productの空き容器もアップサイクル ELEMINIST厳選のエシカルアイテム(後編)

6月3日、オーガニックブランド「product」のInstagramにてライブ配信番組「productと一緒にエシカルを学ぼう! vol.2」が放送された。初回同様ゲストは編集長 深本南。「product」の広報 諏訪沙緒里さんの進行のもとエシカルな生活を送るヒントを深掘りした。

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2020.06.11
Promotion: 株式会社KOKOBUY
prodcuct

5月27日からスタートしたライブ配信番組「productと一緒にエシカルを学ぼう!」の第2回目が、6月3日に放送された。 初回の放送では、深本がエシカルに芽生えたきっかけや気候変動の深刻さ、すぐに実践できる環境に配慮した行動などを披露。

今回は「Enjoy Lifestyle, Ethical and Minimal」をテーマに、エシカルな生活に役立つアイテムや活用アイデアを紹介した。進行を務めたproduct広報の諏訪沙緒里さんが紹介するアップサイクルアイデアにも注目だ。

これからの新常識 洗って何回も使えるエコラップ

初回の番組中には、視聴者から「どこでアイテムを買うことができますか?」や「お店の名前はなんですか?」などのコメントが数多く寄せられた。

それを踏まえて深本は、社会問題の解決につながるアイテムをライフスタイル別に選定した。

「家にいる時間が増えて、ごみの量が多くなったという人もいるかと思います。家庭ごみを減らすことで、ごみ収集車が回収にくる回数や運送にかかる二酸化炭素の排出量も減らせます。まずは地球温暖化の抑制に貢献できるキッチングッズから紹介します。

すぐに日常に取り入れられるのは、天然素材の繰り返し使えるエコラップです。食品用ラップフィルムの代替品として注目されています。コットン生地に蜜蝋などをコーティングしているので、蜜蝋ラップとも言われていますね。

カットされた野菜やフルーツ、食べ残しのあるプレートにも使えます。リペアすれば3年以上使えますし、ボロボロになったら土に還すこともできるんですよ」

深本がピックアップしたのは以下の4商品だ。

テスト

左からabeego、acowrap、KoKeBee、Patagonia Provisionsのみつろうラップ

「全国で手に入りやすいのは『abeego』。パリ発のオーガニックスーパーのビオセボンや、『Borderless Creations』の通販サイトから購入できます。バゲットなど、用途別でサイズのバリエーションが豊富なのが特徴です。

国産にこだわった『acowrap』は、オーガニックコットンに天然染色、お野菜やお皿の形に合わせた丸いカットが特徴です。公式サイトから購入できます。

オーストラリア在住の日本人女性経営者が“プラスチックのない世界”をミッションに掲げてつくったのが『KoKeBee』です。DIYキットがあるので、お子さんとつくってみると愛着が湧くと思います。

最後はハワイ土産に買ってきてもらった『Patagonia Provisions』。残念ながら日本未入荷*なので、海外にいく方にリクエストしてみてください」
* 2020年6月時点

スーパーのお買い物に必要なのは「プロデュース・バッグ」

「日本のプラスチック消費量はアメリカに次ぐ第2位です。プラスチックごみの約84%をリサイクルしていると言われているのですが、その内60%ほどがサーマルリサイクルによるもの。ごみを燃やして発生した熱を使って発電する方法で、温水プールにも利用されています。実はエシカル先進国では、リサイクルだとはみなされていない方法なんです。

残りの約20%が、ごみを新たな素材に生まれ変わらせるマテリアルリサイクル。でも、そのほとんどがアジア諸国に送られて、処理されないまま野外に山積みになっているんです。日本はごみ処理を他国に押し付けているとも言えます」

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メッシュ素材のプロデュース・バッグ 2,800円(3点セット)FRUSACK/Borderless Creations


だからこそプラスチック袋の使用を抑える必要がある。日本ではあまり浸透していませんが、これから注目されること間違いなしのプロデュース・バッグを紹介しましょう。

スーパーの野菜・フルーツコーナーや袋詰め作業台にあるロール式ポリ袋の代替品として活用できますよ。オーガニックコットン素材が定番ですが、『FRUSACK』なら野菜やフルーツを入れたまま水洗いできるのでおすすめです」

番組内では、「野田琺瑯」「stasher」の保存容器も紹介。プラスチックフリー生活の実現に役立つアイデアを伝えた。

買うと森林資源の保全につながる野生コーヒー

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(左)エチオピア ベレテゲラのコーヒーミディアムロースト豆(500g) 2,600円/MANGOROBE (右)フェアトレードコーヒー・レギュラー・豆・有機ペルー(200g)920円/People Tree

「コーヒー発祥の地と言われているエチオピア南西に広がるベレテ・ゲラの森。人口増加や農地化が進み、森林の面積が小さくなっています。これ以上森林伐採が続いてしまうと、多様性豊かな動植物の住処も失われることになってしまうんです」

深本がピックアップしたのは、アフリカ中から厳選したファッションアイテムやインテリアグッズ、食品を扱う雑貨店「MANGOROBE(マンゴロベ)」で購入できる「ベレテ・ゲラのコーヒー」。

手つかずの自然林で、農薬や化学肥料は使わずに、昔ながらの伝統農法でつくられた“野生コーヒー”だ。買うことで森林資源の保全にもつながる。コーヒー好きならフェアトレードがおこなわれているピープルツリーから購入してみるのもいいだろう。

スターバックスでもフェアトレードコーヒーを販売している。毎月20日を「Ethically Connecting Day ~エシカルなコーヒーの日~」としているが、メニューに載っていなくてもオーダーすれば注文が可能だ。

アニマルウェルフェアな「平飼いたまご」を買おう

テスト

平飼いしている養鶏場の新鮮でカラフルな有精卵のたまご

ここからは少し重たい話になるが、知っていて行動するのと知らないままでいることには大きな違いがある。生まれてから死ぬまでに最小限のストレスで畜産をする、アニマルウェルフェアについてだ。

「日本のアニマルウェルフェアは、世界でも最低ランクの推進度なのです。たとえば卵を産んでくれる鶏は、非常に狭い鶏舎での生活を強いられています。牛も放し飼いではなく、どこかにつながれている状態。全く身動きがとれないんです。

しっかりと動物のことを考えて放牧をしている農家さんもいるのですが、農林水産省によって放牧が規制されてしまう可能性が出てきてしまっています。せっかくアニマルウェルフェアが根づき始めているので、私たちが平飼いたまごや放牧ミルクなどを積極的に買って、その需要を増やすことで、いろんなスーパーでも買えるようにしていきたいですね」

深本は「安さには代償がある」と言う。いきなりヴィーガンになるのは難しいが、少しだけ自分の食生活を見直すきっかけになるのではないだろうか。、まずは理想の農業を実現している、サステナブルファーム&パーク「KURKKU FIELDS」をチェックしてみてほしい。

地球上で私たちが飲める水はストロー1滴分だけ

深本が次に選んだトピックは水だ。

「地球の70%は水に覆われています。そのなかで私たちが飲めるのは、本当にごくわずか。100個のコップがあるとしたら、飲めるのはたったの一滴のみです。それぐらい貴重なんです。だから、私はなるべく水を汚さないように心がけていますね。その心がけが、環境問題の抑制につながります」

すでにELEMINISTではエシカルな商品を多数紹介している。過去に取り上げたアイテムのなかから、バスルーム周りで使える3商品を紹介した。

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これひとつで300回洗濯できる令和時代の洗濯用品「MAGURIN」2,640円

「マグネシウムでできた洗剤『MAGURIN』は、これひとつで300回お洗濯が可能です。使い終わったマグネシウムの粒を庭に撒けば、肥料になるのでごみがでません。

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(左上)天然由来成分のハミガキ 1,800円/ Davids(右下)オーガニックバンブーの歯ブラシ 290円/MiYO-organic

天然由来成分を使用したホワイトニングハミガキ『Davids』は、アニマルテストもしていないのでおすすめです。チューブも専用ネジで巻いて無駄なく使い切れます。

オーガニックバンブーからできた歯ブラシ『MiYO-organic』は、日本ブランドで海外と比較してヘッドも日本人向けにコンパクトなので使いやすいですね。パッケージも竹紙でプラスチックフリーにこだわった作り手の温もりを感じます」

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ヘアワックス 42g 1,980円

最後は美容品について。大量生産と大量消費をよしとする企業が多いなか、諏訪さんがproductのこだわりを紹介してくれた。

「紹介したいのはヘアワックス。自然由来成分でできているので、髪につけたあと、手に残っているワックスはハンドクリームとしても使えます。

ブルガリア産のダマスクローズを使ったヘアワックスも発売しています。これは一年に一度、数量限定での販売です。生産がうまくいく年もあれば、不作になる年もあるので、年によっては販売しないこともあります。毎年、匂いや色が異なるので、天然素材そのものを楽しんでもらいたいですね」

空き瓶を使って楽しくアップサイクル

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諏訪さんは、ヘアワックスの空き瓶を再利用し、アクセサリー入れとして活用しているという。

「買い物をするときは、捨てるときのことまで考える。私はできるだけ瓶製品を買うようにしています。マテリアルリサイクルができますし、空き瓶は調味料や保存食入れとして再利用できたりと、いろんなリユース方法があります」

キャンドルにしたり、観葉植物を植えたり、アイデア次第でアップサイクルは簡単に実践できる。番組の最後には、ワークショップ形式で空き瓶の再利用法を披露した。

用意するものは、空き瓶と布の切れ端、輪ゴムだけ。ものの数分でつくれるアップサイクルアイデアだ。

テスト

空き瓶、お気に入りのコットン系布、輪ゴムで簡単におしゃれな瓶のできあがり

STEP1(写真右上)
お気に入りの布を蓋に巻いてみて、好きな柄の位置を選ぶ。

STEP2(写真左下)
瓶の蓋を裏返して輪ゴムで仮止めする。

STEP3(写真右下)
瓶を蓋してみて調整。布が長すぎたらカットすればOK。


「海洋と陸地の割合は7:3です。私たちはこの星を地球と呼んでいますが、“水球”のほうが呼び方としては正しいはず。もしかしたら私たちが陸上に住んでいるから、地球と名付けたのかもしれません。エシカルは、目に見えるものだけではなく、その裏側や、違う角度からみてみることが大事です」(深本)

product Instagramアカウント
https://www.instagram.com/theproduct.jp/

問い合わせ先
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文/小嶋正太郎、編集/山川俊行(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2020年6月11日時点のものです。

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