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テイクアウトやフードデリバリーの需要増加にともなうごみ問題に対応するため、アメリカで生まれたのが、テイクアウト容器のサステナビリティを評価するアプリ「JYBE」だ。ユーザーは、サステナブルな容器の使用状況に応じて、レストランを選べる。2020年のリリースから、利用都市が拡大中だ。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって、テイクアウトやフードデリバリーの注文が急増している。
アメリカの調査会社NPDの報告によると、アメリカの飲食業界におけるテイクアウトの注文数は、2020年1月には前年比3%増、12月には10%増。デジタルでの注文については、2020年第2四半期の注文数が前年同期比で127%も急増した。
それと同時に、使い捨てプラスチック容器などの廃棄物が増加し、世界的に大きな問題になっている。毎年、海に流れこむプラスチックごみは推定1,100万t。その大部分が、テイクアウトに使われた容器と言われている。
そこで、この問題に危機感を持ったアメリカの4人の起業家が2020年9月、アプリ「JYBE」を立ち上げた。これは、各飲食店が使用するテイクアウト容器のサステナビリティをもとに、テイクアウトやフードデリバリーの店を選べるアプリだ。
テイクアウト容器のサステナビリティについては、ユーザーからの情報をもとに提供している。飲食店を利用したユーザーは、テイクアウト容器の写真をアプリにアップロード。プラスチックの量、コンポスト可能か、プラスチック容器や発泡スチロールが含まれているかなど、詳細の質問に答える。
JYBEでは、これらの分析結果から、各店舗のサステナビリティの評価を4段階で表示。さらに、ユーザーはレビューを投稿することで、他のユーザーと容器に関する詳細を共有できるようになっている。
JYBEが利用できる都市は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ポートランド、シアトルなど。2021年5月には、ニューヨークが加わった。環境に配慮したテイクアウト容器を使っている飲食店を選ぶことで、サステナブルな社会づくりに貢献できる仕組みが、アメリカで拡大しているようだ。
テイクアウトやフードデリバリーの需要が今後も続くと見込まれるなか、飲食業界ではサステナブルなテイクアウト容器を提供することがますます求められるだろう。
JYBEの共同創設者であり、サステナビリティに関する最高責任者であるPaul Kradinは次のように述べている。「JYBEは、高いレベルのサステナビリティを実現している店舗を集めたアプリだ。テイクアウトを利用しない人も、ぜひ一度見てもらいたい」
地球環境に配慮したテイクアウト容器が使われていることが、レストラン選びの一つの
基準となっていくかもしれない。
※参考
Jybe
https://www.gojybe.com/
Meet JYBE, A New App Aiming To Revolutionize Restaurant Takeout Packaging|Forbes
https://www.forbes.com/sites/claudiaalarcon/2021/02/17/meet-jybe-a-new-app-aiming-to-revolutionize-restaurant-takeout-packaging/?sh=74de217e530d
The Dark Clouds of 2020 Yielded Silver Linings for U.S. Restaurant Industry|NPD
https://www.npd.com/news/press-releases/2021/the-dark-clouds-of-2020-yielded-silver-linings-for-us-restaurant-industry/
Is This Restaurant's Packaging Sustainable? There’s an App for That|Packaging Digest
https://www.packagingdigest.com/sustainability/restaurants-packaging-sustainable-theres-app
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