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イギリスのブーツ・革靴ブランド「ドクターマーチン」が、オンライン再販サイトのDepopとの提携で、修理・再販市場へ参入することを発表した。同社CEOは、10年後には中古ブーツや修理した靴が売上の最大15%を占める可能性があると述べている。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
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ドイツ人のクラウス・マルテンス博士によって、1960年にイギリスで誕生した老舗靴ブランド「Dr.Martens(ドクターマーチン)」。最近は元来のワークブーツとしての域を超えて、音楽やアート、ストリートファッションなどのサブカルチャーのアイコン的存在となっている。
そんなドクターマーチンが、イギリスでの修理・再販のサービス「ReSouled計画」について発表した。
同社は、ロンドンを拠点とするオンライン再販サイトのDepopと提携。ドクターマーチンの中古の靴を研磨し、新しい靴紐やヒールループ、インソールを付けて、新品の約80%の価格で再販するという。
ドクターマーチンの革靴は、快適な履き心地がありながら、耐久性や耐水性にも優れた構造で、通気性も高い。ソールの交換・修理をすれば一生履ける代物だ。クッション性と柔軟性を兼ねたエアクッションソールを採用するため、弾むような履き心地にも定評がある。
そのため、同社のケニー・ウィルソンCEOは「当社の靴は7〜8年間履いた後でも、譲ってほしいと言う人がいる程すばらしい品質だ。新品を好む人も多いが、修理された物を購入したい人もあらゆる世代に存在する」と語っている。
ウィルソンCEOは、将来的な消費者のショッピング方法は、修理や再販市場が中心となると見込んでおり、再販は長期的なビジネス戦略を語る上でも重要とみなしているという。
イギリスでは、定番商品のホールブーツ1460(8ホール)を10ポンド値上げして159ポンド(約26,000円)に価格改定したばかりだ。価格の低い再販商品は、消費者により魅力的に映る可能性がある。
現在のアパレル業界では、高級ブランドも含めて持続可能性への移行がトレンドだ。
Business of Fashionのレポートによると、世界の再販市場規模は現在の270億ドル(約3.5兆円)。これが2025年までに、570億ドル(約7.4兆円)に成長すると予測されている。オンラインリセールのThredUpは、今後5年間で再販市場が衣料品全体の11倍の速さで成長すると予測している。
サステナビリティの気運の高まりとともに、「古着を売却して得たお金で、新しい服を買う」というショッピングスタイルが、広く消費者の間で浸透してきている。アパレルやシューズブランドが次々と再販サービスを開始しており、今後は再販市場への参入なしではブランドの成長は目指せないようになるだろう。
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