみ拾いだけでなく、地球環境に配慮した暮らしの方法や、そもそもごみ自体を減らす取り組みなど、今後さらに活動を広めていき、未来の綺麗な海の実現に向けた歩みを進めていく。

※掲載している情報は、2022年6月20日時点のものです。

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