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カナダのコーポレートナイツ(Corporate Knights)から、2022年の「世界でもっとも持続可能な100社(Global100)」が発表された。企業の主力製品やサービスがもたらす影響を評価するランキングで、日本からは3社がランクインした。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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2022年1月、カナダのコーポレートナイツ(Corporate Knights)による「Global100(グローバル100)」が発表された。
これは「世界でもっとも持続可能な100社」のこと。企業の主力製品やサービスがもたらす影響を中心に、持続可能性について評価する、世界でも有数な格付けの一つだ。売上高10億ドル以上の上場企業およそ7,000社を対象に、収益率、投資率、納税額、炭素生産性、人種・性別の多様性など23の主要業績指標で評価する。
2022年のトップ10は以下の通りだ。
1位:Vestas Wind Systems A/S(デンマーク、21位)
2位:Chr Hansen Holding A/S(デンマーク、24位)
3位:Autodesk Inc(アメリカ、43位)
4位:Schneider Electric SE(フランス、1位)
5位:City Developments Ltd(シンガポール、40位)
6位:American Water Works Company Inc(アメリカ、9位)
7位:Orsted A/S(デンマーク、2位)
8位:Atlantica Sustainable Infrastructure PLC(アメリカ、12位)
9位:Dassault Systemes SE(フランス、55位)
10位:Brambles Ltd(オーストラリア、18位)
( )は、国と2021年のランキング。
デンマークの風力発電会社Vestasとバイオテクノロジー企業Christian Hansenがツートップに。両社はどちらも、2021年は20位台だったが、順位を伸ばした。2021年と2022年に連続してトップ10に入ったのは、電気機器メーカーのSchneider Electric SEと電力会社のOrsted A/S、アメリカのAtlantica Sustainable Infrastructure PLCの3社だった。
2022年の「グローバル100」では、テクノロジー系企業が多く並んだ。そのほか、水関連の事業を行う企業も増えたことから、世界の水問題への注目の高まりがうかがえる。
日本企業については、以下の結果だった。
22位:積水化学工業(51位)
32位:エーザイ(16位)
53位:コニカミノルタ(41位)
2021年は51位だった積水化学工業が22位となり、ポイントを上げた。逆に2021年は16位だったエーザイ株式は32位、41位だったコニカミノルタは53位にポイントを下げた。
「グローバル100」にランクインした企業の数を地域別にみると、もっとも多いのが欧州で、その次はアメリカだ。日本を含めアジア太平洋地域の企業でランクインしたのは20社だった。
世界の平均気温の上昇を、産業革命前から1.5度に抑えるというパリ協定の目標。この目標達成に向けた動きが加速している。
企業が、科学的根拠にもとづき二酸化炭素排出量削減目標を立てることを「SBTイニシアティブ(Science Based Targets イニシアティブ、科学と整合した目標設定)」という。2021年には、「グローバル100」のうち60社がSBTイニシアティブに署名しており、2022年は65社に増加した。
年々、気候変動の影響が深刻化するなか、環境に配慮した取り組みをリードして行う企業がさらに増えているようだ。これにともない、多くの人々の環境に対する意識が、さらに高まっていくことを願いたい。
※参考
The 100 most sustainable corporations of 2022
2022 Global 100 FAQ and Resources
Top 100 Sustainable Companies In The World Prove That Going Green Is A Profitable Move
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