人口の少ない国ランキングトップ10 各国の状況と少ない理由とは

芝生に置かれた地球儀

世界でも、人口の少ない国はどこなのだろうか?ランキングを紹介する。また、なぜ人口が少ないのか、それぞれの国が抱える事情にも迫ってみよう。日本との人口の差についても解説するので、それぞれの国の人口問題を身近に感じてみてほしい。

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2021.11.30

人口の少ない国ランキングTOP10

世界でも、人口の少ない国はどこなのだろうか。ランキング形式で、上位10か国を紹介しよう。日本の人口との比率や、それぞれの国の特徴、人口が少ない理由について解説する。

順位国名人口日本との比較した場合の割合
バチカン615人約0.000049%
ニウエ1,520人約0.0012%
ナウル11,000人約0.0087%
ツバル12,000人約0.0095%
パラオ、クック諸島18,000人約0.014%
サンマリノ34,000人約0.027%
リヒテンシュタイン38,000人約0.030%
モナコ 39,000人約0.031%
10セントクリストファー・ネービス53,000人約0.042%

1位 バチカン

世界でもっとも人口が少ない国は、バチカンである。バチカンは、世界でもっとも面積が小さい国としても知られている。その面積は約0.44平方キロメートルで、日本の皇居(約1.15平方キロメートル)の半分にも満たない。

カトリック教会の総本山であり、世界中に約13億人もの信者を擁する。バチカンの国籍を持ち、バチカンで暮らす人のほとんどが聖職者たちである。面積が小さいことも、人口が少ない要因の一つと言えるだろう。(※1)

2位 ニウエ

ニウエとはニュージーランドの北東約2,400キロメートルに位置する国で、ニュージーランドとは自由連合関係にある。ニウエ憲法のもとで内政自治権を獲得しており、農業、漁業、観光業などを主な産業としている。

1974年まで、ニュージーランドの属領であったニウエ。現在でも、経済・援助・移住といった各種方面で、ニュージーランドと深く結びついている。ニウエの面積は259平方キロメートルで、愛知県豊橋市とほぼ同じである。人口が少ない理由は、面積の少なさもあるが、それ以上に移住問題が深刻な影響を与えている。ニウエのぜい弱な経済基盤に限界を感じ、就労機会を求めてニュージーランドへの移住する国民も多い。こうした事情から、人口減少問題に直面しているのだ。(※2)

3位 ナウル

ナウルはオセアニアにある独立国の一つで、その面積は21.1平方キロメートルだ。1942年には日本軍が占領し、その後はオーストラリア・ニュージーランド・英国を施政国とする、国連信託統治地域となった。

独立したのは1968年のことだ。ナウルの面積は東京都品川区とほぼ同じであり、決して恵まれてはいない。ナウル国内には自給自足が可能な食糧産業が乏しく、食糧の調達をほぼ輸入に頼っている。もともとはリン鉱石を輸出して外貨を得ていたが、資源枯渇により経済的に非常に厳しい状況が続く。こうした状況も、人口が少ない理由の一つと言えるだろう。(※3)

4位 ツバル

ツバルはポリネシアの最西端に位置しており、9つの環礁島から構成されている。面積は25.9平方キロメートルで、東京都の新島とほぼ同じだ。主な産業は農業および漁業であり、国内で消費するほか、海外にも輸出している。

島国であり、また面積が小さいツバルは、地球温暖化の影響で将来的な水没リスクが指摘されている。人口の少ない国ランキングは4位という結果になっているが、年々人口が増加している国でもある。2006年の人口や役9,600人。約15年で、その人口は1.2倍以上に増加している。(※4)

5位 パラオ、クック諸島

パラオは西太平洋のミクロネシア地域にあり、大小200の島から構成されている。その面積は488平方キロメートルで、屋久島とほぼ同じである。主な産業は観光業だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、深刻な影響を受けている。パラオの人口がピークを迎えたのは2005年頃のことで、その後一時期、急激に人口が減少した。出生率の低下とともに、移民として海外に流出する人の数が多かったためだと言われている。(※5)

クック諸島は南太平洋に浮かぶ島だ。15の島々で構成されており、総面積は約237平方キロメートル。大阪市とほぼ同じ面積である。全人口の9割ほどが南クック諸島に在住しており、また海外に移住する人も多い。(※6)

7位 サンマリノ

サンマリノは、四方をイタリアに囲まれた独立国家である。その面積は61.2平方キロメートルと、非常に小さい。4世紀初頭に、キリスト教徒への迫害を避けるために、この地を選んで立てこもったのが建国の由来と言われている。

1631年にはローマ法王がその独立した地位を認め、1862年にはイタリアと友好条約を締結。近代国家として成立した。面積が小さいことが、人口の少ない理由の一つと言えるだろう。(※7)

8位 リヒテンシュタイン

オーストリアとスイスの間に位置する内陸国で、その面積は160平方キロメートル。日本では、小豆島とほぼ同じ大きさである。首都はファドーツ。1806年に独立を達成した。

人口は約38,000人だが、そのうちの約34%が外国人である。また人口の約15%となる5,700人が首都で暮らしている。リヒテンシュタインも、年々人口が増加している国の一つだ。2003年時点の人口は約30,000人。20年弱で1.2倍にまで上昇している。(※8)

9位 モナコ

「セレブが集まる国」としても知られるモナコは、フランスの地中海沿岸部に位置している。1861年に独立し、フランスとの間に友好協力条約を締結している。

モナコの面積は2.02平方キロメートル。面積の小ささは、バチカンに次ぐ第2位である。モナコの人口は39,000人だが、その人口密度は極めて高い。人口は増加しているものの、国の面積が限られている点が、人口が少ない原因だろう。(※9)

10位 セントクリストファー・ネービス

セントクリストファー・ネービスは、大西洋とカリブ海の間に浮かぶ島国である。面積は260平方キロメートルで、西表島とほぼ同じ大きさだ。アフリカ系民族が多く暮らしている。主な産業は観光業や製造業だ。

【2021年】日本の人口と人口密度

2021年1月時点での日本の人口は約125,570,000人である。人口密度は、338人/平方キロメートル。もちろん、地域によって差はあるものの、国全体で考えた場合、1平方キロメートルあたり338人が生活しているという計算になる。

ちなみに、2018年時点で、人口密度の高い国ランキングは以下のとおりである。(単位はすべて人/平方キロメートル)(※10)

順位国名人口密度
モナコ19,150
シンガポール7,867
バーレーン1,906
モルディブ1,780
マルタ1,565
バングラデシュ1,122
モーリシャス640
サンマリノ566
大韓民国(韓国)512
10ルワンダ470

モナコやサンマリノは、人口が少ない国ランキングの上位国であり、人口密度の高い国ランキングの上位国でもある。人口は日本の方が多いものの、人口密度で考えると、日本の方が面積に余裕があることがわかる。

人口の少ない国が抱える事情はさまざま

人口が少ない国の多くは、面積が限られている国々である。とくにモナコは、人口は少ないものの、それ以上に国の面積が限られているため、人口密度が非常に高いという実情がある。

一方で、開発が遅れている島国などでは、海外への移民の増加によって、人口減に直面しているケースも多くみられる。日本の人口との比較から、世界の国々が抱える事情にも目を向けてみよう。

※掲載している情報は、2021年11月30日時点のものです。

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