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2022年1月より、フランスで野菜と果物のプラスチック包装禁止の新ルールがスタートした。ニンジン、ナス、オレンジなど約30種の青果で、プラスチック包装を禁止。さらにファーストフード店でのプラスチック製おもちゃの提供禁止、公共スペースにおける給水器の設置義務化なども始まった。
小原 ゆゆ (Yuyu Obara)
ライター / インターン
上智大学総合グローバル学部在学中。 エストニアへの渡航をきっかけに、ヨーロッパの持続可能なライフスタイルに関心を持つ。 趣味は旅行、おかし作り、映画鑑賞。
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フランスで2022年1月より、野菜や果物にプラスチックの包装を禁止する法律が施行された。この法律は2020年2月に成立したものだ。
これにともない、環境省はプラスチック包装を禁止する青果のリストを発表。ニンジン、キュウリ、ナス、トマト、オレンジ、リンゴ、バナナなど約30種類の野菜や果物について、プラスチック包装なしでの販売が始まった。1.5kg以上のパックや、カットフルーツ、加工した果物は対象外となる。
さらに、プチトマトやラズベリー、ブルーベリーなどのやわらかい果物は、生産者側がプラスチックに代わる包装を見出すため猶予期間が設けられ、段階的に対象となる青果が増えていく予定。
例えば、プチトマトやインゲン、桃は2023年までに、アスパラガス、さくらんぼ、マッシュルームは2024年までに、ラズベリーとイチゴは2026年までにプラスチック包装の使用が禁止される。
フランスでは年間480万tのプラスチックが生産されているが、リサイクル率はわずか16%だ。野菜や果物の約37%が包装されて販売されているため、この禁止令で年間10億個以上の不要な包装容器類を削減できるとみている。
マクロン大統領が「真の革命」と表現したように、鮮度が命となる野菜や果物のプラスチック包装禁止の動きは、革新的な取り組みだ。しかし、包装されていない青果は鮮度を保つのが難しい。しかも、ばら売りの青果は多くの人が触ることとなり、そのことに嫌悪感を抱く人がいるなど、新たな課題がある。
プラスチックではない別の包装が注目されるなか、代替製品の候補のひとつが段ボールだ。これに対し、果実販売業者連盟のフランソワ・ロッシュ会長は、「段ボールへの切り替えは短期間では困難」と述べている。
青果のプラスチック包装禁止の新しい法律で、新たな課題が出てきているが、それらを解決する対策を見出していくことが、このプラスチック包装禁止を進める鍵となっていくだろう。
フランスでは、マクロン大統領が2040年までにすべての使い捨てプラスチックを段階的に廃止する目標を発表。今回の法律以外に、以下のようなプラスチック削減の取り組みを実施している。
・2016年~ プラスチック製レジ袋の使用禁止
・2020年~ プラスチックのカップ、グラスの使用禁止
・2021年~ プラスチック製のストロー、カトラリー等の使用禁止
そして、2022年からはファーストフード店におけるプラスチック製おもちゃの無料提供の禁止がスタート。フランス国内の公共スペースには、給水器の設置が義務づけられた。
フランスの動きに合わせて、スペインでは2023年から野菜と果物のプラスチック包装の使用が禁止される。プラスチック削減で世界をリードするフランスにならい、日本を含めた多くの国で、プラスチックを減らすための取り組みがさらに進められていくべきではないだろうか。
※参考
France Bans Plastic Packaging for Fruits and Vegetables | LIVEKINDLY
France bans plastic packaging for fruit and vegetables | Reuters
循環経済法で使い捨てプラスチックからの脱却を目指す|JETRO
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