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アメリカ・カリフォルニア州議会は、現行のリサイクルマークの使用基準を厳しくする法案を可決した。リサイクルできない製品やリサイクル品ではない製品に対するリサイクルマークの表示を禁止。グリーンウォッシュの防止につなげる。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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アメリカ・カリフォルニア州議会は2021年9月、リサイクルマークの使用基準を厳格化する法案を可決した。
3本の矢印が循環するように描かれたリサイクルマークは、アメリカでも広く使われており、おなじみのマークだ。だが、実際にはリサイクルされていない商品であってもマークの表示が可能だったことから、リサイクルボックスにはリサイクルされないごみが数え切れないほど捨てられているという。
そのため、リサイクルできないのにリサイクルマークを表示することは、虚偽の広告にあたると批判されている。また、このことがごみの循環システムの逼迫を引き起こしていると指摘する声もある。
そこでカリフォルニア州は、州のリサイクル基準を満たしていない製品やパッケージに、リサイクルマークを使用することを禁止する法案を可決した。同法案は、ギャビン・ニューサム州知事の署名を経て、成立する見通しだ。
環境問題の議論で近年話題に上がるのが、「グリーンウォッシュ」について。グリーンウォッシュとは、環境へ配慮しているように見せかけているが、実態が伴っていない製品や行動を指す。
実際にはリサイクルできない、あるいは、リサイクル品ではないにも関わらず、リサイクルマークを表示することはグリーンウォッシュにあたるだろう。
アメリカ環境保護庁の最新の推計によると、紙や金属はリサイクル率が高いが、プラスチックのリサイクル率は10%にも満たず、ほとんどが焼却もしくは埋め立てられている。このリサイクル率の低さの一因として、グリーンウォッシュの製品が含まれていることが考えられる。
そのため、今回のカリフォルニア州の法案のように、グリーンウォッシュを防止する動きが少しずつ出てきている。
例えば、アメリカのメイン州とオレゴン州では2021年夏、商品の包装材のリサイクル費用について企業の負担を義務付ける法律を制定。オレゴン州では、リサイクルに関して「誤解を招くあるいは紛らわしい表現」を評価する組織の設置を、同法律に組み込んでいる。
マークの乱用は、リサイクルシステムの崩壊につながりかねない上、「環境負荷を少なくしたい」と思う人の気持ちを台無しにしてしまう。リサイクルマークが一般に広く認知されたいま、リサイクルマークの使用条件の厳格化とグリーンウォッシュの防止は、カリフォルニア州に限らず各地で必要になってくるだろう。
※参考リンク
California Aims to Ban Recycling Symbols on Things That Aren’t Recyclable|New York Times
https://www.nytimes.com/2021/09/08/climate/recycling-california.html
States take aim at ubiquitous "chasing arrow" symbol on products that aren't recycled | CBC News
https://www.cbsnews.com/news/recycling-symbol-false-advertising-california-oregon-new-york/
SB-343 Environmental advertising: recycling symbol: recyclability: products and packaging.|California Legislative Information
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202120220SB343
Plastics: Material-Specific Data|EPA
https://www.epa.gov/facts-and-figures-about-materials-waste-and-recycling/plastics-material-specific-data
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