Photo by photo by Agrihood Santa Clara
アメリカ、カリフォルニア州サンタクララにアグリフッドが建設される。アグリフッドとは共同農園つきの地域コミュニティのことで、1.5エーカーの農場が隣接され、さまざまな作物を栽培することが可能だ。都心にいながら田舎暮らしを体験でき、健康と福祉の促進が期待される。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
Photo by photo by Agrihood Santa Clara
アメリカ、カリフォルニア州サンタクララで2021年夏、共同農園がある地域コミュニティ「アグリフッド サンタクララ」の建設が始まった。この土地を所有していたサンタクララ市と、開発業者のコアカンパニーズが共同で取り組むプロジェクトだ。
「アグリフッド」とは農業を基盤とする住宅コミュニティのことで、「アグリフッド サンタクララ」はシリコンバレー初のアグリフッドとなる。
住宅に隣接するのは1.5エーカーの農場で、毎年最大2万ポンド(約9t)の農産物を栽培することが可能。年に3回の収穫が予定されている。
持続可能な方法を維持しながら、できるだけ多くの収穫を得るために、土壌の健康を守りながら気候変動対策にもなり得る農法「リジェネラティブ農法」を採用。農薬を使用せず作物の受粉を促進し、有害な昆虫から守るために、周囲には生垣を設置する。 またコンポストを利用し、土壌と作物に栄養分を与え、病原菌から作物を守る。
農場を管理を管理するのは、カリフォルニアを拠点とする都市農業企業ファームスケープ。有機栽培された農産物は、毎週住民向けに割引価格で販売される。また農場には、住民が自分たちで栽培できる区画も設けられる。
「アグリフッド サンタクララ」の農場以外の特徴は、幅広い所得の人が住む住宅になることだ。低所得の高齢者や退役軍人向けの165戸、中所得者向けの160戸、タウンホーム36戸で構成される。
このプロジェクトを進めるコアカンパニーズの開発副部長ヴィンス・カントーレは、「ユニークな生活体験を提供するだけでなく、住民のライフスタイルに農場を取り入れることで、健康と福祉を促進したい」とコメントしている。
サンタクララを含むベイエリアは、手頃な価格の住宅が16万戸不足していると言われ、住宅の供給数が不足している。そのため、このプロジェクトが安価な住宅不足の解消につながることも期待されている。
「アグリフッド サンタクララ」の建設は2年間の予定で、第一フェーズが2023年夏に完了する予定だ。
アメリカでは、アグリフッドが数多くある。畑を耕したり、農業を通して住民と交流を深めたり。都心に住みながら、まるで田舎暮らしのようなゆっくりとした生活を送れることから、人気を集めている。
日本ではアグリフッドと呼ばれるコミュニティはほとんどないが、「都市農業」や「市民農園」の制度がある。どちらも住んでる地域で簡単に農業体験ができ、日帰りや宿泊付きで行われている。長期的に自分の農園を持ちたいのであれば、レンタル農園を利用する方法もある。
また、数は少ないが、菜園や畑付きのマンションや戸建て住宅などもある。
土や作物に触れる機会があると、心身のリフレッシュにつながるうえ、地球や環境を考えるきっかけにもなるだろう。日本でもアグリフッドのようなライフスタイルが、今後増えていくかもしれない。
※参考
Agrihood Santa Clara
http://www.agrihood-sc.com/
This new mixed-income housing complex comes with its own farm|Fast Company
https://www.fastcompany.com/90674652/this-new-mixed-income-housing-complex-comes-with-its-own-farm
都市農業の振興・市民農園について|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/index.html
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