5月27日、オーガニックブランド「product」のInstagramにて、ライブ配信番組「productと一緒にエシカルを学ぼう!」がスタートした。初回のゲストは編集長 深本南。「product」の広報 諏訪沙緒里さんの進行のもと、エシカルな生活への第一歩などを語った。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
「product(ザ・プロダクト)」は、自然由来の原料のでつくられたオーガニックヘアケア商品とスキンケア商品を取り扱うブランドだ。髪や頭皮、肌にやさしい商品はどれも使い心地のよさを兼ね備えている。
5月27日、そんなproduct初の取り組みとして、同ブランドのInstagramアカウントで「productと一緒にエシカルを学ぼう!」というライブ配信番組がスタートした。
初回のゲストはELEMINIST編集長の深本南。product広報の諏訪沙緒里さん進行のもと、エシカルに芽生えたきっかけや気候変動の深刻さ、すぐに実践できる環境に配慮した行動など、さまざまなトピックについて語った。
リアルタイムでチェックしていた人はおさらいとして、見逃した人はエシカルな生活を送るガイドブックとして、このアフターレポートを読んでみてほしい。
「ELEMINIST(エレミニスト)」はサステナブルな暮らしをガイドするメディアとして、5月14日にローンチした。エレミニストとは、『エシカルでミニマルなライフスタイルを生きる人』を意味する造語だ。番組冒頭、深本自身がエシカルに芽生えたきっかけから、エレミニスト立ち上げまでの経緯を語る。
「誰にでも倫理的な心の種が芽吹く瞬間あると思うんです。小学4年生のころ、道徳の授業で地球環境の問題を学び、そのとき、私の心の種から芽が出ました。環境問題を解決したいと本気で思うようになった。学校行事の20歳の自分に向けたタイムカプセルの手紙には、『ちきゅうをみずをたいせつに使っていますか』と書いていましたね」
大学進学後は環境学や平和学を学びながら、何か行動を起こそうと思っていた時に、その後の人生を変える一枚の紙と出会う。
「『ASEED JAPAN』という環境NGO団体が、音楽フェスティバルでごみゼロナビゲーションという、環境対策活動のボランティア募集をしていて。その応募用紙を見つけたんです。
実際に参加してみると、ボランティアは学生を中心に、環境問題への関心が高いというよりは音楽好きの人が多く、彼らがライブ会場で大量に破棄される食べ物やごみがあることを知って、『もうポイ捨てや食べ残しするのをやめる』と宣言する人や、帰り道にごみ拾いをする姿をたくさん目にしました。これこそ、"エシカル"に芽生えるきっかけをつくれる仕組みだと感動して、自分の生きる道が決まりました。
そのあとすぐにボランティアで出会った仲間たちと環境団体を立ち上げるのですが、圧倒的な自分の力不足を痛感して、社会に出てからいろいろなスキルを磨き続けました。そして16年が経った。ほんとうに長かったです。でも、自ら茨の道を突き進んでいく中で、ようやく心の種に名前をつけることができました。それが『ELEMINIST』です」
続いて諏訪さんは、昨年の台風被害の話に触れながら、地球温暖化がどのぐらい進んでいるのか、深本に質問を投げかけた。
「私がエシカルに芽生えた小学生のころから約30年経っているのですが、人為的要因による地球温暖化はさらに加速しています。これを気候変動といいますが、わたしたちは“気候危機”と呼んでいます。
森林伐採や海洋汚染、生物の絶滅など、地球が抱えている問題はたくさんあります。そのなかでも、最優先に世界中で解決しなければいけないと言われているのが、気候変動なのです」
ここ数年、地球温暖化や気候変動を巡る世界の動きが活発化している。スウェーデンの環境活動家 グレタ・トゥーべリさんがはじめた「Fridays For Future」の活動の輪は、世界中に広がりを見せている。深本はこう続ける。
「地球温暖化の原因のひとつが、二酸化炭素を含む温室効果ガスです。その濃度を計測する単位をppmと言いますが、400ppmを超えると危険なラインといわれています。
それがつい最近、去年の11月に世界気象機関(WMO)の発表した内容によると、過去最高の407.8ppmになってしまったそうなのです。オーストラリアの森林火災など、もちろん自然発火ということもあるのですが、少なからず異常現象には気候変動が関係しているのです」
ここから深本の話はSDGsの話題へ。
「2015年にパリ郊外でCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が開催されました。世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度以内に戻す努力をすることなどが決まった。
そして同年の国連サミットで『SDGs』が採択されました。『Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)』の略で、気候変動に限らず、2030年までのアジェンダが決められています」
地球温暖化を止めるために、世界の国々が一致団結しようとしている。とはいえ私たちの暮らしにとって、環境問題は自分事化するのは難しい。深本はイメージをこう膨らませる。
「もしも地球に住んでいる全ての人が日本人と同じ暮らしをしたら、地球は何個必要だと思いますか? アメリカの場合は地球5個、中国の場合は2.2個。世界規模で考えると1.7個分が必要となります。答えは2.8個です。それだけ多くのエネルギーを消費してしまっているのです。
あと、NPOの『Global Footprint Network』が地球1個分のエネルギーを消費する日を『オーバーシュートデイ』として、国ごとに発表しています。日本は5月12日。すでに使い果たしてしまい、今は未来を奪っているのです。
日本の二酸化炭素排出量は世界5位というデータもあるので、私たちが地球温暖化を引き起こしているともいえるかもしれません」
出典)EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より
番組の途中にも、コメント欄には多くのコメントが寄せられた。諏訪さんはそのなかから、「私たちがにできることはあるんですか?」という質問をピックアップした。
「たくさんありますよ。その前にマイボトルやマイバッグを使う意味を改めて説明しますね。ビニール袋やペットボトルは石油由来の原料からできています。その製造の際に二酸化炭素を多く排出しているのです。これを抑える意味もあります。
太陽光発電や風力発電によるグリーンエネルギーを使うことも重要です。私たちの生活から排出される二酸化炭素の約48%が電気だといわれています。電気代の1%を支援したいNPOに寄付できる『ハチドリ電力』に切り替えて、グリーンエネルギーを使う手もありますよ。ウェブなら申し込みは5分で終わります。
あとはエシカル金融。銀行の預金は化石燃料の投資に使われていることもあるので、私はクリーンな銀行を使っています。すべてにおいて重要なのが温室効果ガスを抑えるということです」
深本は、さらに実生活に踏み込んで説明をする。
「歩いたり自転車に乗ったりすることも、温室効果ガスの抑制につながります。あとは食事も大切。運送の必要があまりない地産地消を心がけることも大切ですが、ヴィーガンの考えを取り入れるのも重要です。畜産業は、飼料の生産時に大量の二酸化炭素が排出されます。お肉を食べないだけでも自然を守る行為につながる可能性があるんです。
ドライシャンプー 115mL 1,500円
節水も心がけたいですね。productさんのドライシャンプーは、水を使わないで頭をスッキリ洗えるので魅力的です。私は災害用バッグにも入れてます。
あとは諏訪さんが教えてくれた、お風呂に入る前に髪の毛をブラッシングするだけで、頭皮の汚れが落ちるというのは、シャンプーで2度洗いする必要もなくなるので、エシカルなテクニックだなと思います。
スキャルプリバイタライザー 25ml 2,500円
スキャルプリバイタライザーもよかったです。タオルドライしてから、少量を頭皮になじませて指の腹でマッサージするだけで、頭の汚れが浮いてきますから。日常生活でエシカルなモノやコトは溢れているなと思いますよ」
私たちの置かれた環境に目を向け、地球の現状を正しく理解をすることが第一歩だ。日常生活で様々なことを学びながらアクションを起こしていけば、いつかエシカルの心の種が芽吹くだろう。
深本は「ELEMINISTの記事はみなさんにとって栄養となる土や水かもしれません。どんな花を咲かせるか、自分の心の種を探してみてください」と話を結んだ。
次回予告 2020年6月3日(水)19:00〜
「productと一緒にエシカルを学ぼう!」 vol.2
vol.2にもELEMINIST編集長・深本の出演が決定。今回質問の多かったエシカルな商品の紹介とproductの空き容器を使ったアップサイクルアレンジを取り上げる。
product Instagramアカウント
https://www.instagram.com/theproduct.jp/
問い合わせ先
http://theproduct.jp/
オンラインショッピング
Cosme Kitchen WEB STORE
https://www.cosmekitchen-webstore.jp/
文/小嶋正太郎、編集/山川俊行(ELEMINIST編集部)
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