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イギリス政府は、ケチャップやマヨネーズなどの使い捨てプラスチック調味料小袋を禁止する予定だ。リサイクルが難しいプラスチックプレートなども、今後イギリス全体で禁止される可能性がある。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)が、ケチャップやマヨネーズなどのプラスチック製小袋の使用禁止を検討中だ。
政府の報告によると、レストランのテイクアウトなどで提供されるプラスチック製の調味料小袋は、サイズが小さく、中に調味料が残っていることが多いため、分別や洗浄、リサイクルが難しい。しかも誤って廃棄されやすく、海洋汚染につながる可能性が高いという。そのため、プラスチック使用量を減らし、海洋汚染問題の対策を行うことが目的だ。
イギリス議会では、2021年11月にプラスチックを使用したウェットティッシュの販売禁止を求める法案が提出された。そのほか、コーヒーカップなどの身近な使い捨てプラスチック製品による海洋汚染に対して、どのように取り組むべきか情報収集を開始。
そのなかで、今回のプラスチック製調味料小袋の使用廃止が盛り込まれ、プラスチック製の皿なども禁止される見込みだ。
イングランドでは2020年10月から、プラスチック製のストローやマドラー、綿棒の使用が禁止されている。今回の措置は、これに続くものである。また世界屈指の環境先進国といわれる同国では、2022年4月よりプラスチック包装税が導入される予定で、プラスチックごみの問題に対する意識改革も一足先に進んでいる。
イギリスの成人2,000人を対象にしたある調査で、10人中8人がプラスチックの調味料用小袋の使用禁止を支持した。一方で、複数のメディアが報じた本ニュースは、ソーシャルメディアで歓迎派と反対派を二分する論争を巻き起こしている。
反対派の意見としては、プラスチックの消費量を減らす取り組みは歓迎できる一方で、「小規模の飲食店にコスト負担を強いるべきではない」というものだ。また、コロナ禍でプラスチック小袋を廃止し、「調味料のボトルを複数の客が共有して使うことは、健康被害をもたらす可能性がある」という意見もある。
プラスチックフリーの取り組みは歓迎されることであるが、代替品はあるのか、代替品への切り替えにともなう費用は誰が負担するのかなど、議論の余地はある。しかしプラスチック製の調味料小袋を禁止するというイギリスの方針は、世界に一石を投じる取り組みとなるのではないだろうか。
※参考
Ketchup, mayo, and milk sachets to be banned under new government plans|Bristol Live
Ketchup and mayonnaise sachets could be banned in new plans to curb plastic waste|Yahoo!
Introduction of Plastic Packaging Tax from April 2022|Gov.UK
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