Photo by Bence Balla-Schottner on Unsplash
アメリカの非営利団体テキスタイル・エクスチェンジが、リジェネラティブ農業の報告書をまとめた。ファッション業界や繊維産業の長期的な健全性を保つためには、リジェネラティブ農業への移行が重要だ。
小原 ゆゆ (Yuyu Obara)
ライター / インターン
上智大学総合グローバル学部在学中。 エストニアへの渡航をきっかけに、ヨーロッパの持続可能なライフスタイルに関心を持つ。 趣味は旅行、おかし作り、映画鑑賞。
わたしたちの買い物が未来をつくる|NOMAが「ソラルナオイル」を選ぶワケ
Photo by Susan Wilkinson on Unsplash
GRS認証やRCS認証の運営を行うことで知られるアメリカの非営利団体「テキスタイル・エクスチェンジ(Textile Exchange)」は、リジェネラティブ農業に関する初めての報告書を発表した。
気候変動や生物多様性の損失などの影響から、ファッションブランドは繊維生産を中断するリスクに直面していると言える。そのようななか、同団体はファッション業界や繊維産業にとって、リジェネラティブ農業への移行が肝心であると主張。その重要性についてまとめている。
リジェネラティブ農業とは、自然のシステムや古くから伝わる慣習に沿って行う農業のこと。土壌や自然環境を改善・回復させる農業方法だ。だからこそ社会や環境へメリットをもたらし、重要な役割を果たせると期待されている。
報告書では、リジェネラティブ農業の現状分析を実施。リジェネラティブ農業への取り組みやアプローチ方法について、ファッション企業の理解を促進している。
さらに報告書では、再生可能なシステムの大切な要素として「人種や社会的公正」について言及。リジェネラティブ農業は先住民の慣習に根差したものであり、彼らの将来の活動を支援することの必要性を指摘している。そして、リジェネラティブ農業に投資するブランドは、そのビジョンと意図を明確に示さなければならないという。
つまり、リジェネラティブ農業は繊維産業やファッション業界にとって、表面的に取り入れられる方法ではなく、システムの根本的な変革であるべきということだ。
サステナブルな取り組みがますます求められるなか、多くのファッション企業がリジェネラティブ農業への取り組みを始めると考えられる。今回テキスタイル業界を牽引するテキスタイル・エクスチェンジが報告書をまとめたことで、その動きがさらに加速することになるだろう。
※参考
Regenerative Agriculture Landscape Analysis|Textile Exchange
Report:Regenerative Ag Practices Fundamental to Long-Term Health of Fashion and Textile Industries | Sustainable Brands
ELEMINIST Recommends