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「GRS(グローバル リサイクルド スタンダード)」と「RCS(リサイクル クレーム スタンダード)」は、正しくリサイクルが実施された製品であること証明する国際的な認証プログラムだ。それぞれの認証基準やマークの意味、取得した企業の事例を解説する。
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GRS認証(グローバル・リサイクルド・スタンダード)およびRCS認証(リサイクルド・クレーム・スタンダード)は、アメリカの非営利団体「テキスタイル・エクスチェンジ」が運営するリサイクル製品の国際的な認証プログラムである。
GRS認証では、製品に含まれるリサイクル成分に非認証物が混じっていないかを検証し、その履歴管理と現場での保管状況の審査が行われる。さらに社会・環境要件として認証取得申請企業の管理運営状況を企業に赴いて審査するほか、適切な化学物質の選定・採用と管理状況もあわせて検証する。
一方、RCS認証は製品に含まれる認証物の投入量や履歴、保管状況などが審査の対象となる。
最終製品に含まれる原材料のうち、リサイクル成分が50%以上であること。さらに、有害物質を含む化学品の規制や、有害化学物質排出ゼログループ「ZDHC」の規定に沿った薬剤マニュアル・排水データの提出が求められる。
そのほか、企業ごとのエネルギー使用データと削減計画を提出し、従業員の労働体系や給与体系、差別の有無、企業や組合の内部統制などについても審査される。
RCS認証は、最終製品に含まれる原材料のうち、リサイクル成分が5%以上であることが基準となる。
なおGRS認証とRCS認証いずれも、製品のサプライチェーンに含まれる企業も認証を取得していること、また商取引証明書によってサプライチェーンのつながりを証明することが必要となる。
GRS認証マークが付いた製品は、原材料に含まれるリサイクル成分が50%以上であることを意味する。
またRCS認証マークには2種類ある。ひとつは「RCS 100」で、製品の原材料に含まれるリサイクル成分が95%以上含まれる場合。もうひとつは「RCS Blended」で、リサイクル成分が5~95%含まれることを意味する。
GRS認証とRCS認証を運営するテキスタイル・エクスチェンジ(TE)は、拠点が存在しないバーチャルオフィス性の団体で、認証審査についてはテキスタイル・エクスチェンジの認可を受けたCB(Certification Body=認証機関)が行っている。そのため認証取得を目指す場合は、CBに申請する必要がある。
初回認証取得後も1年ごとに認証機関の監査を受け、基準を満たしているかを確認することが義務づけられている。
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東レは、使用済みペットボトルを原料としたリサイクル繊維ブランド「&+(アンドプラス)」においてGRS認証を取得。優れた選別・洗浄技術、異物を取り除くフィルタリング技術を誇る協栄産業と協業し、石油由来のヴァージン原料と同等の白度と粘度をもつ高品質なリサイクル繊維原料の調達を実現した。
さらに東レの繊維製造技術を組み合わせ、これまでは難しかった特殊なリサイクル糸の生産を可能にしている。(※1)
旭化成は独自開発した再生繊維「ベンベルグ」においてGRS認証を取得。繊維として使用されないコットンリンター(綿実の周りの産毛)100%を原料とした肌触りのやさしい繊維は、高級スーツの裏地をはじめアウターやインナーのほか、寝袋といったアウトドア用品など幅広い商品で展開される。
また世界で初となるリサイクルポリウレタン繊維「ロイカ」でもGRS認証を取得しており、インナーやスポーツ衣料、オムツなどに使用される。(※2)
繊維・機械などの幅広い分野でビジネス展開する伊藤忠では、再生ポリエステル技術をもつ日本環境設計に出資し、2018年から再生ポリエステル事業を開始。いち早く紡績⼯程までのGRS認証を取得した。さらに再生ポリエステル糸「RENU(レニュー)」でもGRS認証を取得している。(※3)
資源を大切に使い、廃棄物を減らす。そうして環境負荷を軽減させることは、人類全体に課せられた急務である。そんななか、上記の例にあげた通り、テクノロジーの進化やSDGsの普及によってリサイクル製品に力を注ぐ企業が徐々に増えてきている。
GRS認証とRCS認証のマークは、いずれも正しくリサイクルが行われた製品にのみ表示される。これらを目印にひとりひとりがリサイクル製品を正しく購入することが、リサイクル製品のさらなる普及・定着へとつながっていくだろう。
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