2021年最新「Global100」ランキング 日本企業も選出、ダボス会議開催に合わせて発表

地球儀を抱えて直立する人

「Global100」とはカナダのコーポレートナイツ社が毎年発表する「世界で最も持続可能な100社」のこと。財務状況だけでなく、クリーンな投資を行っているか、環境問題に対する取り組みはどうかなど、24のKPIに基づき客観的に評価されている。

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2021.03.26
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「Global100(グローバル100)」とは

プレゼンをするマイクを持った男性と聴衆

Photo by Austin Distel on Unsplash

「Global100(グローバル100)」は、カナダの出版・調査企業である「Corporate Knights」社により毎年発表される「世界で最も持続可能な100社」のこと。同ランキングは、株を公開している会社を定量的にランク付けすることを目的に、2005年にスタートし、毎年注目を集めている。

2020年度は、ダボス会議の開催テーマが「ステークホルダーがつくる、持続可能で結束した世界」であったため、会議に合わせて公表された。

今年2021年度にノミネートされたのは、世界各国の8080社。日本からは5社が上位100位に選ばれた。

ダボス会議とは

ダボス会議とは、スイスのジュネーブに本部にを置く国際機関「世界経済フォーラム」が、毎年1月に同国のダボスで開く年次総会である。例年、各国の首脳や学識者、グローバル企業の経営者など各セクターのトップが集結し、公共政策や環境問題など、さまざまなテーマの議論が行われている。

会議の影響力は非常に大きく、過去には1988年にギリシャ・トルコ間で戦争が起こるのを回避したり、1989年には東西ドイツが統一に向けて話し合う場にもなった。

選出・評価基準

2021年度の評価対象は、2019年の会計年度(FY2019)の利益が10億ドル以上あり、その上で財務健全性と製品カテゴリーに関してのスクリーニングを通過した企業だ。

基準をクリアした企業は、Corporate Knights社により、24の項目からなるKPI(重要業績評価指標)に基づいて客観的に評価される。

2021年最新「Global100」上位20企業

順位企業名
1位フランスシュナイダーエレクトリック
2位ノルウェーオーステッド
3位ブラジルブラジル銀行
4位フィンランドネステ
5位カナダスタンテック
6位米国マコーミック
7位フランスケリング
8位フィンランドメッツォ・オートテック
9位米国アメリカン・ウォーター・ワークス
10位カナダカナディアン・ナショナル鉄道
11位フランスレクセル
12位米国アトランティカ・サステナブル・インフラストラクチャー
13位米国シスコシステムズ
14位ノルウェーストアブランド
15位米国オーウェンス・コーニング
16位日本エーザイ
17位カナダカスケード
18位豪州ブランブルス
19位スペインイベルドローラ
20位台湾TSMC

ランキングの傾向

100位以内に選出された企業はヨーロッパ勢が46社と、約半数を占めている。一方、南米からは2社、アフリカに至っては1社と、地域による偏りが見られた。

日本企業に関しては、選出された5社のうち2社が製薬会社、1社が医療機器メーカーと、コロナウイルスの影響を感じる結果となった。

1位のフランスのシュナイダーエレクトリック社は、昨年の29位から急激に伸び、注目を集めている。エネルギーマネジメントなどを行う同社は、収益の約7割が持続可能なソリューションに関係したものであることや、従業員の多様性などにおいて高評価を得た。

2021年版「Global100」選出の日本企業

エーザイ

製薬会社のエーザイが16位で日本トップ。1941年創業の同社がGlobal100に選定されたのは、今回が5度目。低炭素・循環型社会への寄与などによるクリーンな収益と投資、それに雇用が安定しているところなどが高く評価された。

シスメックス

32位は、神戸に本社を置く1968年創業の医療機器メーカー、シスメックス。ヘルスケア機器セクターにおいては堂々の世界1位を獲得した。ランクインしたのは今回が4度目だ。

コニカミノルタ

電気機器メーカーのコニカミノルタは41位。2003年にコニカとミノルタが統合して始まった同社は、世界に誇る最先端のテクノロジーで、SDGsの達成に向けて取り組んでいる。今回は4度目の受賞。

積水化学工業

1947年創業の積水化学工業は、51位に選出された。住宅、IT、環境ソリューション事業など、幅広く展開している同社は、クリーンな収益と投資、従業員の定着率などにおいて評価が高かった。受賞は6度目。

武田薬品工業

1781年創業の老舗製薬会社である武田薬品工業は、71位。受賞は6年連続。同社は2019年度にカーボンニュートラルをバリューチェーン全体で成し遂げており、気候変動対策への取り組みが評価された。

Global100でサステナブルな企業を知る

SDGsのゴールの達成、また脱炭素化に向けて、企業の持続可能性は以前にも増して大きく評価されるようになった。Corporate Knights社発表のGlobal100は、透明性があり評価基準が明確であることから、国際的にも信頼性が高い。国内外の最新の動向を探るのに活かしてみてはいかがだろうか。

※掲載している情報は、2021年3月26日時点のものです。

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